日曜日に、初回から毎回楽しみに観ていた日曜劇場「御上先生」が、とうとう最
終回を迎えた。配属初日、優秀であることを自認する生徒たちを前に、「君たち
はエリートだと思っているだろうが、ただの上級国民予備軍だ」と言い放った。
もちろん誉め言葉なんかじゃなく、その逆の意味。
さらに、「真のエリートはなぜ神に選ばれるか。それは、普通の人間なら負けて
しまうような欲やエゴに打ち勝てる人だから。自分の利益のためではなく他者や
物事のために尽くせる人だからだ。僕はそこに付け加えたい。真のエリートが寄
り添うべき他者とは、つまり弱者のことだ」と語り、ここでいっぺんにこのドラ
マに惹きつけられた。
「正論」なんて今時ダサいと言われるだろうが、私はここで打ち抜かれた。ただ
御上先生が目指す、腐敗した社会を変えるには、まず「教育」が何よりも大切だと
いう考えは正論中の正論だが、彼らが一つの汚職(政治家と官僚の有名進学校との
癒着)を暴いた所で、御上先生のいない他の学校ではこれまで通りの詰め込み教育
が続くだろうと。
果たして真の教育改革が、一人の教師によってそう簡単に進むかと言えば、そうも
いかないのが現実だとは思う。腐敗しきった大人達は、既得権益は死んでも手放さ
ないし、転んでもただでは起きず、しぶといのだ。
だけど、私はこのドラマを観た大勢の善良な人たちが、この作品の言わんとするこ
とをしっかり読み取って、ただの「理想」だと諦めたりしないでくれたらと思う。
何より、これから教育現場に足を踏み入れようとする教師たちの心に響いていてく
れたらと思うのだ。このドラマを斜めから見て嗤う人もいるかもしれないが、そう
いう人に、オカミのように「考えて」と、言いたい。
答えの出ない質問でも、「考え続ける」ことが大事なのだと。最終回、神崎君や千
木良さんが苦しみながら出した答えに、私は涙が止まらなかった。
「真実を報道する」ことは、まさに今この時代に問いかけられていること。
犯罪に関しては、報じることでそこに必ず傷つく人がいる。家族だったり、時には
被害者であっても。だけど、私は今のこの時代、切り貼り動画やフェイクニュース
が横行しているからこそ、正しく事実を報じるのが、真のジャーナリズムだと思う。
たとえ相手が地位の高い人であっても、間違ったことをしたならそれを報じる義務
がジャーナリストにはある。
「偏向報道と言ってしまえば何とかなる」なんて卑怯な人間に、ひるんではだめだ。
特定の誰かや党に、忖度したり遠慮したり阿るメディアは、メディアたる資格もな
いと思う。繰り返しこちらでも訴えてきたけれど、この作品を見て、改めてそれを
感じた。
(以下、フォローさせていただいている「毎日がちょっとぼうけん」さんの日記に
貼られていた動画が、大変興味深かったので転載させていただきます)
「真実かどうかよりも、極端なコンテンツほどたくさん見られる」選挙期間中に拡散される誹謗中傷や虚偽を含む動画 作成に報酬も…背景を取材【報道特集】
↓これらの仕事が成り立つ事実を証明すべく、クラウドワークスに発注したクライ
アントは誰なのか、ちゃんと追求するべきだと思う。
↓
久々に良いドラマを観せてもらった。松坂桃李さんと岡田将生さん、良い役者さん
になったなぁと思う(この美しすぎる二人が実生活でも親友だなんて;)