A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

同じメンバーでリーダーを代えて・・・・

2008-05-24 | MY FAVORITE ALBUM
The Hub of Hubbard / Freddie Hubbard

1969年、60年代の最後の年は、浪人中であった自分にとっても忘れられない年であった。学生運動の末期、あの安田講堂事件で東大の入学試験が中止になり、そのとばっちりを受けて他の大学の入試にも影響を与えた年だ。
ジャズの世界もコルトレーン亡き後、ポストコルトレーンのアバンギャルド派が群雄割拠して幅を利かせていた時。そしてエレキの時代に突入していく時期。メインストリーマーは、表舞台で活躍できなかった時代だった。
60年代の初め、ブルーノートの常連であったフレディーハバードもその一人だった。レコーディングに参加する機会も極端に少なくなっていた。

MPSのカタログを見ると、リチャードデイビスのリーダーアルバムの2つ前にはピーターソンのハローハービーがある。そして、次にはそのフレディーハバードのリーダーアルバムが続く。メンバーを良く見るとメンバーリチャードデイビスのアルバムと重複している。録音年月日の記述が無いが、この2枚のアルバムは、同時若しくは続けて録音されたと思われる。カタログに載ったのは1969年のことだった。その頃の録音だったのであろう。

デイビスのアルバムには、当時デイビスが加わっていたサド・メルのメンバーが大勢参加していたが、このハバードのアルバムでも、デイビスに加えて、ピアノのローランドハナ、テナーのエディーダニエルスが加わっている。ドラムには、ルイスへイズ。
当時の世相はこのような演奏を評価する時代ではなかったが、今聴き直してもメインストリームの清清しい演奏だ。
ハナとデイビスのコンビは、サド・メルのオーケストラを支えた2人だが、このようなスモールグループでも絶妙なコンビネーションを聴かせてくれる。そして、粒立ちの良いヘイズのドラミングも心地よい。若手エディーダニエルスとハバードの掛け合いも新鮮だ。
新主流派という言葉が生まれたのは後のことだが、演奏内容はPost Hard bopとい言葉がぴったりだ。
ハバードは70年代に入って時流にのったレーベルCTIでアルバムを出した後、ハンコックとV.S.O.P.を組んだのは76年になってから。
この頃、サド・メルのメンバーにガレスピーなどが加わった、メインストリーマーのジャムセッションアルバム”Jazz for a Sunday Afternoon”がある。メインストリーマーを次の時代につないだサド・メルのオーケストラそしてそのメンバー達が果たした役割は大きかったのではなかろうか?
そして、その演奏を今の時代に残したソリットステートや、このMPSといったレーベル。プロデュースをしたヨヒアムベーレントも忘れられない人物だ。

1. Without a Song          Eliscu, Rose, Youmans 12:50
2. Just One of Those Things     Porter 7:14
3. Blues for Duane          Hubbard 7:32
4. The Things We Did Last Summer   Cahn, Styne 7:19
5. Muses for Richard Davis      Hanna 5:49


Joachim Berendt Producer

Freddie Hubbard (tp,flh)
Eddie Daniels (ts)
Sir Roland Hanna (p)
Richard Davis (b)
Louis Hayes (ds)

Rolf Donner Engineer

Released Dec.9,1969


コメント (1)
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