Tsuny'sブログ

老人が感じた日常生活を気ままに綴ったあれこれ

こんな事に成ると思わなかった 

2011-04-03 21:07:19 | ことば
こんな事に成ると思わなかった」のこんな事とは、結果としての事象のことで、こう成るはずだとか、こうなるかも知れないと想像推察・推定・推測・予測・予知して、事前に予想していたことです。

自然現象に対しては、計器での監視・観測や現状を目視観察などした情報記録の集積を元にした分析結果を事前に予測ですることがあります。

この予測を告知する予報は、天気予報がその例ですが、NHKの場合は天気予報と言わず、天気情報
と言っているので、その情報を受け取った側が勝手に予想するしかありません。

本来予測出来ない自然現象を、人間が予測することは、自然の恵みと脅威などを過信していまう結果に繋がります。

自然現象をおこがましくも、時系列でシナリオのあるストーリー仕立てで予想するなんて、自然相手では不可能なことなので、予想するための単なる情報として受け止めることなのです。

この時系列でシナリオのあるストーリー仕立てで予想想像することを「想定」というのだと思っています。

事象や事件が起こる具体的で詳細な原因・環境・人数などを、現実に近い場面設定(想定)で火災や地震・津波の避難訓練をする場合などに、この「想定」が使われます。

災害の場合だけではなく、株のやり取りを、事前にあれこれと詳しく順序立てて「想定」して取り引きする場合もあります。

堀江貴文氏(ホリエモン)が「想定」とおりに成らなかったことを、想像外・ 予想外・ 意外と言わずに「想定外」と言ったことから、それ以降の想像・予想・推察・推測・推定・予知と言う言葉は、想定に駆逐されてしまいました。

何でも「想定外」とか「想定を超える」と使って逃れる風潮に馴染みません。
「~と考えていた。」を「想定していた。」に置き換えることもできます。すると想定外ということは考えていなかったということです。

ざっくりと一括りにした「想定」使いでは、想像・予想・推察・推測・推定・予知を峻別して使う日本語が失われます。

最近使われる「想定」は、計画・予定・設定という意味でも使われます。

(新しい路線バスの料金を200円に想定しています。これは200円に設定とか予定を使うのがいいのでは。)

今回の地震や津波や、その被害は想定を超えた事としていますが、想定していなかった事なのか、想定予想・推測・推定・予知)出来なかったことなのか曖昧です。

想定出来なかったとは、失敗したことなのですから、今後に課せられた重要な問題なのです。

自然現象以外でも何でも「想定出来なかったから」と、予想出来なかった根拠を明らかにせずに「想定出来なかったから」と言えば、やり過ごされそうなのが心配です。

誰もが認識できた未曾有の自然災害を受け止め、 「こんな事に成ると思わなかった」とは、素の印象なのですが、余りにもむごくて圧倒的な自然の威力に向き合う人間の力の限界を強く感じます。