Pepper Adams Live In Europe
1977年8月24日にペッパーアダムスは、ヨーロッパをツアー中であったサドメルのオーケストラを去って、ニューヨークに戻りソロリストとしての活動を始める。色々自宅に戻って身辺整理もあったとは思うが、すぐに向かった先はサンフランシスコ。昔ウェストコーストで仕事をしていた時以来の旧友であるMarabuto兄弟の元を訪れた。
地元でのセッションにも参加し、この時Marabuto兄弟と一緒にライブのアルバム"Pepper Adams Live at The Douglas"も残した。サドメルに加わる前のソロと較べると幾分荒々しさが増した。プレーぶりだけでなくバリトンの音質も幾分変ったように思う。
そして、再びニューヨークへ戻って、これも旧友であるDavid Amramのセッション"Havana New York / David Amram"に付き合うと、10月9日に再度ヨーロッパに旅立つ。サドメルのツアーでヨーロッパを訪れる機会も多く、滞在期間も長くなっていた。今回の行先はパリ。
着いた翌日には、フランスのピアニストGeorges Arvinitas のTrioに加わってラジオ出演をする。このジョルジュ・アルヴァニタスとしばらく行動を共にするが、11月4日のボルドーでのセッションがライブで録音され、このアルバムとなった。
自分はヨーロッパのミュージシャンをあまり聴かなかったので良く分からないが、このアルヴァニタスはヨーロッパでは実力者の一人。しばらく前に61年のアルバムSoul Jazzが幻の名盤で話題になっていたが、50年代から活躍していたハードバップ、ファンキーの洗礼を受けたメインストリーマー。という点ではアダムスと根差すところは同じ、そして2人の77年の演奏はということになる。
最初の曲、アダムスのオリジナルBossa Nouveaはこの頃、アダムスは良く演奏していた。前作のマラブトとのアルバムでもやっていたボサノバ調の快調な曲だ。
お馴染みBody and Soulはアダムスの静の技を堪能できる。
Min,And Maj. Bluesはアップテンポのアヴァニタスの自作曲。カミソリプレーは健在で水を得た魚のような8分を超える縦横無尽に展開するアダムスのソロは圧巻、色々な曲のフレーズを交えながらソリストになった想いを一気に爆発されているようだ。
そして、自作のEphemeraはまったりと始まるが途中の緩急の付け方がアダムスらしい。
そしてDear Old Stockholmは色々なプレーヤーの名演があるが、それらと比較してもいいかも。
と通して聴いてもピアノのアルヴァニタスとの相性はなかなか良い。流石フランスの主流派の第一人者といわれるだけあって、アダムスのスイング感とピッタリ噛み合っている。
このブログでペッパーアダムスの事を色々書いているが元ネタの多くは、アダムスの研究家であるゲイリーカーナーの資料によるところが多い。
彼の定義によると、アダムスのリーダーアルバムは全部で20枚とある。
このアルバムのタイトルはアダムスになっているにも関わらず、その中でアダムスのリーダーアルバムにはカウントされていない。あくまでもアルヴァニタストリオへの客演という扱いだ。他にも、有名なドナルドバードとの共演アルバムも入っていない。
彼の定義するリーダーアルバムとはあくまでのアダムスの意向がアルバムに入っていないと駄目で、ブルーノートのドナルドバード盤は皆除外となってしまう。ブルーノート自体もアダムスをリーダーとは認めていなかったので事実ではあるが。こもアルバムは演奏を聴く限りアダムス主体にやりたいように吹いているように思えるが。
そして、もうひとつ彼の死後に発売されたライブアルバムも除外となっているが、このアルバムはLPでも出ていたので多分生前には出ていただろう。なぜ外されているのは不可解?
