百菜健美☆こんぶ家族ラボ

おいしい
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耳は心で。

右巻きダイコン -左にまわしながら引き抜く-

2015-11-26 | Weblog

 

右巻きダイコン -左にまわしながら引き抜く-
 根菜類を収穫する際、土が固くて抜きにくいときは左にまわしながら引き抜く。なぜなら、ダイコンやニンジンは右まわりに成長して土中に伸長するから。これについては、地球上で発生する渦巻きの方向に代表されるいくつかの自然現象同様、地球の自転に関係ありそうだということ、あるいは見通されている方が多いかも知れない。しかし、この写真のような現物を、実際に手にされた方は少ないのではないか。
 わが農場には石が多い。作付けや収穫の際、目立つ石は拾って、ぬかった通路にばらまき、ぬかるみ対策に活用するようになっておよそ20年。表面にみえる大きな石は確実に減ったのだが、手の届かない土中にはまだたくさん残っている。このダイコンはそうした石の存在を示している。

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英国人アナリストの辛口提言──「なぜ日本人は『日本が最高』だと勘違いしてしまうのか」

2015-11-26 | Weblog

英国人アナリストという言い方自体、アトキンソン氏が揶揄している視座だ。
私は国籍に関係なく、彼のアドバイスはすこぶる的確だと思う。
よくもこまで考えていただいたことか、と。
彼の『「良い物を安く」ではなく、「格好いい物を高く」売る』の指摘は、サービス価値創出の立ち位置が不可欠である事を物語っている。
『クールジャパンは、自らが言うことではない』と同じく、『おもてなし』も同じ過ちを犯している。
「もてなし」がもてなす側の立場であり、「おもてなし」は「もてなし」を受けた側の、良い場合に対する評価を表す言葉だ。
自らの行為に「お」を付けた表現だから、「もてなし」の現場には釈然としない違和感があり、「もてなし」を素直にイメージ出来ず、混乱しているわけだ。彼が言うところの「思考停止状態」に陥っている。
観光立国と言う割には無策で、今海外からの訪問者が増えているのは「円安」が、動機だろう。
ブームに浮かれていると「円高」にシフトすれば、潮が引いたように訪問者数は激減するだろう。

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PHOTO:AKIO KON / BLOOMBERG / GETTY IMAGES


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日本の「おもてなし」は世界一だ、「ものづくり」は高く評価されている――これらはすべて妄想だ。バブル絶頂期に不良債権問題をいち早く予見した伝説のアナリストが、日本人の「自画自賛」体質を一刀両断する。
Text by COURRiER Japon

デービッド・アトキンソン
David Atkinson
1965年生まれ。オックスフォード大学で日本学を専攻。ゴールドマン・サックスを経て小西美術工藝社社長。『新・観光立国論』で山本七平賞。著書に『イギリス人アナリストだからわかった日本の「強み」「弱み」』など。
———–

「クールジャパン」なんて、相手から言われることであって、自分から言うものではありません。そもそも、これは「クールブリタニア」から来た表現です。

大英帝国時代に、英国が世界を支配するということで「ルールブリタニア」という表現があった。それを皮肉って、もっとクールになろうよ、ということでクールブリタニア戦略ができたのです。

これは、食事がまずいとか、英国の良くないところをいろいろと変えていくための目標としての「クール」だったのです。表面の言葉だけ持ってきた日本は、変化しないことを良しとした、自画自賛の「クール」。全然違いますね。
 
本当にクールジャパンは残念です。アニメやアイドルが好きな人ばかりを日本に集めていいのですか? 自動販売機や四角いスイカを目当てに世界から観光客が来ると、本気で思っているんですか? もちろん、本当にクールなものが日本にあることはわかっています。でも現在のところは、単に日本人がクールだと考えているものを外国にむかって押しつけているだけです。
 
こうした思考法に日本の「弱み」が表れています。すなわち、真剣に分析しないで、一方的な思い込みだけで戦略を立てる、というところです。
 
最近の日本人を見ていて不思議なのは、外国から批判されると「日本のことなんかわかってないくせに」と頭から否定するのに、褒められたら一転して、すべて真に受けるところです。

「外国人はお世辞を言わない」とでも思っているのでしょうか。どの国の人でも、社交辞令は言うし建て前でもしゃべります。たとえば米国人はプラス思考の国民性だし、相手を傷つけてはいけないと考える人たちだから、お世辞ばっかり言いますよ。

「一番だ」「ブームだ」と思い込む
 
だから、京都は世界一の観光地だ、と思い込んでしまう。たしかに、米国の旅行雑誌がおこなった「来た人」に対する調査結果ではそうなっています。でも、それは潜在能力の話なんです。客観的な事実では、183万人しか宿泊していません。

