昆布で見る江戸時代
2年間にわたって昆布を追求した子どもたち
千葉県千葉市立草野小学校 三橋 昌平
1.実施学年および教科・領域 小学校第6学年 社会科・総合的な学習の時間
2.学習のねらいと博物館の活用との関連について
(1) 主題名 昆布で見る江戸時代
(2) 「キリスト教の伝来、織田・豊臣の天 下 統 一 、
江 戸 幕 府 の 始 ま り 、参 勤 交 代 、鎖 国 に つ い て 調 べ 、
戦 国 の 世 が 統 一 さ れ 、
身 分 制 度 が 確 立 し 武 士 に よ る 政 治 が
安 定 し た こ と が わ か る こ と 」に 相 当 す る 。
昆 布 と い う「 も の 」か ら
鎖 国 の 中 で も 外 国 と の 交 流 が
あ っ た こ と を つ か む と と も に 、
江 戸 時 代 の 流 通 や 人 々 の 交 流 に つ い て
理 解 す る こ と を ね ら い と す る 。
ま た 、資 料 を活用して自分の考えを形成していくことで
歴史に対する興味・関心を高める。
②昆布と食文化 沖縄に行くと昆布料理が多い。
豚肉・鶏肉・昆布を入れた汁物のイラブー料 理、
豚肉・切り昆布・こんにゃくをいため蒸したクーブイリチー料理、
昆布巻 きのクーブマチ、
豚足・昆布・大根を煮たアシティビチなどの
昆布料理がたく さんある。
さぞかし沖縄では昆布がとれるのだろうと思っていたが、
実は沖縄 で昆布はとれない。
なぜ昆布のとれない沖縄で消費量が日本一だったのか調べ てみると、
昆布ロードというものの存在にあたった。
江戸時代、財政危機に陥 っていた
薩摩藩が密貿易による藩政の立て直しを画策していたが、
ほぼ属国で あった琉球を介して清と貿易し、
当時は貴重であった漢方の材料を大量に輸入
す る こ と で 大 き な 利 益 を 得 た 。
清 へ の 輸 出 品 と し て 求 め ら れ た の が 昆 布 で あ る 。
産地である北海道から北前船によって大阪に運ばれ、
その後薩摩、琉球そして
清へという昆布の流通経路、
これが「昆布ロード」である。
これは5年生で沖 縄を学習するときの題材として
おもしろいのではとないかと考え、
昆布ロード について取り組んだ。
6年生では昆布ロードを追求していく中で、
5年生には まだまだ理解が難しいと感じた部分であった
歴史的な観点をさらに押し進める ことをねらいとした。
北前船に代表される江戸時代の流通や、
人々の交流、近 世東アジアの国々の関係性などである。
(3)博物館との関連 【活用した資料】
・第3展示室 「国際社会のなかの近世日本」のコーナー
4つの口を通じて近世日本の対外関係の広がりを
つかむことをねらいとする。
昆布や俵物といったものから
当時の輸出入について具体的な物を見ることで理解を深める。
・第3展示室 「ひとともののながれ」のコーナー
北前船模型を中心に見学し、
江戸時代の流通(航路や廻船組織)についてつか む。
・琉球貿易図屏風 江戸時代の琉球・清・薩摩の関係
(琉球の両属関係)を具体的な物の交易を通 して理解する。
● 5 年 生 の 学 習 を 振 り 返 り 、
印 象 に 残 っていることやもっと知りたいこ とについて話し合う。
・ 昆布の密輸について。
・ 当時の昆布の値段は。
・ 昆布はどんな薬になったのか。
近世東アジアの国々の 関係性をつかむ。
・ 北前船は誰の船。
・ 中国 と一番貿易が盛ん。
●北前船の写真や文章から考えた疑問に ついて話し合 う。
○ゲストティーチャーの授業
① ●富山出身の保護者 (祖父 )の話を聞 く。
○手紙を書く
・5 年 生 の 学 習 で わ か っ た こ と 、
わ か らなかったことに分けて考えさせ る。
・資 料 を 読 み な が ら 疑 問 を 探 す よ う 促 す。
・見 学 し て わ か っ た こ と や
疑 問 に 思 っ たことをメモに取るようにさせる。
・歴 博 に 見 学 に 行 っ た 子 ど も た ち に
