A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

歌を唄うジャズプレーヤーがいれば、・・・・・楽器をプレーするジャズ歌手も

2008-05-17 | MY FAVORITE ALBUM
Four Freshmen and 5 Trombones

ロックの世界は楽器を弾きながら歌を唄うのがあたりまえ。ところがジャズの世界はヴォーカルとインストルメントの役割分担が普通だ。弾き語りはピアノやギターの場合はよくあるが、他の楽器ではあまりない。一人ならまだしも、グループ全員で演奏も歌もこなすとなるとそうはない。その代表格はやはりフォーフレッシュメンだろう。
スタンケントンに見出されたのは1951年のことであった。丁度ジャズの世界はバップが活況を呈していた時だ。
コーラスグループの歴史もジャズの歴史と同時進行で変化をしていたようだが、フォーフレッシュメンのような白人グループの洗練されたグループといえば、メルトーメの作ったメルトーンズ。そして、ソロシンガーとして有名になったジョースタッフォードが属した「パイドパイパース」などが代表格だろう。バップの影響がジャズの世界に与える影響が大きくなるにつれて、スイングバンドと一緒に育ったコーラスグループは解散して行った。その中で、新しい波を起こしたのはジャッキー・アンド・ロイなどのバップコーラスのグループだった。
そのような中で、フォーフレッシュメンは白人らしさを前面に出した新しい感覚の路線を作り出した。ある種、ウェストコーストジャズの色合いに似ていて、彼らを世に出したスタンケントンオーケストラのサウンドとも共通点がある。
オープンハーモニーを多用したヴォイシングは心地よいものだ。泥臭い黒人色の強いコーラスも魅力的だが、その反対の極に位置付けられる洗練された彼らのコーラスも実に新鮮だ。このサウンドは、ハイローズに引き継がれ、ポピュラーの世界ではビーチボーイズのボイシングにつながるものだ。

このフォーフレッッシュメンの初期の代表作といえば、やはりこのアルバムだろう。トロンボーンの音色は人の声に近いが、コーラスとそのトロンボーンのアンサンブルの対話がこのアルバムの企画の売りであり、その結果がコーラスのバックにコーラスを付けた様な、コーラスと演奏の実に絶妙調和につながったということだろう。美味しい料理も素材の組み合わせで決まる。そして、様々な組み合わせの可能性の中から皆が好む絶妙な組み合わせが決まり、自然にポピュラーなものとして残る。
フォーフレッシュメンは自らが楽器を演奏することもあり、バックのバンドとの組み合わせというのもそれまではそれほど無かったであろう。そのような中で、意表をついて5本のトロンボーンとの組み合わせを実現したのは企画勝ちだ。何事でもそうであるが、最初の企画者が素晴らしい。
アレンジをしたのはケントンオーケストラに編曲を提供したピートルゴロ。そして名手フランクロソリーノを筆頭とするトロンボーンセクション、クロードウィリアムソンやシェリーマンなどバックのミュージシャン達は、スタンケントンオーケストラのOBを中心とするウェストコースト派の代表格の面々。
相性のよいものを掛け合わせたのだから悪い結果が出るわけが無い。偶然というより、必然でうまれた名盤というのはこのようなアルバムのことを言うのであろう。

1. Angel Eyes             Brent, Dennis 3:33
2. Love Is Just Around the Corner   Gensler, Robin 2:02
3. Mam'selle              Gordon, Goulding 3:04
4. Speak Low              Nash, Weill 3:07
5. The Last Time I Saw Paris      Hammerstein, Kern 2:41
6. Somebody Loves Me          DeSylva, Gershwin, MacDonald 2:08
7. You Stepped Out of a Dream     Brown, Kahn 2:19
8. I Remember You           Mercer, Schertzinger 3:12
9. Love                Blane, Martin 2:45
10. Love Is Here to Stay        Gershwin, Gershwin 3:13
11. You Made Me Love You        McCarthy, Monaco 2:15
12. Guilty               Akst, Kahn, Whiting 3:32

Four Freshmen
 Ross Barbour
 Bob Franigan
 Ken Errair
 Don Barbour
Tommy Pederson (tb)
George Roberts (tb)
Frank Rosolino (tb)
Milt Bernhart (tb)
Harry Betts Jr.(tb)
Claude Williamson (p)
Barney Kessel (g)
Joe Mondragon (b)
Shelly Manne (ds)

Arranged by Pete Rugolo


Recorded in 1955
コメント
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