これは世界で96位だそうです。つまり、「これから来る人」を呼ぶための観光戦略はまったく機能していない。高いのは潜在能力だけであって、実行されたものではない。そこで自慢されても違うでしょ。96位という現実を真剣に分析して、対策を冷静に考えるべきではないのですか。
 
実際、京都を世界一とした口コミにもいろいろな改善点があげられているのに、そこは見ないで「素晴らしい」と身内で言い合っている。一番だから改善する必要はないと思っているのでしょう。従ってホテルは増えないし渋滞もなくなりません。
 
あるいは、「和食が世界でブームだ」と言う人がいますが、これも思い込みです。証明してみましょう。「ぐるなび」で調べると、東京23区で洋食店は5618軒あります。これを基準に、ヨーロッパで和食店を東京と同じくらいの普及率にするには何軒必要か計算してみると、18万7257軒となります。

ですが現実は、農水省の推計によると、わずか5500軒です。たしかに和食はおいしいですが、それを実際に海外で浸透させるような大規模な動きは存在していないのです。にもかかわらずブームと言っている人は、何の数字の裏付けもなく語っていたわけですね。

自己中心的な国に観光客は来ない
 
思い込みの良くないところは、数字を見ないことだけではありません。相手の立場を考えていない、という問題もあります。
 
日本人を対象にした「日本のどのようなところを世界にアピールしたいか」というアンケート調査の結果によると、マナー、治安、サービスといったものが上位にきています。
 
でも考えてみてください。あなたが海外旅行の行き先を考えるときに、その国のマナーや治安が旅の目的になりますか? ならないですよね。だったら、なぜ日本人にとって観光の動機にならない特徴が外国人になら通用すると考えてしまうのでしょう。
 
マナーや治安が観光において有利というデータがあれば話は別ですが、それは確認できません。たとえば、世界で一番治安がいいとされるアイスランドの年間観光客数は、わずか80万人しかいません。

「おもてなし」を目当てに外国人観光客が来る、なんてことはあり得ないのです。実際、日本の観光客は増えていると言いますが、次ページのグラフ1からもわかるとおり、せいぜい1000万人を超える程度で、フランスの8分の1くらいにすぎません。しかも内訳は台湾や中国など、近隣のアジア諸国が大半です。ヨーロッパから日本に来る観光客の数は約100万人。数千万人を集める観光大国と比べると、いないも同然なのです。
 
それなのに、妄想を根拠にして日本のマナーやサービスが支持されていると思い込む。観光立国だと語る。それは気持ちいいことかもしれませんが、そんな思い込みに付き合わされる現場の労働者はたまったものではないでしょう。
 
毛沢東時代の中国では、世界一の鉄生産量を達成させるために、一度作った鉄を溶かしてまた製鉄していました。今の日本でも、あちこちで似たことをしているのではないですか。
 
もうひとつ気になるのは「日本のことを理解してもらいたい」という表現。これ、どうでもいいことです。
 
男から女に対して告白するとき、「私のことを理解してほしいから付き合ってください」とやっても、成功する可能性はほぼゼロでしょう。観光も同じです。この国のことを理解してほしいから観光してくださいと言って、誰が来るのですか? 結果としてそうなるかもしれないけれど、それは二次的な動機でしかありません。
 
多くの人の人生において、他者を理解するために時間を割く余裕はありません。人は刺激を体験したくて、旅行を楽しみたくて他国に来るのです。そこに「日本文化の素晴らしさを伝えたい」なんて余計なお世話ですよ。
 
要するに、上から目線なのです。外国人の考えに配慮することもなく、単に日本人が「強み」だと思っているものを押し付けているだけ。そういう意味では失礼ですらあります。「日本のおもてなしは世界一だ」と語ることは、間接的に「アンタの国のおもてなしはダメだ」と語っていることにもなるのですよ。

上から目線で売れるはずがない
 
商品を海外に売り込むときも同じです。「こういう物が売りたい、買ってほしい」という上から目線の思いで動く。向こうに買いたいという意欲があるかどうかは考えようとしない。マーケットと対話しない。だからガラパゴスと揶揄されたのです。
 
それどころか、自分たちが市場を独占したいから、使いづらい規格で商品を作ったりもしていました。たしかに成功すればグローバル基準になって大変な利益を生む戦略ですが、そうなる可能性は少ないですよね。
 
そもそも「メイド・イン・ジャパン」が支持されていたかどうかも怪しいですよ。かつての日本は人口が激増したために右肩上がりの経済成長を遂げました。そうなると、世界が伸びているところに注目するのは当たり前ですから、日本のものは凄いのでは、と思われた。だから売れたのです。ただ作ればよかった。
 
