A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

Concordにも東海岸から新しい流れの波が・・・・・

2008-05-18 | CONCORD
EveryThing I Love / The James Williams Quartet

Conordの初期のアルバムのほとんどをプロデュースしたのは、オーナーのカールジェファーソン。自らの趣味が嵩じてできたレーベルなので、当然ジェファーソンの好みのアルバム作りが行われた。
しかし、カタログの枚数も大分増えてくると、他のプロデューサーの手によるアルバムも徐々に出現してきた。そのプロデューサーの一人がフランク・ドリティーだ。これまですでに、アートブレイキーケニーバレルといったベテラン勢に加えて、クレイトンブラザースといった新人の発掘し、あるいはハミルトンとテイトの共演などもプロデュースしていた。

ドリティーのコンセプトの基本は、それまでのアルバムを聴く限りはハードバップに根ざしたジャズだ。もちろんジェファーソンの路線は引き継いでいるものの、より主流派そのものの当時の演奏にもこだわりを持っていたようである。
その中の一枚、ブレイキーのグループのライブに加わっていたのが、ピアノのジェームス・ウィリアムスだった。メッセンジャース出身のスタープレーヤーは50年代から枚挙の遑がない。ウディーハーマンのビッグバンド同様、ブレイキーのジャズメッセンジャーズもいつの時代でも新人の登竜門になっていた。ブレイキーのお眼鏡にかなったウィリアムスは、その後着々と頭角を現してきた。早速、ジャズメッセンジャーズの一員ではなく、ドリティーのプロデュースにより、ウィリアムスのリーダーアルバムが制作された。

いつもの西海岸のセッションとは異なり、場所はボストンに程近いロードアイランド。何故この地が選ばれたのかは分からないが、ウィリアムスの活動の拠点も東海岸だったのかもしれない。三々五々メンバーが集まったが、ドラムのビリーハートが飛行機の乗り継ぎが遅れて到着が遅れた。先に到着していたウィリアムスは、ピアノに向かってウォーミングアップをかねてソロで何曲を始めた。
たまたまテープが回っていて、その模様が記録されていた。このアルバムに収められている、“My One And Only Love”はその内の一曲だ。時々、録音のときテープが回っていたために、想定外の思わぬセッションが残されている。あのエバンスのアンダーカレントの、マイファニーバレンタインもそのような経緯で生まれたといわれている。
このアルバムでも、そのソロがアルバムの中で一曲だけウィリアムスの違った側面を見せてくれている。
サックスのビルピアースの加わったセッションは、主流派の「直球ど真ん中」の演奏だ。モダンなサウンド、そして歯切れのよいリズム、ハードバップの伝統を引き継ぎながらも、20年の年月を経た新しい時代を感じさせる演奏だ。Concordレーベルの品揃えも一段と充実していった。

1. That’s All
2. My One And Only Love
3. Everything I Love
4. For My Nephews
5. It Could Happen To You
6. Dedicated To You
7. Thoughts
8. Please Send Me Someone To Love

James Williams (p)
Bill Pierce (ts,as)
Dennis Irwin (b)
Bily Hart (ds)

Recorded at Normandy Sound,Warren,R.I. April 1979
Produced by Frank Dorritie
Originally released on Concord CJ-104
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