普段着

普段着という言葉をきくと、ポロシャツ、セーター、ジャンパー、替えズボンを連想する。この４ツの着衣にはずいぶんと世話になったという思いもある。若い頃から体が大きかったから（たとえばワイシャツ１枚でも）既製品を探すのは大変だったが、ポロやジャンパーならすぐにみつかった。結婚してからは家人が編み物上手なので、セーターは楽勝、替えズボンも渋谷の恋文横丁の入口にデブ用を扱う店があった。ついでに言うと、普段着と家庭着は別で、後者はなんといってもパジャマが主役である。　いま（７月5日午後６時）の私は、半袖Ｔシャツにパジャマのズボンであり、晩酌と食事が終われば、そのまま蒲団に入る。　　たとえば親しい友人の家に夕食に招かれたとする。ごく気楽な席だから、普段着が当然だが、それでもちょっとしたオシャレは欲しい。　そういうときに、巧いというか、上手いというか、格好な装いをする女性がいる。繰り返すが、普段着である。そこに、ほんの少しの工夫を加えるのが、彼女のセンスである。そのセンスは生来のものか、あるいは研究の結果か。　なにかの普段着的なパーティーで、普段着のオシャレに長けた女性に出会うと、私は、無音の拍手を送る。