A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

太いテナーのサウンドは魅力的だが、新人にはなかなか・・・・

2008-03-17 | CONCORD
The Clayton Brothers / Jeff Clayton & John Clayton


昨今の事情はいざ知らず、70年代後半のジャズシーンはそんな記憶がある。
当時のテナーというとウェインショーターに代表されるポストコルトレーンのテナーが全盛であり、図太いテナーの音を出してよく歌う新人テナー奏者にはなかなか巡り会えなかった。
Concordで発掘されたスコットハミルトンが珍しくよく歌う流暢なテナーであったが、「図太い」というには少し線が細い感じであった。

コンコルドレーベルもこのアルバムが88作目。オーナーのカールジェファーソンがほとんどのプロデュースを行ってきたが、この頃になると他のプロデュースサーも加わり出した。「業容の拡大」でだんだん一人では手におえなくなってきたのかもしれない。
その助っ人プロデューサーがFrank Dorritie。このアルバムの直前では、ハミルトンとバディーテイトの共演のプロデューサーも彼であった。

このドリティーが新人兄弟を探してきた。
兄弟がジャズプレーヤーで一緒にプレーをしていたとなるとアダレイ兄弟が有名だが、今回はジェフとジョンのクレイトン兄弟。どちらも20代の若手。兄のジョンの方がベースを弾くが編曲もするし、歌も歌うというマルチタレント。一方のジェフがこの時22歳であったが、実に良く歌う図太い音を出すテナーマンだ。
ドラムにはコンコルドではすでに先輩のジェフハミルトン。そしてピアノには女性ピアニスト、パトリスラッシェンが加わっている。彼女はリーリトナーなどと一緒にフュージョンのセッションではすでに有名であったが、ここではアコースティックピアノで参加。R&B色が強いピアノを聴かせてくれる。
よくスイングするグループという意味ではコンコルドレーベルの特色にぴったりだが、サウンド的には、アーシーであり、よりソウルフルな演奏。黒っぽさが色濃く出た演奏だ。これまでの制作方針とは少し違った軸の演奏だ。
これも、新しいプロデューサーのドリティーの影響かもしれない。これで大分幅が広がった感じがする。
このクレイトン兄弟、Concordで何枚かアルバムを出した後、あまり消息も知らなかったが、ビッグバンドも編成してまだ活躍しているようだ。

1. Big Foot
2. Blues for B.S.
3. Walkin’ Bass
4. Cherokee
5. Sometimes We Can’t See Why
6. Yo’Mama
7. Watergate Blues

Jeff Clayton (ts)
John Clayton (Bass , Voals)
Patrice Rushen (p)
Ron Eschete (g)
Jeff Hamilton (ds)

Recorded at Coast Recorders, San Francisco, November 1978
Originally released on Concord CJ-89

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ボサノバの新しい世界に皆で... | トップ | アレンジャーが替っても、変... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。