森の中のティータイム

離婚を経験し子供達も独立 
暮らしの小さな発見をノートに。

アグネータと魔法の切り絵

2013-07-25 | 写真画像
前回アップした「アグネータと魔法の切り絵」からの画像のように、
何処の国であっても田舎はそこに住む人も素朴だし、のどかな景色の中で
心豊かに暮らせるような気がしていた。でもそれはただの幻想に過ぎない
と言われそうな凄惨な事件が起きた。

横溝正史の小説を思わせる山口県周南市の集落で起きた連続殺人事件で
容疑者とされる男性は、その姉の話によると10年ほど前に被害者の一人
から酒の席で口論になり刺されるという過去があったらしい。

人付き合いが上手くいかず、地元の警察に「孤立している」と訴えたこと
もあるという。この集落に帰ってきたのも親の介護だったということから
彼が非情な人間ではなかったことも覗える。
家の周囲のあちこちからは、この男性の暮らしを楽しむ工夫が見てとれ、
犬を愛していた様子も伝わってくる。

被害者の方々や身内の方々には心から気の毒だと思うし、
決してこんな残虐な事件を起こした人間を庇いたいわけではない。
でも。

こんな携帯の電波も届かないような場所で、孤立してしまった立場を思うと
やりきれない気持ちにもなる。他に気を紛らすものが無い限り、彼は毎日
どんな思いで暮らしていたのだろうか。ここに至るまでの彼の苦悩は
どれほどのものだっただろうと。そしてもし、今まだどこかに潜んでいると
したら、犯してしまった罪の重さに苛まれボロボロの心を抱え自らの手で最
後の裁きを下すべく、その場所を求めて彷徨っているのではないかと。

世の中には人付き合いの苦手な人もいれば、それを理解できない人もいる。
個人的には、見境のないお喋りで他者を中傷して回るような人より、仲間外
れにされても媚びずに生きている人の方がずっと潔いと思ってしまう。

この事件の底に潜む「人の怖さ」は、むしろ、悪意とまでは言えないけれど
同調することで得られる「仲間意識」を共有する集団の中にこそある気がし
てならない。

それでも人はそこで暮らす限り、自分らしさを消さずに周囲の人々とも
出来るだけ良い関係を築きたいと思うもの。
アグネータさんにしろ、ここに至るまでには沢山の辛いことがあった。
織物作家として活躍中に結婚と出産、そして離婚を経験していた。

 
今とは程遠く前衛作家のように見える 綱渡りをしているのは悩めるアグネータさん自身だった

幼いころから、苦しいことがあると本の中の想像の世界で遊んだという

 

豊かな自然や森に囲まれたこの場所には、様々なものが潜んでいた

 

 
             胸に穴が開いた白い女性 フルドラ

  

美しい湖に引きずり込む恐ろしい妖精も切り絵になる そしてパールさんと再婚

 

 

娘にも恵まれ幸せな家庭を築いたけれど、一時はパールさんにも不安定な時期があり
決して順風満帆にここまで来たわけではないという

 

 


そんなときも、現実世界の苦しみと対峙することがやや苦手な彼女を助けたのは
想像の世界。

そして10年もかけて彼女のアトリエを一人で建てたという夫の存在だったという。

 

 

 

 

 

 

 

祭りのために花を摘み家族で飾りつける 

 

 

そして村の人たちとも穏やかに過ごす幸せな時間

 

 

 

 

 

アグネータさんの誕生パーティーは庭で 手作りの花のジュースでおもてなし

 

 

 

 

 

 

        夫と妻の育んできた日々を切り絵に

 

       
 
「今は人生の下り階段」とパールさんが表現した、穏やかな陽だまりのような日々

人生の黄昏の時には、出来ることならこうありたいけど、先の事件の男性と
この夫婦との違いは一体何だろうと考えてしまう・・・心を開き人を信じて
一歩踏み出す「ほんの少しだけの勇気」だろうか
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楽しむ時間

2013-07-24 | 映画ドラマ
少しだけ忙しさから離れ、ホッとするひととき
ドラマや映像を楽しむ時間が、こんなにも嬉しいなんて。

Mariaさんのブログでも話題になった「名もなき毒」や、「Woman」の他に
そう言えば毎回ではなくても観ているドラマが他にもあったのを思い出した。
「七つの会議」と、柴田よしきさんの小説が原作の「激流~私をおぼえていますか~」。
どちらも今、NHKで放送されている。

前者は直木賞作家の作品が原作の、企業を舞台にした「内部告発」が題材の
ちょっと硬い企業ドラマ。
立ちはだかる巨悪と社内政治を前に、営業部の課長(東山紀之)として
自らの立場を守るべく、「隠ぺい」に加担することに繋がる上司からの命に
従うべきか、或いは家族から平和な生活を奪うことになるかもしれないが正
しい道を選ぶべきかの狭間で苦しむ一人の男としてのヒューマンドラマでも
あるせいか、ぐんぐん惹きつけられていく。

大昔、企業の経理として働いていた頃の自分にも小さな「罪悪感」を齎した
出来事が幾つかあったことを思い出し、主人公に共感する部分がある。
ある日、わざわざ事情を呑み込めない新入の私を選び、上司が赤じゅうたん
の議員さんの所へ封筒に入れた「何か」を届けさせたことがあった。

