平成22年12月18日(土)「藩営前橋製糸所跡の碑」の除幕式が開催されました。
「藩営前橋製糸所」は、前橋藩主の指示により藩士深沢雄象と速水堅曹により官営富岡製糸場が創業する二年前の明治3年6月に日本で最初の器械製糸所として、前橋町細ケ沢(現前橋市住吉町一丁目)に民家を借り上げて開設されました。民家の転用では不便なため、三か月後に岩神村観民(現前橋市岩神町二丁目)に新工場を建設して本格的な生糸製造が開始されました。前橋製糸所は器械製糸技術の全国的普及の最初の拠点ともなりましたが、日本における実質的な器械製糸の発祥の地として前橋市岩神町で操業されていたことはあまり知られておりませんでした。
(除幕)
そこで藩営前橋製糸所が開設されてから140年となるのを記念し、操業場所となる現前橋市岩神町二丁目7-23番地に「日本最初の器械製糸所・藩営前橋製糸所跡」の碑を建立して、その歴史と先人の先見性を広く知っていただくため建立委員会(代表 近藤 功)が約160名余の個人、団体からの賛同(寄付金)をいただいて建立したものです。
(高木市長)
式典は13時30分より始まり、開式の辞に続き、高木政夫前橋市長、群馬県農政部長(代理山口憲作蚕糸園芸課長)、前橋製糸所開設にあたった深沢雄象と速水賢曹のご子孫の深沢満様と速水美智子様、地主の狩野邦雄様、二丁目自治会長(代理上野副会長)、碑の揮毫をされました横山香操様、近藤功建立委員会代表の来賓8名で除幕を行いました。
(近藤代表)
碑の除幕に続いて発起人を代表して近藤功建立委員会代表の挨拶、建立委員会事務局の町田睦さんから碑の建立の経過報告があり、来賓を代表して高木政夫市長と山口憲作群馬県蚕糸園芸課長より祝辞をいただきました。
続いて来賓15名の紹介の後、ご子孫を代表して速水美智子様に挨拶をいただきました。
式典は14時過ぎ閉会の辞をもって終了となりました。
除幕式には建立に賛同されました関係団体や蚕糸関係者、富岡製糸場世界遺産伝道師協会の会員、一般市民の方々など70名以上が参加され、ともに記念すべき日を祝いました。
(除幕式に集った人々)
上毛かるたの読み札に「県都前橋生糸の町」がありますが、今回建立されました碑が市民の皆様に往時を忍ばせてくれる大切なモニュメントとして大切にされ、また群馬県が進めています「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界遺産登録運動に資するものとなりますよう願ってやみません。
(K.K記)
この行事は12月19日(日)の縄文新聞の記事になりました。