とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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ポーラーエキスプレスDVD

2005年12月06日 20時38分09秒 | 映画評論
ポーラエキスプレスをDVDで再観賞した。
映画のDVDは公開されてから半年くらいで発売される普通なのだが「ポーラーエキスプレス」は待てど暮せど発売される気配がみじんもなかった。
「もしかして、クリスマスに併せて発売か?」
と思っていたら、予想は的中。
映画は2004年のクリスマス。
DVDは2005年のクリスマスに相成ったというわけだ。

映画館で見たときの衝撃はDVDになっても変らなかった。
画面が小さく、音響効果もホームシアターレベルなので致し方はないものの、やはりスピード感溢れるファンタジックな映像はまたまた私の心を虜にしてくれたのだった。
「ホットココア」のシーンは何度見ても楽しいし、氷上を滑走する機関車の迫力には目を見張る。
今回はプレーヤーの選択ボタンを日本語版にセットとして観賞したが、要所要所のカットが日本語で作られているのにも驚いた。
「金かかっただろうな」
というのが感想だ。
確か映画館でのロードショーは今一つヒットしなかったと記憶する。
映像マニアが固執する。そんな映画なので仕方がない。

ところで、今回家で見ていたことも手伝って、妙なところに目が留まった。
それはサンタクロースがトナカイに鞭を入れるシーンだった。
ずらっと並んだトナカイに橇に乗ったサンタさんは美しく輝く鞭を「ビシッ!」と降り下ろす。
これって、もしかして動物虐待?
サンタクロースのトナカイの橇はまったく当たり前のように思っていたが、「優しいはずのサンタさん」が「ホーホホホホホー」と笑いながらトナカイさんに鞭を下ろすのは、動物愛護団体からの抗議ネタになるんではないかと、ふと思ったのだ。
サンタクロースという聖人が弱き者「トナカイさん」に鞭を入れるのは、ある意味キリスト教の暗い本質をついていると言えなくもない。
で、サンタさんは動物虐待で告訴されテレビのレポーターたちに囲まれて、グリンピースや各国の動物愛護協会といった左に傾いた人たちから「生卵」や「石つぶて」「ペンキ」などを投げつけられながら裁判に臨む。
などというような困ったサンタさんのストーリーが頭に浮び、映画のストーリーとは関係なく一人で笑ってしまったのだった。

考えてみれば、サンタさんだけでなく訴えられそうな偉人や聖人はたくさんいそうだ。
足柄山の金太郎さんは「熊に跨がりお馬の稽古」というのも熊虐待ではないかと思えなくもないし、
鬼と闘うための報酬がたった数個のきびだんごだというケチな桃太郎さんもキジ、猿、犬に対する虐待ではないかとも思えるのだ。

鞭を打たれて「何さらすんじゃい!痛いやんけ、ワレ(河内弁)」とトナカイがサンタさんにイチャモンをつけたらもっと面白かったんではないか、とポーラーエキスプレスを見ながら思ったのは、落語の見過ぎも影響か。

~「ポーラーエキスプレス」ワーナーホームビデオ~

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