A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

普段ジャズをやらないミュージシャンがジャズをやると・・・・・

2008-05-02 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Jo + Jazz / Jo stafford

ジャズの楽しみは色々ある。
そのひとつは、普段一緒に演奏する機会が無いメンバー同士が一同に介してセッションを行うこと。ジャムセッションであったり、臨時に編成されたグループの時もある。
そして、もうひとつは、普段ジャズをやらないミュージシャンがジャズを披露すること。
昔グループサウンズ全盛期、ブルーコメッツがジャズ風の演奏をしたり、クレージーキャッツが昔を思い出して演奏するのにお遭遇すると、実に嬉しい気分になった記憶がある。

このアルバムは、その2つの楽しみが同時に楽しめる。
まずはバックのミュージシャンに特徴がある。
サラヴォーンのアルバム「After Hours」のセッションに駆けつけたのは、サドジョーンズを始めとしたカウントベイシーオーケストラのメンバーの面々だった。
このアルバムに駆けつけたのはジョニーホッジスを筆頭にエリントンオーケストラの重鎮達だ。集まった場所はハリウッド、他のメンバーはアレンジャーのマニーアルバム以下、地元ウェストコーストのミュージシャンが加わっている。
面白い組み合わせである。

改めてメンバーを見渡すと実に豪華メンバーだ。
ドラムにはメルルイスが座っている。サド・メルの相方サドジョーンズが、ベイシーオーケストラに籍を置きつつ、時折他のセッションに加わっていたのに対して、この頃のルイスは西海岸に居を構えて実に精力的に色々なセッションに顔を出していた。
メルルイスは、この録音が行われた年に、ニューヨークに拠点を移し、マリガンのオーケストラに加わった。このアルバム辺りが、西海岸での活動の最後の作品だと思う。

豪華なメンバーの演奏をきちっと取りまとめているのが、ジョニーマンデル。
ジェリーマリガンのアルバム、“I want to live”でもそのペンが冴えていたが、派手さは無くてもシンプルな中にも実につぼを得たアレンジが特徴だ。
スタッフォードの歌に絡みつく、ウェブスターやホッジス、カンドリのオブリガートとのバランスも最高だ。歌伴のバックは、出すぎても駄目だし、シンプル過ぎてもつまらない。
程よい加減が大事だ。

肝心な主役の歌手はジョースタッフォード。
トミードーシーオーケストラのメンバーとしてソロとコーラスで活躍したが、1944年には独立。以降は、ジャズ畑というより、ポップシンガーとして活躍してきた。
その彼女がCBSに残したこのアルバムはタイトルもそのものずばり“Jo+Jazz”。スタッフォードがジャズに正面から取り組んだもの。バックのメンバー、そしてアレンジも一流と、舞台が揃っての本格的な一枚がこのアルバムという訳だ。

このアルバムはCBSから出されたものの原版は彼女が持っていたためなかなか再発されず、一時「幻の名盤」といわれたもの。一連の発掘作業でこのアルバムが再発されたのは、ちょうど自分がコンコルドのアルバムを良く聴いていた頃だ。

曲の選曲もスタンダードナンバーが実にバランスよく行われている。エリントニアンが参加しているせいか、エリントンの曲ジャストスキュイーズミーから始まるが、昔のパイドパイパース時代の思い出を採り上げた曲ホワットキャンアイセイ、ハンプトンのミッドナイトサン、そしてヘレンメリルの名唱とどうしても比較したくなるユードゥビーソーナイスカムホームとか・・・・・。
歌、曲、アレンジ、そしてバックの演奏が実にマッチした一枚だ。このようなアルバムがあるので、ヴォーカル物は奥が深いのだろう。

1. Just Squeeze Me
2. For You
3. Midnight Sun
4. You’d Be So Nice Come Home To
5. The Folks Who Live on the Hill
6. I Didn’t Know About You
7. What Can I Say After I Say I’m Sorry
8. Dream of You
9. Imagination
10. S’posin’
11. Day Dream
12. I’ve Got the World on a Spring

Arranged by Johny Mandel

Jo Stafford (vol)
Don Fagerquist (tp)
Conte Candoli (tp)
Ray Nance (tp)
Lawrence Brown(tb)
Johnny Hodges (as)
Ben Webster (ts)
Harry Carney (bs)
Jimmy Rowles (p)
Russ Freeman (celesta)
Bob Gibbons (g)
Joe Mondragon (b)
Mel Lewis (ds)

Recorded on July 15, 1969, August 1&10, 1960 in Los Angels

ジョー・プラス・ジャズ
ジョー・スタッフォード,ジョー・マンデル
ソニーレコード

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2 コメント

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女性の若さを問う (duke)
2008-05-06 23:29:31
YAN さん、こんばんは。

連休はさすがに棚卸しも休みましたね。

Jo+Jazz は好きなアルバムです。オリジナル盤は音を下げた作りで姐御を思わせるジョーが魅力的ですね。ご紹介のCBS盤も持っておりますが、こちらは全体に高域が強調された感がありジョーも若返っております。好みの問題ですが、女性が若返るのは肌だけでよろしいかと。

CBS盤は79年に再発されたましたが、その数年前にオリジナルを買うときは、霧のロンドン・ブリッジから飛び降りるくらい勇気を必要としました。(笑)
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連休は山篭りをしていました (YAN)
2008-05-06 23:50:13
dukeさん

こんばんは。
コメントありがとうございます。
3日間ジャズ無しの生活をしていました。と思ったら車のCDはやはりジャズ。渋滞の中眠気覚ましにガンガン聴いていました。

CDの再発ものは何枚か買い直したものもありますが、オリジナル盤には近づかないようにしています。
よく、オリジナル盤は音が違うといいますね。惹かれるものはありますが、嵌ると凝り性なので。
女性と同じで「高嶺の花」というのは、憧れの内がいいかもです。手に入れようとすると散財をしてしまいそうで。
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