人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

カルテット・アマービレでメンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第2番」,シューベルト「弦楽四重奏曲第13番”死と乙女”」他を聴く~「紀尾井 明日への扉」シリーズ

2017年12月21日 08時08分50秒 | 日記

21日(木).来年のカレンダーにコンサートの予定を書き入れました 手元にチケットがある公演だけで91回あります ほとんどが在京オケの定期公演(N響,読響,東響=サントリー&オペラシティ,新日フィル,東フィル文京,バッハ・コレギウム・ジャパン,新国立オペラ)ですが,手元にチケットはないけれど確実に行くコンサートと,5月の「ラ・フォル・ジュルネ音楽祭」,6月の「サントリーホール・チェンバーミュージック・ガーデン」,7~8月の「フェスタ サマー ミューザ」など 毎年レギュラー化した一連のコンサートが加わると,軽く150回は超えます

ということで,わが家に来てから今日で1177日目を迎え,韓国の文大統領が19日,2月9日に開幕する平昌冬季五輪の期間中,米韓合同軍事演習を開かないよう米側に延期を打診していることを明らかにした というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                  五輪中の軍事演習が北朝鮮を刺激して 関係者がご臨終にならないようにしないと

 

                     

 

 昨日,夕食に「手羽元の甘酢さっぱり煮」「生野菜と鶏むね肉のサラダ」「シメジ,チンゲン菜,ちくわ,ナルトの中華スープ」を作りました 新聞で,鳥むね肉がヘルシーだという記事を見て閃き サラダに入れてみました

 

     

 

                     

 

一昨日午後7時から紀尾井ホールで「カルテット・アマービレ」のコンサートを聴きました これは「紀尾井  明日への扉」シリーズの一環として開かれたコンサートです カルテット・アマービレは.桐朋学園大学在籍中のメンバー(ヴァイオリン=篠原悠那,北田千尋,ヴィオラ=中恵菜,チェロ=笹沼樹)により結成され,2016年9月にARDミュンヘン国際音楽コンクール弦楽四重奏部門第3位に入賞を果たしています

プログラムは①デュティユー「弦楽四重奏曲『夜はかくの如し』」,②メンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第2番イ短調」,③シューベルト「弦楽四重奏曲第14番”死と乙女”」です 

そもそも私がこのコンサートを聴こうと思ったのは2曲目のメンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第2番」を聴きたかったからです

 

     

 

自席は1階7列18番,右ブロック左通路側です.会場は9割以上入っているでしょうか.すごい人気です この日のプログラムは昨年秋のミュンヘン国際コンクールで演奏した曲の中で思い出深い曲を選んだとのことです

会場とステージの照明が落とされ,暗い中,4人の譜面台を照らすLEDの手許灯だけが小さく光ります 1曲目はフランスの作曲家デュティユー(1916-2013)の弦楽四重奏曲「夜はかくの如し」です タイトルからして,この曲の演奏のためには照明の工夫による幻想的な演出が必要だという判断でしょう 薄暗い中4人が登場し 左から第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,ヴィオラ,チェロという編成を採ります この作品はクーセヴィツキ-財団の委嘱で書かれ,1977年1月にパリで初演,翌年4月にアメリカで初演されました 全体は導入と7つの部分,その間をつなぐ4つの短い挿入句から成りますが 連続して演奏されます

全体を聴いた印象は,同じ現代曲でもシェーンベルクとは違うし,ちょっと武満徹のような曲想が垣間見られるものの 異質な音楽だし,詩的な雰囲気は やはりデュティユー特有の音楽なのだと感じました この曲の演奏は上記コンクールで審査員から高い評価を得たとのことですが,曲自体の(私の)理解はさておき,弦楽器のあらゆる演奏方法を駆使した4人のアンサンブルは素晴らしいものがありました

2曲目はメンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第2番イ短調」です この曲は1827年(作曲者18歳)に書かれましたが,実質的に一番最初に作曲された弦楽四重奏曲です 第1楽章「アダージョ~アレグロ・ヴィヴァーチェ」,第2楽章「アダージョ・ノン・レント」,第3楽章「間奏曲:アレグレット・コン・モート~アレグロ・ディ・モルト」,第4楽章「プレスト」の4つの楽章から成ります