いずれにしても、International Soloistとして活動した1977年~1986年の晩年の活動のキックオフを飾るアルバムとして、ワンホーンでたっぷりアダムスのプレーを聴けるこのアルバムはお勧めだ。ライブ物であるが、一発物のジャムセッションではなく、少なくともこのセッションの前にも何度か一緒にプレーをした一体感がある。アルヴァニタスファンにもお勧めかもしれない。
1. Bossa Nouveau Pepper Adams 10:59
2. Body And Soul Johnnie Green 10:10
3. Min And Maj Blues Georges Arvanitas 16:54
4. Ephemera Pepper Adams 14:29
5. Dear Old Stockholm traditional 15:00
Pepper Adams (bs)
Georges Arvanitas (p)
Jacky Samson (b)
Charles Saudrais (ds)
Enregistré en public à l'Alhambra de Bordeaux, France, le 4 Novembre 1977
1977年8月24日にペッパーアダムスは、ヨーロッパをツアー中であったサドメルのオーケストラを去って、ニューヨークに戻りソロリストとしての活動を始める。色々自宅に戻って身辺整理もあったとは思うが、すぐに向かった先はサンフランシスコ。昔ウェストコーストで仕事をしていた時以来の旧友であるMarabuto兄弟の元を訪れた。
地元でのセッションにも参加し、この時Marabuto兄弟と一緒にライブのアルバム"Pepper Adams Live at The Douglas"も残した。サドメルに加わる前のソロと較べると幾分荒々しさが増した。プレーぶりだけでなくバリトンの音質も幾分変ったように思う。
そして、再びニューヨークへ戻って、これも旧友であるDavid Amramのセッション"Havana New York / David Amram"に付き合うと、10月9日に再度ヨーロッパに旅立つ。サドメルのツアーでヨーロッパを訪れる機会も多く、滞在期間も長くなっていた。今回の行先はパリ。
着いた翌日には、フランスのピアニストGeorges Arvinitas のTrioに加わってラジオ出演をする。このジョルジュ・アルヴァニタスとしばらく行動を共にするが、11月4日のボルドーでのセッションがライブで録音され、このアルバムとなった。
自分はヨーロッパのミュージシャンをあまり聴かなかったので良く分からないが、このアルヴァニタスはヨーロッパでは実力者の一人。しばらく前に61年のアルバムSoul Jazzが幻の名盤で話題になっていたが、50年代から活躍していたハードバップ、ファンキーの洗礼を受けたメインストリーマー。という点ではアダムスと根差すところは同じ、そして2人の77年の演奏はということになる。
最初の曲、アダムスのオリジナルBossa Nouveaはこの頃、アダムスは良く演奏していた。前作のマラブトとのアルバムでもやっていたボサノバ調の快調な曲だ。
お馴染みBody and Soulはアダムスの静の技を堪能できる。
Min,And Maj. Bluesはアップテンポのアヴァニタスの自作曲。カミソリプレーは健在で水を得た魚のような8分を超える縦横無尽に展開するアダムスのソロは圧巻、色々な曲のフレーズを交えながらソリストになった想いを一気に爆発されているようだ。
そして、自作のEphemeraはまったりと始まるが途中の緩急の付け方がアダムスらしい。
そしてDear Old Stockholmは色々なプレーヤーの名演があるが、それらと比較してもいいかも。
と通して聴いてもピアノのアルヴァニタスとの相性はなかなか良い。流石フランスの主流派の第一人者といわれるだけあって、アダムスのスイング感とピッタリ噛み合っている。
このブログでペッパーアダムスの事を色々書いているが元ネタの多くは、アダムスの研究家であるゲイリーカーナーの資料によるところが多い。
彼の定義によると、アダムスのリーダーアルバムは全部で20枚とある。
このアルバムのタイトルはアダムスになっているにも関わらず、その中でアダムスのリーダーアルバムにはカウントされていない。あくまでもアルヴァニタストリオへの客演という扱いだ。他にも、有名なドナルドバードとの共演アルバムも入っていない。
彼の定義するリーダーアルバムとはあくまでのアダムスの意向がアルバムに入っていないと駄目で、ブルーノートのドナルドバード盤は皆除外となってしまう。ブルーノート自体もアダムスをリーダーとは認めていなかったので事実ではあるが。こもアルバムは演奏を聴く限りアダムス主体にやりたいように吹いているように思えるが。
そして、もうひとつ彼の死後に発売されたライブアルバムも除外となっているが、このアルバムはLPでも出ていたので多分生前には出ていただろう。なぜ外されているのは不可解?
いずれにしても、International Soloistとして活動した1977年~1986年の晩年の活動のキックオフを飾るアルバムとして、ワンホーンでたっぷりアダムスのプレーを聴けるこのアルバムはお勧めだ。ライブ物であるが、一発物のジャムセッションではなく、少なくともこのセッションの前にも何度か一緒にプレーをした一体感がある。アルヴァニタスファンにもお勧めかもしれない。
1. Bossa Nouveau Pepper Adams 10:59
2. Body And Soul Johnnie Green 10:10
3. Min And Maj Blues Georges Arvanitas 16:54
4. Ephemera Pepper Adams 14:29
5. Dear Old Stockholm traditional 15:00
Pepper Adams (bs)
Georges Arvanitas (p)
Jacky Samson (b)
Charles Saudrais (ds)
Enregistré en public à l'Alhambra de Bordeaux, France, le 4 Novembre 1977