わ か っ た こ と を 報 告 さ せ 、学 級 で 共 有 する。
・疑問に思うことを質問する。
・聞 き た い こ と を わ か り や す く 書 く よう促す。
4.実践の概要 (1)5年生の学習のようすと子どもたちの
取り組み 5 年 生 の 社 会 科「 私 た ち の 国 土 と
環 境 」の 単 元 で 北 海 道 と 沖 縄 に つ い て 学 習 し た 。
北海道と沖縄をばらばらに学習するのではな く、
つながりが昔からあったこと、
南 の玄関口である沖縄からアジアとの
関係を考 えることに取り組ませたいと考え、
発 展学習をおこなった。
総合的な学習の時間を 使うことにした。
食材を題材にするこ とで子どもたちが
興味をもって学習を進められるのではないかと考えた。
・ 琉球が清と朝貢関係を結んでいる。
・ 薩摩藩が琉球を間接支配している。
・ 進貢船は何のためにあるのか。
●これまで学習してきた中で興味を持った 観点から
昆布のとれない沖縄で、
な ぜ昆布の消費量が多いのかについ てレポートにまとめる。
・昆布ロード・薩摩藩の政策・北前船 ・越中売薬商人
○かるたづくり
●自分の興味を持った観点でかるたをつく る。
・昆布ロード・薩摩藩の政策・北前船 ・越中売薬商人
○お礼の手紙を書く
●疑問の手紙などを送った方へお礼の手 紙を書く。 う促す。
・手 紙 は 歴 博 や 5 年 生 の と き に
手 紙 を 送 っ た 富 山 県 の 方 、
昆 布 屋 を 営 む 店 主に送ることを伝える。
・自分の興味の観点をはっきりさせ る。
・疑問に思うことを質問する。
・興 味 を 持 っ た 観 点 で 資 料 を 使 い な が ら書くよう声かけをする。
・自分の興味を中心にテーマを決め、 作るようにする。
・自 分 が 分 か っ た こ と も 含 め て 書 く よ うにする。
1 時 間 目 で は 、
「 昆 布 の と れ な い 沖 縄 で 、
な ぜ 昆 布 の 消 費 量 が 多 い の だ ろ う 」、
と いう学習問題をたてた。
沖縄県で昆布の消費 量が多い理由を考えた学習での感想に
「 沖 縄 の 人 で 昆 布 を 食 べ な い 人 は い る の か な 」
( り ょ う 、以 下 子 ど も の 名 前 は す べ て 仮名)というものがあった。
那覇以外の離島 はどうなのだろうということである。
昆布は全て那覇を通して中国に送られたので あるから、
沖縄の離島には昆布はおろ されなかったのではないか、
もしそうであれ ば
今も昆布を食する文化はないのでは ないかと考えた。
そこで沖縄の離島や昆布の
消費量の多い地域に手紙を送ってそこ から疑問を解決していった。
②5年生の学習を終えて
・疑問を手紙にして、
昆布の歴史などがわかって良かった。
これからも昆布のことやいろいろ な 歴 史 の こ と を
も っ と 知 り た い な と 思 っ た 。( あ や の )
・ 昆 布 が 北 海 道 か ら 沖 縄 県 へ 広 が っ て い っ て い た の が ビ ッ ク リ し た 。( み ほ )
・昆布が北海道を出発して大阪を経由した後、
琉球から中国へ輸出されていたことを初めて知 った。(ゆうき)
・驚いたのは薩摩藩についてです。
薩摩藩は多くの借金があって偽金をつくったりしたみたい で
と て も 信 じ ら れ ま せ ん で し た 。( き ょ う せ い )
多くの子が手紙を送って回答がきたことに 喜びを感じていた。
インターネットや 文献にあたって情報を得ることは大切である。
情報の取捨選択など身につけさせた い力だ。
そこでさらに調べてもよくわからないことを
手紙やメールで専門家に聞く ことで、
子どもたちは理解を深めるとともに、
意欲的に取り組むことができ、
とて も効果的だと感じた。
子どもたちは聞き方についてもよく考えるようになるし、
相 手や手紙を送った地域に愛着ももてる。
昆布の流通経路に興味をもった子どもも多くいたが、
江戸時代のものの流れや交 通については曖昧な理解にとどまっていた。
