チベットからネパールへ陸路で国境を超える。チベット国境までは、ガイドがいたがネパールからは一人だ。何が何だか分からないまま、約50メートルくらいの橋を越え、ネパールに入った。
いきなり兵士が荷物検査を求めてくる。せっかくきれいにつめた荷物を出し、チェックを受ける。そのまま、20メートル後にまた同じようにチェックを受ける・・・もしかして、何かいいものを見つけたら、もらう気だな。困っていたところに、同じ国境を越したアメリカ人の老夫婦がきた。国境付近では、車が通れなく立ち止まるところがいくつかあった。そこで、暇な方々を喜ばすために「手品」を見せていた。その老夫婦も私の手品見ていたために、一緒にそこに加わりイミグレーションまで行くことができた。そして、老夫婦には賢そうなガイドがいるので、ビザの申請の仕方を習い、無事にビザを取得。
これで一件落着・・・というわけにはいかなかった。情報によると、国境を超えると、4輪駆動の運転手が大勢声をかけてくる。料金は約500ルピーとあった。しかし、声をかけてきたのは2人のみ。そのいい値は6000ルピー(約8000円くらい)。これは高すぎと、交渉を20分するがいっこうに下がる気配はない。そして、国境を越えてちらほらと外国人がくるがみなガイドをつけていて、そのまま車もチャーターしてある。私は、そのチャーターした車に乗ろうと交渉を試みたが、ダメだった。
しょうがなく10分ほど道を歩き、私が行きたいネパールの首都カトマンドゥの途中までバスが500ルピーで出ているというので、停車していたボロボロなバスに乗り込んだ。出発まで30分。老人と子供が一人ずつ乗っているだけだった。
椅子に座り1分。色々と考えた。このバスがどこまで行くのか?そしてそこからカトマンドゥまで行けるのか?どう行けば一番安くたどりつけるのか?本当に頭を全て使い、たどりついた私の直感はすぐに「降りろ」だった。
バスを降りて、とりあえず国境付近のジープのとまる場所まで行こうとしたら、たまたまイギリスとアメリカの外国人2人組に会った。そして、彼らたちも値段が高すぎて諦めて歩いてきた言う。3人で、持ち寄った情報を整理したところ、カトマンドゥまでは道が悪く、現状では行くことができるかも微妙ということ。だからジープじゃないと厳しいという。そして、私は下に歩いたがジープは見当たらなかったことを話、3人で戻った。そして、ジープに交渉をした。そして、本当に6000からは下がることなかった。私たちは、その太った腕っ節の強そうな運転手はっさんの車に乗ることにした。そしたら、中国人が2人待っていたかのように乗り込み、そして、計5名のチームが出来上がり、カトマンドゥに向けて出発した。
今考えると、この選択は本当によかった。もし、このままバスで行こうとした大変な目にあっていた。たぶん辿り着けなかっただろう。人間の脳の力を本当に感じた。
また、最後も同じような出来事があった。旅の残り2日間を私はチトワンという場所へ行く予定だった。しかし、申し込み直前でポカラという場所に買えた。なぜだかはよく分からないが、ポカラから帰るとチトワンのタライ平野は私が帰った日から大規模なストで交通は完全にマヒしていると何人もの人が言っていた。もし、チトワンに行っていたら、帰りの飛行機に間に合わないのは確実だっただろう。
旅をしていると、何かが教えてくれ、そして肌で感じるようになる。