でも、人口増が止まったら、経済成長も止まった。そうなると誰も注目しない。「良いものを作れば支持される」といった自己満足では、世界の誰も見向きもしてくれなくなったのです。
 
これは統計を見れば明らかです。グラフ2を見ればわかるとおり、日本は輸出大国ではありません。韓国より少し多い程度の輸出額です。韓国の経済規模は日本の約3分の1ですから、日本は技術力の高さに見合った輸出をできていない、ということになります。
 
たしかに「良いものを安く提供する」という価値観はかつて経済成長に寄与しましたが、もはや日本は先進国なので人件費が高くなっている。そこで中国と価格競争をやっても勝てるはずがありません。
 
これからは、デザインやセンスのちょっとした違いで高く売れる商品を提供しなければなりません。つまり、「良い物を安く」ではなく、「格好いい物を高く」売るのです。これは、日本より先に人件費が高くなったヨーロッパ企業の戦略ですが、日本もすでにその必要に迫られています。
 
たとえば掃除機。しばらく前に数千円まで値段が下がっていたものが、あの格好いいダイソンの登場で一気に市場が変わり、みんな高いものを買うようになりました。でもマネする日本企業は、ダイソンよりダサいデザインのものを安く出す。それは違います。せっかく価格帯が上がったのだから、そこで勝負できる商品を作らねばならなかったのです。
 
これはヨーロッパの市場でも同様ですし、すでに一部のメーカーの人々は気付いて行動に移しています。

トヨタは思考停止しなかった
 
かつてトヨタ車は米国で売れたけれどヨーロッパでは売れなかった。その理由は、ひとつは米国の車がダサいから。つまりデザインではなくて価格と品質の差で、米国では勝てたのです。もうひとつは安全性。ヨーロッパの車は、ぶつかっても中の人がケガしないように、当時の日本車よりはるかに頑丈にできていました。
 
そこでトヨタは「いい車を作っているのに売れないのはおかしい」などと思考停止せずに、ヨーロッパで売れない理由を分析して戦略を練った。今は格好よくてかつ頑丈な車をリリースし、ヨーロッパ市場でも支持されるようになってきていますよね。
 
残念なことに、まだ多くの日本企業は思考停止したままで、自画自賛のアピールを続けています。
 
たとえば私がCEOを務めている小西美術工藝社は、国宝・重要文化財の補修では7割以上のシェアを持つ業界トップの企業です。ですが自分の技術のすごさを自慢している職人は見たことがありません。毎日のように「上には上がある」ことを見ているので、そこに向かって黙々と自分の仕事をしているんです。
 
逆に、京都にいるような実績の少ない職人のほうが口が達者です。京都で一番なら日本一だ、と思い込んでいる。上を知らないからこそ、怖いもの知らずでいい加減なことを言えるんです。本物を知る人は、なかなか適当なことを言えませんよね。
 
だから、本当にすごくて、国際競争に勝ち抜いている日本企業は、威張ってもいないですし、押しつけがましいアピールもしていません。何人かトヨタの人に会いましたが、威張っているような印象を持った人はいませんでした。「本物」はそういうことをしなくてもいいわけです。

一般化は危険です!
 
今の日本の問題は、本物ではなくなって、自信がなくなったからか、他者を貶めるようなアピールをしがちなところにあると思います。
 
かつての日本は「世界一」などというアピールはしませんでした。黙々と自分の仕事をやったうえで、グローバルな現場に乗り込んで、ちゃんと相手国の人と対話をして、良い仕事をしていたんです。上から目線になったのは最近になってからです。
 
以前のほうが日本にビジネスマンが多く来ていたんですよ。当時は、日本のほうから出かけて行ったり、来てもらったりという交流があったので、世界各国の人々も日本はどんなところか実感できていたと思います。でも今は、観光客は中国人以外、ほとんど来ていない。それなのに「世界一だ」「あの国に勝った」なんて日本人同士で言い合って、外国人と交流もしない。
 
もちろん世界一の日本人もいます。でもそこからが問題なのです。たとえばある日本人が、イタリアのピザ職人の大会で一番になると、なぜか日本のピザが全部世界一だ、という話になってしまう。トヨタが世界一だからといって、日本全体のものづくりが世界一だ、とはならないのです。特殊事例を一般化して自慢しても、外国人は馬鹿にされたように感じるだけです。
 
勤勉な日本人がいるのも事実ですが、日本の生産性は世界26位です。「勤勉」を一般化できないのは明らかでしょう。一般化という思考停止を続けていては、日本人は自分の「伸びしろ」に気付くことができないままですよ。

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