しかし
それでも5年生の段階では興味 を
もったことが大きな収穫だと考えた。
6年生で始まる歴史の学習に対する
子ども たちの活動に期待がもてた。
(2) 6年生の学習のようすと子どもたちの取り組み
6年生では5年生での学習をさらに押し進めることができると考えた。
5年生の 時にはまだまだ理解が難しいと感じた点は
歴 史的な観点である。
北前船に代表され 時 間 主 な 学 習 活 動
1・2 昆布の統計資料から学習問題を立て、
沖縄で昆布の消費量が多い理由を資料から考え、話 し合う。
3 昆布の生態について調べる。
4 疑問点や知りたいことを手紙にする。
5〜7 手紙の回答から疑問点について考え、話し合う。
8 お礼の手紙を書く。
9 学習を振り返って感想を書く。
1 時 間 目 で は 、
「 昆 布 の と れ な い 沖 縄 で 、
な ぜ 昆 布 の 消 費 量 が 多 い の だ ろ う 」、
と いう学習問題をたてた。
沖縄県で昆布の消費 量が多い理由を考えた学習での感想に
「 沖 縄 の 人 で 昆 布 を 食 べ な い 人 は
い る の か な 」( り ょ う 、以 下 子 ど も の 名 前 は す べ て 仮名)というものがあった。
那覇以外の離島 はどうなのだろうということである。
昆布は全て那覇を通して中国に送られたので あるから、
沖縄の離島には昆布はおろ されなかったのではないか、
もしそうであれ ば
今も昆布を食する文化はないのでは ないかと考えた。
そこで沖縄の離島や昆布の 消費量の多い地域に手紙を送って
そこ から疑問を解決していった。
②5年生の学習を終えて ・疑問を手紙にして、
昆布の歴史などがわかって良かった。
これからも昆布のことやいろいろ な 歴 史 の こ と を
も っ と 知 り た い な と 思 っ た 。( あ や の )
・ 昆 布 が 北 海 道 か ら 沖 縄 県 へ 広 が っ て い っ て い た の が ビ ッ ク リ し た 。( み ほ )
・昆布が北海道を出発して大阪を経由した後、
琉球から中国へ輸出されていたことを初めて知 った。(ゆうき)
・驚いたのは薩摩藩についてです。
薩摩藩は多くの借金があって偽金をつくったりしたみたい で
と て も 信 じ ら れ ま せ ん で し た 。( き ょ う せ い )
多くの子が手紙を送って回答がきたことに 喜びを感じていた。
インターネットや 文献にあたって情報を得ることは大切である。
情報の取捨選択など身につけさせた い力だ。
そこでさらに調べてもよくわからないことを手紙やメールで専門家に聞く ことで、
子どもたちは理解を深めるとともに、
意欲的に取り組むことができ、
とて も効果的だと感じた。
子どもたちは聞き方についてもよく考えるようになるし、
相 手や手紙を送った地域に愛着ももてる。
昆布の流通経路に興味をもった子どもも多くいたが、
江戸時代のものの流れや交 通については
曖昧な理解にとどまっていた。
しかしそれでも5年生の段階では興味 をもったことが大きな収穫だと考えた。
6年生で始まる歴史の学習に対する子ども たちの活動に期待がもてた。
(2) 6年生の学習のようすと子どもたちの取り組み
6年生では5年生での学習をさらに押し進めることができると考えた。
5年生の 時にはまだまだ理解が難しいと感じた点は
歴 史的な観点である。
北前船に代表され 時 間 主 な 学 習 活 動
1・2 昆布の統計資料から学習問題を立て、
沖縄で昆布の消費量が多い理由を資料から考え、
話 し合う。 3 昆布の生態について調べる。
4 疑問点や知りたいことを手紙にする。
5〜7 手紙の回答から疑問点について考え、話し合う。
8 お礼の手紙を書く。
9 学習を振り返って感想を書く。
江戸時代の流通や、人々の交流、近世東ア ジアの国々の
関係性など興味深いもの がたくさんある。
昆布を題材にこれらのこと について十分学習できると考え、
引き 続き取り組むことにした。
社会科と総合的な学習の時間を使った。