そのことで公的事業の一つが我が社に転がり込んだのか或いは何かに便宜を
図ってもらったのだろうか。どちらにしてもその意味を理解したのはずっと後。
当時の入札には大抵、業者間の談合があり、条件付きで「チャンピオン」と
呼ぶ一社を毎回決めて、各社の入札価格も先に決めてしまうといういわゆる
出来レースが殆どだった。

海外と技術提携して発足した会社で、当時ではいち早く週休二日制を採り、
待遇も申し分なかったけれど、僅か4年で私はその会社を辞めた。
もう忘れたことだと思っていたが、私の企業不信とか政治不信はここから始
まったのかもしれない(笑)
この会社は名を変えて今も存続しているが、昔の栄華はいずこという感じで
九州営業所ももう無い。その当時の上司たちも皆亡くなったし、その議員も
あれから間もなく亡くなったと聴いている。

おっと話題が「楽しい」から逸れそうになったけど、今回ビジュアル的にも
最も映像を楽しめたのは再放送だったという「アグネータと魔法の切り絵」

 

 

切り絵作家であり織物作家でもあるアグネータさんと仕事をリタイアされたご主人
との生活を描いたハイビジョン特集。
切り絵だけではなく、私はこの美しいスウェーデンの森と、自然と共に日々の生活
を生きるご夫婦の暮らしぶりに、大いに目を楽しませてもらった。
仲睦まじいというか、老齢に近いお二人の何とも暖かい会話や思いやりも羨ましく
微笑ましかった。



仲良くピクニックランチを作る二人

 

 

800坪もある庭で野イチゴを摘むアグネータさん

 

キツツキがくる庭でティータイム

 

それを切り絵にするアグネータさんと覗き込むご主人のパールさん

 

可愛い切り絵たち

 

夏祭りではダンスを楽しみ一斉に開く花々を愛で



 

秋にはアグネータさんが織る糸を染める自然の草花を摘むために二人で野へ

 

 

  

染めあげた糸を織るアグネータさん

 


沢山の素晴らしい映像を画面から切り取った(?)ので、次回もう少しだけアップします♪
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気が付けばいつも貧乏くじ(笑)

2013-07-17 | 思い・つれづれ


「○ちゃん(私のこと)損ばかりしてるよね」
10年くらい前だったか、小学生時代からの古い友人にそう言われたことがある

ふいにそう言われてその時は「そうかもね」と答えたが、
それまで自分のことをそんな風に思ってみたこともなかった私
「大変だったね」と言われても、自分よりも大変な人のことを思えば
それほど悲観することもなく過ぎた

ちょっとしんどいときも「楽しみ」を見つける才能だけはあるのか
友達にも恵まれているお陰か それなりに楽しく生きていると
つまらないことを大袈裟にぼやく人からは
「いつもニコニコ幸せそうでいいよね」と言われたりする
そんなときは心の中で
(そんなことでクヨクヨするのが嫌なだけだよ)と思い、やり過ごす

それでも近頃
成行き上、色んなことを押し付けられたり責められたりするとき
たまに「貧乏くじだわ」と感じることがある
・・・・・・・今頃遅すぎるけど(笑)



     ****************

家の中で左足の小指の爪を、先日勢いよく柱にぶつけた
剥がれそうになった爪から血が滲み、やっと治りかけたころ
また同じところを・・;;それが合計三回
もう涙が出るほど自分のそそっかしさが情けない

で、何故か逆の脚の足首に時折激痛まで走るようになり
痛む爪は靴を履かなければそれほどないけど
娘の家までバスを降りて数百メートルが歩けない
で、昨日からは家で食事を作って届けるスタイルに変更

娘ももう食事作り以外のほとんどの家事が出来るようになっているし
あと僅か一週間の予定だったけど、我慢してもらうことにした;


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猫の留守番

2013-07-10 | DIY・ハンドメイド・クラフト
出産後の娘の家と自分の家を行き来する日々が近づいた頃
まず一番気掛かりだったのは、暑い季節に留守番させる猫たちのこと。

玄関の靴箱に上がってしまう小太郎には、私が作った玄関の飛び出し防止の
ドア
が全く役に立たなくなったため、あの家出以降、留守にするときには
玄関につながるキッチンと部屋とを隔てる引き戸を閉めきり、閉じ込める形で
出かけていた。

そうでなくても狭い家で、活動範囲がグッと狭まるのは可哀想だけれど
普段は殆ど私が家にいるせいか、これまでさほど気にならなかった。
けれどこれが毎日となればやはり可哀想だ。
なので再度飛び出し防止の策を練ってみた。

あのドアを入り口から40センチくらいの位置に設置し直したらどうだろう?

これを            この位置に


こうすれば狭い玄関がもっと出入りしづらくなってしまうけど、コタが家出して
必死で捕獲したあの苦労を思えば何でもない!!

周囲に枠を作り、大まかだけど隙間は何とか塞げたはず;
 

右側は靴置きラックに連結させ


入口から入りやすいように、今度は折れ戸を室内側に折れ込むように設置した
(つまり前回と裏表が逆)
そして差し込む形の錠も、コタが内側からカタカタゆすって外さないよう
外側に、ステンレスの丈夫なモノにつけ替えた。

これで留守中だって玄関横の別の部屋にも自由に行けるね☆

 

 



で、なぜかこうやって待つようになった福太郎;;
 

今日は娘の家へ行かなくてもよいので、夏バテ防止に毎年恒例の新しょうが
の醤油漬けを作り置き。このままご飯にかけても冷奴や焼きナスなんかに添えても美味☆

      



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