A DAY IN THE LIFE

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次世代テレビ放送はどうなるか? (3) スカイツリーは地上波デジタル放送に本当に必要だろうか

2011-08-01 | Weblog
というような、お題を書くと不可思議に感じる方もいると思う。地上波デジタル放送の放送波を送出するために、スカイツリーを建てたのに何で今更と。
デジタル放送にはより直進性の高いUHF帯域を使うため、都心のビル影の難視聴対策を含め東京タワーより高い放送塔が必要で、場所の選定を含めかなり前から準備されてきた。まさに完成間近というタイミングで何故?

自分は、自宅も実家もCATV経由でデジタル放送を見ている。デジタル化以前のアナログ時代からCATVのユーザーだ。自分のような人間が果たして多いのか、少ないのかはあまり気にすることはなかった。周りに聞くとちらほらいた。自分の場合は自宅がマンションだったので、建物全体がCATV対応になったのをきっかけに、CSチャンネルを見るために加入したのがきっかけだ。その後、デジタル対応、ネット、電話を切り替え、結局CATVに集約してしまった。彼らの戦略に嵌ったといえばそれまでだが、結果的に便利に利用しているのも事実だ。

ひとつは、CATVは地域サービスなのでサポートが手厚いということだ。オーディオビジュアル系の機器をかなり複雑なつなぎ方をしているので、色々注文を出したがコールセンターから実際に作業をしてくれたスタッフまで快く対応してもらっている。
例えば。テレビのチューナーと録画機の間のiLink接続。最初は韓国のHumax製のHDD付きのチューナーだったので相性が悪かったが、相性のいいPanasonic製の古い機種を探してくれて大感激。接続確認までちゃんとしてくれる。自分は専門家ではないが、自分で色々やるのが好きだ。それでも苦労しているデジタル機器の接続だが、機械音痴の人は一体どうしているのか心配になる。

CATVを利用すると結局放送波を受ける受信アンテナは自分で用意しなくてもいい。まずはこれが便利だ。神奈川や埼玉を含めたU局も入る。そしてBS、CS、FMラジオも。これらを全部受けるとなるとアンテナは何本いるのだろう。
実は放送波の利用は、送り出し側は楽だが、受ける側はモバイル利用以外ちっとも便利ではないのだ。利用者視点で考えれば、いわゆる通信会社がうたい文句にしているトリプルサービスに集約されていくのは必然である。

では、このCATVがどの位の普及しているのだろうか。しばらく、この手の数字を見たことが無かったので、今年の6月の総務省の資料を見てみることにする。

「ケーブルテレビの現状」 平成23年6月 総務省情報流通行政局地域放送推進室

全国での世帯普及率は48.8%。思ったより多い数字だ。それとは別にIPマルチキャスト送信、いわゆる光TVも90万世帯を超えて増えている。県別の数字をみると都市圏の普及率が高い。地方は高いところと低いところが極端に分かれる。山梨は88,6%、福島は15.6%だ。それぞれ事情があるのだろう。都市部を見ると、大阪は100を越えて112,8%、そして肝心な東京は98,7%、6,216,208世帯の数字が読み取れる。
この数字は、自主放送をしていない、単なるパススルー機能だけのものも含んでいるので、一般的なCATVサービスに加入している世帯だけに絞っても、4,729,842世帯、75,1%になる。全世帯の3/4を越えているのが実態だ。

母数が住民基本台帳の世帯数なので、100を越える理由は、住民登録をしていない隠れ住民が多いのか、一世帯で複数契約をしているのが理由だろうか。細かいところはこの表からだけでは読めないが、いずれにしても東京都で地デジ用アンテナの無い世帯が600万世帯という数字の絶対値はかなり。つまり、受信用のアンテナを必要としない、つまりテレビ塔からの放送波を受けていない世帯が大半だということになる。

先日、自宅の前の家にもCATVの工事車両が来ていた。今回の完全切り替えで、CATV契約者はまた増えたであろう。結局、せっかく建てたスカイツリーは無用の長物ということになってしまうが如何なものか。もっとも、観光資源として下町の活性化に一役買うことは間違いないので。全く無駄というわけではないが。
次回は地方の数字の高い所を追ってみよう。ここにも、あまり放送局が公にしたくない事実がある。
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