6年生の学習の初めに、
5年生の学習を思い出して印象に残っていることや
もっ と知りたいことを話し合った。
5年生のとき の理解がどれくらいか確認するととも に、
6年生で歴史を学習したことで
新たな興 味も出てくるだろうと考えたからであ る。
疑問として出てきたのは以下のようなものである。
・ 昆 布 の 値 段 は い く ら か 。( ゆ う や 、 み き 、 ゆ う き )
・ 昔 と 比 べ 沖 縄 の 若 者 が あ ま り 昆 布 を 食 べ な い 理 由 は 。( か え で)
・ 昆 布 は 海 の も の な の に 乾 燥 し て い る の は な ぜ か 。( は る こ )
・ 沖 縄 と 中 国 と の 関 係 は ど の よ う な も の な の か 。( れ い か )
・ 偽 金 づ く り に つ い て 。( ゆ う き ) ・
密 輸 に つ い て 。( り く と ) ・
海 外 で は ど こ ま で 昆 布 が 広 が っ て い る の か 。( み つ る )
・ 昆 布 は ど ん な 薬 に な っ た の か 。( か お り )
たくさん疑問は出たが、整理してみると、
疑問は昆布そのものについて、
昆布と 関連した歴史的なことについて、
昆布の世界 事情の三つに分類できる。
またその中 でも5年生での理解が曖昧であるから出た疑 問と、
理解できたからさらに深く、
広 くという新たな疑問に分かれる。
前者につい ては資料を読み込んでいくことで解決 していき、
後者は手紙にしたり、
博物館に行 ったりすることで解決の糸口を見つけ ようと考えた。
①歴博見学 2011年1月 30日 子ども8名(クラスの4分の1)
と保護者が参加し、第3展示室の「国際社会の
中の日本」と「ひとともののながれ」の展示を見学した。
昆布や北前船の模型、東 ア ジ ア の 地 図 な ど と
自 分 の こ れ ま で 学 習 し て き た こ と を 結 び つ け な が ら 、
「 こ れ 知 っ てる~」などと言いながら興味深く見学していた。
ここで見学しながら疑問を見つ けることも
重要と考えていたのでメモに書き留めながら
わかったことや疑問を考え た。
子どもたちのメモから
・ 中 国 が 一 番 貿 易 が 盛 ん だ っ た 。( 輸 出 ・ 輸 入 の 展 示 物 を 見 て )
・どんな身分の人が乗っていたのかな。
男女どちらも?誰の船?(北前船の模型を見て)
・中国から伝わった料理が多かった。
東道盆という料理の中に昆布巻きがあった。(沖縄の料 理の紹介を見て)
・物を買って他の所で売るということを繰り返す買い積み方式を中心に活躍。
1回の航海は約 8ヶ月。(北前船の説明を読んで)
歴博を見学していく中で、中国との関係が 浮き彫りになってきた。
また北前船に 関連してわかったことや疑問がたくさん出て いた。
これを教室に持ち帰り報告する とともに、
見学に行った子どもたちには博物 館の楽しさを味わわせることができた。
子供たちには博物 館の楽しさを味わわせることができた のではないかと思う。
北前船模型 資料を見てメモを取る子ども
単眼鏡を使って資料を見る子ども
昆布などの貿易品
②ゲストティーチャーの授業
2011年 2月 28日 歴博でも浮き彫りになってきた
中国との関係であるが、
日本(薩摩藩)・沖縄・中 国の関係をうまく理解できず悩んだ。
いろい ろと考えた結果、
元教員の平野さんに 授業をお願いすることにした。
ゲストティー チャーに来てもらうことで子どもたち に も
大 き な 効 果 が あ る と 考 え た 。
こ の 授 業 で は 江 戸 時 代 の 琉 球 と 清 、薩 摩 の 関 係
( 琉 球の両属関係)を具体的な物の交易を通して
理解することをねらいとして展開して もらった。
授業ではこの当時の三者の力関係を確認し ながら、
貿易について5年生の学習を 振り返り、
3国がどのような物をやり取り( 貿易)していたのか整理していった。
