人工的な音が一切なく、蝉の声だけが響きわたる空間でそれは始まりました。
舞踏家 金敬雲さんによる舞。
舞はどうでしたか?と聞かれるけど、人によって感じることって異なるので、正直ことばで伝えるのが難しい。
場の調整、
天と地とのつながり、
自然や様々な目に見えない世界からのメッセージ、
まだ見えないものを大切にする時代に、
シャーマンや巫女が敬われ、
見えないものと、"ある"ものを繋ぎ、
次世代へ紡ぐことをしていたともいいます。
舞踏家の金さんもその類の人であるという確信は持てました。
静まった空間でシェフ特製の身体に優しい料理や美味しい日本酒たちに舌鼓を打ちながら始まった宴。
世代を超えてみんな楽しそうに時間を過ごし、
帰る予定の金さんやパートナーも思わず終電を逃してお泊まりコースに笑
参加したいけど参加できないから差し入れだけでもしたいと85歳の女性からもらった日本酒の名前は、
「一生青春」
いくつになっても海岸で花火をすれば楽しいし、
遺伝的に強い者たちは自分の習った武道や格闘技の技を披露したくなるもの。
ちなみに格闘技をちょっとだけかじっていたへっぽこな私は受け役で、ジークンドーのワンインチパンチで吹っ飛び、タイガーマスク先生の弟子には軽くいなされました。また修行し直します。
25時を過ぎても、波の音を聴き、
金さんがパイプタバコを咥えながら語る世界。
見ることはできないが、感じることができる世界
物体としてはないが、たしかにそこに"ある"もの。
身体や自然と真摯に向き合い続けてきた者だからこその、この世界の捉え方と紡がれる言葉の数々。
こんな風に地球や自然の事象を見ているんだと自分には持ち合わせていない感性に畏敬の念を抱きました。
今日は舞っていると、
どこからか先祖たちがやってきて、
「よくやってるねー^ ^」
という言葉を残してくれたそうです。
26時過ぎまで続く不思議な空間にウトウトしながら、目の前の男ははたしてこの世の者なのだろうか?
この世は夢か幻か...
つづく