立憲民主党 山としひろ

立憲民主党公認 衆議院議員候補者(富山県第1区)
44歳 
人にやさしい政治

請願 賛成討論 -結果は不採択-

2010年12月20日 | Weblog

 市議会12月定例会が閉会しました。

 当局提出議案については全て、全会一致で可決されました。

 私が紹介議員となった請願については、私と共産党の森ケイ子議員が賛成討論を行い、江政クラブの今井敦六議員が反対討論を行いました。採決の結果、賛成少数(社民党、共産党)で不採択となりました。

 

 

「地方自治体において明確にされた住民意思を尊重し国家政策に反映することを政府に求める意見書提出に関する請願書」 賛成討論

 「地方自治体において明確にされた住民意思を尊重し国家政策に反映することを政府に求める意見書提出に関する請願書」を採択すべきとの立場から、賛成討論を行います。

 日米安保の負担を沖縄に集中させる構造は、本土の高度経済成長と軌(き)を一(いつ)にしてできあがりました。1950年代後半から60年代初頭に、本土の米軍基地が約4分の1に縮小したのに対し、沖縄の米軍基地は約2倍に増えました。68年から74年に本土の基地はさらに約3分の1に減り、在日米軍基地の75%が沖縄に集中しました。戦後65年、復帰38年を経てもなお、国土の0.6%の面積、全国民の1%の人口を占めるに過ぎない沖縄が、過重な基地負担を強いられています。沖縄県民は、爆音などの基地公害や墜落事故に苦しめられ、また、米軍兵士による相次ぐ事件・事故によって、基本的人権を蹂躙されています。

 米軍基地問題の象徴的存在が、宜野湾市(ぎのわんし)の米軍普天間基地です。1995年、米軍兵士による少女暴行事件をきっかけに、日米地位協定や基地の整理・縮小を求める動きが強まり、普天間基地の返還が合意されました。あれから15年が経過しましたが、現在の民主党政権も解決の道筋が描けないまま、迷走を続けています。

 この間、沖縄県民は、普天間基地の県内(名護市辺(へ)野(の)古(こ)沖)移設に反対するとともに、国外・県外移設を求めて、草の根の闘いを続けてきました。辺野古でのボーリング調査を阻止するため、2004年4月19日から現在まで約2400日間、1日も欠かさず、現地で座り込みと海上阻止行動を続けています。

 そして、今年行われた名護市長選挙(1月)、名護市議会議員選挙(9月)、沖縄県知事選挙(11月)の結果で、「普天間基地の県内移設反対」「国外・県外移設」という沖縄県民の意思がはっきりと示されました。

 それにもかかわらず、民主党の閣僚(菅総理大臣、平野官房長官、仙谷官房長官)は住民意思を踏みにじる発言を繰り返してきました。基地の受け入れは沖縄の運命と言わんばかりの発言の根底に、沖縄への差別を感じ、強い憤りを覚えます。

 政府が地方自治体を従えていると受け取られかねない発言は、明らかに、憲法や地方自治法で定める地方自治の本旨に反しています。住民意思と政府方針が異なる場合に、住民意思が全く斟酌(しんしゃく)されないのではないかという不安を抱かせます。政府・民主党が掲げる「地域主権改革」の考え方とも相いれません。

 先日の企画総務委員会の審査で、「外交や安全保障は政府の専権事項だから、地方が口出しすべきではない」と反対意見を述べた委員がいました。しかし、政府と地方自治体の関係についての認識が間違っています。

 地方自治法は、住民自治と団体自治というかたちで地方自治のあり方を明示しています。住民自治については、地方自治体における主権者は住民であり、住民意思を体現するものでなければならないことを意味しています。団体自治については、地方自治体は独立した団体であり、地方自治体と政府は対等・平等の関係にあることを意味しています。

 もちろん、政府と地方自治体との間には役割分担があり、外交や安全保障は政府の責任において行われることは間違いありません。だからといって、地方自治体が政府に意見を述べてはいけないということにはなりません。

 政府は住民意思が反映された地方自治体の意見を傾聴しなければなりませんし、地方自治体は国民意思の反映である政府政策を尊重しなければならない、という相互関係こそ、憲法が求める姿です。なぜならば、住民の大半は国民であり、国民は全て住民だからです(住民≒国民)。外交や安全保障の本質も、国民の幸福を実現することにあり、その根本にあるのは住民意思に他ならないからです。

 また、請願の趣旨と請願事項をよく読んでください。米軍基地問題は、住民意思と政府方針との関係を考える上で、ひとつの象徴として取り上げられたに過ぎず、江南市議会にこの問題について意思表明を求めているわけではありません。

 政権交代や経済・社会情勢の変貌によって、大型公共事業や安全保障、社会保障の問題について、今後のあり方が問われています。この地方においても、子ども手当、県営名古屋空港の軍事利用、中部国際空港(セントレア)の2本目の滑走路計画、徳山ダムと木曽川水系連絡導水路、設楽ダム、長良川河口堰などについて、検証や見直しが求められた際、良くも悪くも、愛知県あるいは江南市の住民意思と政府方針が真っ向からぶつかることも考えられます。その際、どのように対処するかは、地方自治の根幹に関わることです。

 住民意思を無視して政府の意向にただ従うだけでは、地方自治体やその議会の存在意義を自ら否定することにつながります。国家政策の立案にあたって、明らかになった住民意思を切り捨ててでも政府の既定方針が優先される悪しき前例を作らせないためにも、請願を採択すべきと考えます。みなさんのご賛同を期待し、討論を終わります。

 

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