山水図大小鐔 信周
山水図大小鐔 銘 長州萩住信周作
大小二枚にわたって描き表わした、古代中国の山水図である。鉄地をさほど肉高く描写しているわけではなく、描法が絵画的な、まさに水墨画のように感じられる作。岩や山の表面に微妙な鏨を打ち、植物の葉にも鏨を加えて繁茂の様子を表現している。
山水図の背景には、煩わしい政治権力から離れて神仙の住む山中に隠棲したいと願う気持ちから生じた。この指向は我が国にも伝えられ、世捨て人と言われることを甘んじて受け、都会を離れて各地を歩き、和歌や俳句を詠んだ多くの詩人の姿も浮かんでくる。□
山水図大小鐔 銘 長州萩住信周作
大小二枚にわたって描き表わした、古代中国の山水図である。鉄地をさほど肉高く描写しているわけではなく、描法が絵画的な、まさに水墨画のように感じられる作。岩や山の表面に微妙な鏨を打ち、植物の葉にも鏨を加えて繁茂の様子を表現している。
山水図の背景には、煩わしい政治権力から離れて神仙の住む山中に隠棲したいと願う気持ちから生じた。この指向は我が国にも伝えられ、世捨て人と言われることを甘んじて受け、都会を離れて各地を歩き、和歌や俳句を詠んだ多くの詩人の姿も浮かんでくる。□