その後、子どもたちは「琉球貿易図屏風」の
進貢船と薩摩船の部分の絵を見て疑問 を出していった。
疑問を整理しながら三者の 関係に焦点が当たっていき、
子どもた ちの感想にもそれが表れてきた。
・ 沖縄が独特な感じがあるのは中国から認められて文化が似ているからかなと思った。
昆布 料 理 に 豚 肉 が 入 っ て い る の は
中 国 の 文 化 の 影 響 か な 。( り く と )
・ 進貢船には日本の国旗や中国語の旗、シーサーに似た
旗などがあっていろいろな場所と関 係 が あ る ん だ な と 思 っ た 。( は る こ )
現在中学生になった子どもたちに
歴博に見 学に行ったことを振り返ってもらった。
中学生になってさらに歴史に対する考えが深まっている。
「 沖 縄 の 人 で 昆 布 を 食 べ な い 人 は い る の か な 」
と い う 何 気 な い 子 ど も の 疑 問 か ら 、
手紙を送ったり、ゲストティ-チャ-を呼ぶ などして大きく発展した学習だった。
疑問や興味のあることを手紙にして
多くの場 所に送り、
その回答から考えを深め、
ま た 新 た な 疑 問 を 見 つ け る こ と が で き た 。
そ れ を 2 年 間 に わ た っ て 続 け ら れ た の は 、
多くの人々に支えられたからだ。
歴博に行っ た子どもたちは
自分たちが見てきたも のをクラスで伝え、
さまざまな疑問が出たこ とで広がりが生まれた。
資料の中から 自分なりの根拠を見つけ、
自分の考えを述べ ることの基礎ができたのではないか。
昆布一つをとってもこれだけ
奥深い歴史があ ったことに子どもたちが驚くとともに
意識に変化が表れるのが見て取れた。
今まで 、歴史を学習することは
織田信長や豊 臣秀吉といった人物を覚えることだと思って いた子どもが、
そうではない一面を感 じ取り、
体験し、考えたことがこの学習の一 番の成果である。
私自身知らないこと ばかりで、
子どもとともに学んでいくことの
楽しさを感じることができた。
また私 がこの学習で大切にしたことの一つは、
みんなが活躍できる学習にしたいというこ とだった。
学力が高い低いではなく、
一人ひ とりの興味が生きるようなものにした いという思いがあった。
それには誰でも発言できるような環境づくりが必要で、
今 回身近な食材である昆布を題材にしたことで
学習中多くの子どもの発言が聞けた。
課題として博物館の見学の仕方があげられ る。
今回展示室での見学からこれまで 学 習 し て き た こ と の
疑 問 を 解 決 し た り 、
新 た な 疑 問 を 持 っ た り す る こ と が で き た が 、
展示の説明などは受けなかった。
声をかけな がらも、
子どもの見学を見守る形にな ったが、
子どもたちが持った疑問を、
その場 で博物館の研究者に聞くことができる と、
より見学での収穫が大きいと考える。
ま た、展示の説明をしてもらうことでも 同じことが言える。
6.わたしの考える歴博活用案 6学年 社会科・総合的な学習の時間
単元名 昆布ロードを追う
10 時間 (1)ねらい及び指導要領との関連 本単元は
学習指導要領の内容(1)のオに相当する。
昆布という「もの」から鎖 国の中でも外国との交流があったこ とをつかむとともに、
江戸時代の流通や人々の 交流について理解することをねらいとする。
また、資料を活用することや、
博物館 で見たもの、
手紙等での研究者との交流を通 して
自分の考えを形成していくことで
歴史に対する興味・関心を高める。
教師が授業実践を行う中で、
子どもたちと研究 者との交流を組み込むことで、
展示 の意図や歴史における位置づけなど、
専門家の 意見を聞くことができ、
子どもたちが資料を 活用して調べ、
自分の考えを形成していくうえでより広い視野で考え、
表現していく大きな支えとなると考える。
交流の 方法としては子どもたちがもった疑 問を手紙として送ったり、
博物館で実際に質問 をしたりすることが考えられる。