A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

下手な鉄砲数撃ちゃ当たる?・・・・せっかくのアダムスの援護射撃も出番なし

2014-09-03 | PEPPER ADAMS
Our Mann Flute / Herbie Mann

サムモストのストレートにスイングするフルートを聴いた後だが、フルート専業の第一人者といえばハービーマン。ところがカミンホームベイビーのヒット以来ヒット狙いのアルバムが続き、自分は決して硬派のジャズファンではないが、流石にハービーマンのアルバムが自宅の棚に並ぶことはなかった。

ペッパーアダムスが、サドメルのオーケストラに正式に加入したタイミングにあわせて、何故かレコーディングや他のセッションへの参加の仕事も増えだした。人生何事においても一つ生活の軸が決まると、それに合わせて他の事もペースがつかめてくるものだ。

66年5月サドメルの初アルバムの録音も終えた後の最初の仕事は、5月16日同じ時期に立ち上がったデュークピアソンのビッグバンドへの参加であった。ピアソンとはドナルドバードとのクインテット時代の盟友であり、その後も一緒にやることは多かった。サドジョーンズに張り合った訳ではないと思うが、同じような思いでピアソンが立ち上げたビッグバンドだった。アダムスはサドメルと同時にこのピアソンのビッグバンドでもレギュラーとして活動する。メンバーの中にはサドメルに参加している者も何人かいた。

それに続いて、26日にはこのハービーマンの“Herbie Mann With Jimmy Wisner's Orchestra”の4曲の録音セッションへの参加とある。これが収められているアルバムはというと、”Our Mann Flute”。当然持ってもいないし、聴いた記憶もないアルバムだ。

さてどうするかと考えたが、物は試しにと買ってみた。前回のジミーウイザースプーンのように聴いてみれば「なかなかいい」ということもあるのではと期待して・・・。

ジャケットを見ると、この日のセッション以外にもいくつかのセッションからの寄せ集めアルバムだ。このアルバム自体がコンピレーションかとおもったが、セッション自体がどうやらアルバム単位ではなく何度も行われていたようだ。まあ、録音日の期間が64年~66年と幅広いので無理矢理寄せ集めたとも思えるアルバムだ。

というのも、セッションによって微妙に編成のコンセプトが異なっている。このアダムスの参加しているセッションはR&B風のしつらえだ。アルバムタイトルにもなっている映画「電撃フリントGO!GO! 作戦」のテーマはその時のレギュラーグループメンバー中心にオーケストラを加えた演奏が、後はラテンブラスアンサンブルをバックにしたものなど色とりどり。

曲はというと、いきなりクルセイダーズの曲で始まる。最新ヒット曲をカバーしているかと思えば、映画のタイトルソングがあり、フランス民謡もあるというこれも千差万別。どうも統一感が無い。共通していることは4ビートと決別していることかも。

ハービーマンは、ビルボートのPOPチャート200に入る25枚のアルバムを作ったとの記事も見かけた。コマーシャリズムに迎合したジャズが悪いとは思わないが、このアルバム作りをみるとどうも手当たり次第に流行りそうなものを手掛けという印象を受けてしまい、「本当にやりたいこと、聴かせたいのは何?」と思わず問いてみたくなる。

残念ながら今回はアダムスの出番が無かったからという訳でなくとも、改めて買い求めて良かったというアルバムでは無かった。此の後も、アダムスがレコーディングに参加したセッションはこの手のアルバムが数多く登場するが、所有しているアルバムは少ない。丁度、フュージョンブームに先立つ、いわゆるジャズロックとかブーガルーとかが流行った頃のファンキー路線延長のアルバム、当時聴くのもパスしたものが多い。

乗りかかった船なので続けてみようとは思うが少し気が重くなった。まあ、気長に続けてみることにする。何か新たな発見があるかもしれないので。
一方で、アダムスはサドメルを辞めた後の方がソロ活動中心なので、紹介すべきアルバムは沢山ある。そちらも合わせて進めていこうと思う。

このハービーマンもアダムスと同じ1930年生まれ。同じジャズの世界で育ち、同じ期間演奏活動をし、仕事をしていてもそれぞれの生き方がこれほどまで異なるものになるとは、人生人それぞれだと改めて思う。

1. Scratch              Wayne Henderson 2:35
2. Philly Dog              Rufus Thomas 2:26
3. Happy Brass             Herbie Mann 2:10
4. Good Lovin'     Rudy Clark / Arthur Resnick 2:51
5. This Is My Beloved         Herbie Mann 5:08
6. Frère Jacques            Traditional 2:16
7. Our Man Flint          Jerry Goldsmith 2:44
8. Fiddler on the Roof  Jerry Bock / Sheldon Harnick 2:22
9. Theme From "Malamondo"      Ennio Morricone 2:18
10. Down by the Riverside      Traditional    2:35
11. Monday, Monday          John Phillips  2:58
12. Skip to My Lou           Traditional 2:21

#10
Herbie Mann (flute, alto flute) Dave Pike (vibraphone) Don Friedman (piano) Attila Zoller (guitar) Jack Six (bass) Bobby Thomas (drums) Carlos "Patato" Valdes (congas) Willie Bobo (timbales)
NYC, February 13, 1964

#5
Marky Markowitz, Ernie Royal, Clark Terry, Snooky Young (trumpet) Jimmy Knepper (trombone) Herbie Mann (flute) Jerry Dodgion (flute, clarinet, alto saxophone) Richie Kamuca (clarinet, tenor saxophone) Charles McCracken, Kermit Moore (cello) Dave Pike (vibraphone) Don Friedman (piano) Attila Zoller (guitar) Jack Six (bass) Willie Bobo, Bobby Thomas (drums) Carlos "Patato" Valdes (congas) unidentified strings, Oliver Nelson (arranger, conductor)
NYC, May 7, 1964

#6,8,9,12
Herbie Mann With Richard Wess' Orchestra
Al DeRisi, Marky Markowitz, Ernie Royal, Clark Terry (trumpet) Bob Alexander, Santo Russo, Chauncey Welsch (trombone) Tony Studd (bass trombone) Herbie Mann (flute) Anthony Bambino, Hinda Barnett, Emanuel Green, Harry Katzman, Leo Kruczek, Gene Orloff, Paul Winter (violin) Mundell Lowe (guitar) Milt Hinton (bass) Gary Chester (drums, timbales) Warren Smith (congas, finger cymbals) George Devens (Latin percussion) Richard Wess (arranger, conductor)
NYC, October 29, 1964

#7
Jimmy Owens (trumpet, flugelhorn) Jimmy Knepper, Joe Orange (trombone) Herbie Mann (flute, tenor saxophone) Attila Zoller (guitar) Reggie Workman (bass) Bruno Carr (drums) Carlos "Patato" Valdes (percussion) Arif Mardin or Oliver Nelson (arranger)
NYC, March 10, 1966

#1,2,4,11
Herbie Mann With Jimmy Wisner's Orchestra
Marky Markowitz, Joe Newman (trumpet) Quentin Jackson (trombone, bass trombone) Herbie Mann (flute) King Curtis (tenor,baritone saxophone) Pepper Adams (baritone saxophone) Jimmy Wisner (piano, arranger, conductor) Al Gorgoni, Charles Macey (guitar) Joe Mack (electric bass) Bernard Purdie (drums) Warren Smith (percussion)
NYC, May 26, 1966

#3
Recording Data unknown

アワ・マン・フルート
Herbie Mann
ワーナーミュージック・ジャパン
コメント
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