森の中のティータイム

離婚を経験し子供達も独立 
暮らしの小さな発見をノートに。

冬の雨の夜、野良猫は

2007-12-22 | 動物
ボク捜しの時に声をかけていた、とびきり美人のご近所さんが
「捜しておられた猫ちゃんじゃないかもしれないけど、
同じ柄の猫ちゃんが、いつも公園にいる黒猫ちゃんと
遊んでいましたよ」と、わざわざ家まで教えに来てくれたので
その翌日からちょくちょく公園を見に行くようになった。

居たのはボクより幼くてきれいで、アメショーみたいな柄の子だった。
この子は近所のどこかに居て、いつも誰かがご飯をやっている子だった。
その子よりも私が気になったのは、最近いつも見かける黒猫の方。
この子もまだ幼くてやっと6か月を過ぎたくらいに見える。
人懐っこくていつも子供達と戯れているが、夕方子供達が帰ってしまうと
公園に一人ぽつんと取り残されている姿は、見ていて胸が痛い。

一人になっても小石や葉っぱにじゃれて、ぴょんぴょん跳ねる姿が
いじらしく可愛い。聴けば、この子は捨て猫で、子供達がお菓子を
やったり牛乳を与えたりして成長したらしい。
私も子供達から「飼ってもらえませんか」と訊かれたこともあるが、
偶然餌やりにきた人からごはんをもらっているのを見て、少し安心していた。

昨夜、夕方からの雨が急に激しくなり、まさかと思いながら娘が見に行くと、
ちいさな丸い屋根のあるベンチの下でびしょぬれになっていたのを見つけた。
やはり子供達が言うように、公園の溝の中に住んでいるというのは本当だった
のかもしれない。

急いでタオルを持って走り、タオルごと抱えて取りあえず家に向かったが
エレベータホールで下ろしたらそのまま二階の踊り場の方にかけ上がった
ので急いで追いかけると、そのホールは思いの外暖かくて、停めてある自転車
のカバーの下に潜り込んでしまった。
それから元気よく高い手すりや桟に飛び乗って遊び始めたその時、
飼ってはいけないはずの犬を連れた人がエレベータから出てきて
とっさに黒猫は通路の方向に走り出してしまった。

通路から非常階段を降りて外に出たのか、その後いくら捜しても
猫は見つからなかった。そうこうしている内に深夜になっていた。

今まで何匹か雨宿りさせた経験から考えても、
あの元気の良さでは多分、玄関の箱の中で大人しくしていることも
難しいだろうし、狭い我家でアレルギーのある娘と束の間の同居も
無理だろう。

もしどこかの階にまだ居たとしても、取りあえず出入り自由のホール
だから、朝になって雨が止んだら自分で帰るだろう。
そう自分にも子供にも言い聞かせて、床に就いた。
朝、激しい風と雨の音で目を覚ましたが、猫は公園にもこの建物の中にも
居なかった。また余計なことをしてしまったのかもしれないと、今また
自分を責めている。それにしても、一体何処へ消えたのだろう・・。

もし欲しいモノが何でも買えたとしても、お金が余るほどあったとしても
地球上に愛に飢えた病気の子供や、傷ついた動物、飢えや寒さに震える
捨て犬や捨て猫がいる限り、私たちは完全な幸せなんかになれるはずがない。
見て見ぬふりしても、心はちゃんとそれを知っている。

たとえ自分だけぬくぬくと家の中で過ごしていても、心の中に
冷たい風が吹き、彼等を助けない限り、晴れやかな気持ちなんか
得られやしないし、心が救われることなんかないんだと思う。
ああでも、取りあえずお金があれば動物シェルターは作れる・・!。
宝くじが当たりますように・・・!10枚しか買ってないけど(笑)

コメント (1)