山水図小柄 後藤廉乗
山水図小柄 後藤廉乗
後藤宗家十代廉乗の山水に帰雁図小柄。穏やかに連なる山並みは我が国の風景。山を越えて帰巣する雁の群を添え描いている。中国の切り立つ山々の図とは異なって、ほっとするような景色である。ただし、奇麗に揃った赤銅魚子地がポイント。このように、魚子地処理した中に主題をぽつんと描くのが後藤家に特徴的な構成。魚子地は様々な意味を持つ。見る人が異なれば感じ方も違ってくる。それが狙いであったのか、作者に聞かねば解らないが、単純に背景を処理したものではないことは想像できよう。特にこの山水図を見ていると、本来の山水図が意味する、無限に広がる空間が意識されてくる。大名品だと思う。
山水図小柄 後藤廉乗
後藤宗家十代廉乗の山水に帰雁図小柄。穏やかに連なる山並みは我が国の風景。山を越えて帰巣する雁の群を添え描いている。中国の切り立つ山々の図とは異なって、ほっとするような景色である。ただし、奇麗に揃った赤銅魚子地がポイント。このように、魚子地処理した中に主題をぽつんと描くのが後藤家に特徴的な構成。魚子地は様々な意味を持つ。見る人が異なれば感じ方も違ってくる。それが狙いであったのか、作者に聞かねば解らないが、単純に背景を処理したものではないことは想像できよう。特にこの山水図を見ていると、本来の山水図が意味する、無限に広がる空間が意識されてくる。大名品だと思う。