この曲ではチェロとヴィオラが入れ替わり,ヴィオラが右端に位置します 第1楽章冒頭の深みのある叙情的な序奏を聴いた時,素晴らしい演奏になるという予感を覚えました そして中盤からのエモーショナルな演奏に興奮を覚え,第2楽章では歌心に満ちた演奏に痺れました 第3楽章ではリラックスした曲想と メンデルスゾーン特有のスケルツォ風の曲想で一息ついて,第4楽章では,終盤の第1ヴァイオリンによるソロに聴き入りました この曲の演奏は上記コンクールの第2次予選でスタンディング・オベーションを受けたとのことですが,さもありなん,です 満場の拍手を耳にしながら,この日のコンサートを聴きにきて良かったとあらためて思いました こんな素晴らしい演奏でメンデルスゾーンを聴くことが出来て最高に幸せです

この演奏を聴くにあたって,大好きなパシフィカ・クァルテットの演奏によるCDで予習しておきました

 

     

     

プログラム後半は,シューベルト「弦楽四重奏曲第14番ニ短調”死と乙女”」です この曲は1824年(作曲者27歳)に作曲されたと言われています 「死と乙女」という通称は,第2楽章の主題に自作の歌曲「死と乙女」を用いていることから付けられました 第1楽章「アレグロ」,第2楽章「アンダンテ・コン・モート」,第3楽章「アレグロ・モルト」,第4楽章「プレスト」の4楽章から成ります

女性陣の衣装は上が黒から赤に変わっています シューベルトに挑む”勝負服”といったところでしょうか こういう演出は大歓迎です 第1楽章冒頭の劇的な”運命の動機”を聴いた瞬間,演奏の成功を確信したほど緊張感に満ちた素晴らしい演奏でした この曲は,上記コンクールのファイナルで疲労と緊張で極限状態の中,気力を振り絞って弾いた曲とのことですが,まさにその姿勢が第4楽章フィナーレに結実しました

4人はアンコールにシューベルト「弦楽四重奏曲第12番”四重奏断章”」を演奏し,コンサートを締めくくりました

3曲を聴いた限りでは相当レヴェルの高いカルテットだと思いました ただ,まだ弦楽四重奏曲の王道であるハイドン,モーツアルト,ベートーヴェンを聴いていないので,最終的な結論は持ち越しです

 

     

 

ところで,自席の通路を挟んだ隣席に 世界的に活躍したカルテットのヴィオラ奏者 I 氏とヴァイオリン奏者 H 氏が並んで座っておられました 配布されたプログラムによると「カルテット・アマービレ」はI 氏に師事しているとのこと 教え子の演奏をどのようにお聴きになったでしょうか? あっ,そうそう,演奏が始まる前にスマホの電源を切りましょうね,皆さん

 

     

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芸劇ブランチコンサート「華麗なるウインナー・ワルツ~年末スペシャル公演」を聴く~J.シュトラウス2世の「アンネン・ポルカ」「春の声」「皇帝円舞曲」「美しく青きドナウ」を室内楽用編曲で

2017年12月20日 07時47分06秒 | 日記

20日(火).わが家に来てから今日で1176日目を迎え,上野動物園で6月に生まれたジャイアントパンダの赤ちゃん,シャンシャンの一般公開が19日に始まり,抽選により選ばれた1日約400組が見た というニュースを見て 上野動物園のパンダ以外の動物たちに成り代わってPRするモコタロです

 

     

      ぼくたち抽選にもれても見られますよ「非パンダ同盟      一同」より

 

          

 

昨日,夕食に「カレーライス」と「生野菜サラダ」を作りました いつも通りジャガイモと人参は皮付きのままです そのうえジャガイモは人参と牛肉の10分後に投入するので煮崩れしません

 

     

 

          

 

昨日,午前11時から池袋の東京芸術劇場コンサートホールで芸劇ブランチコンサート・第11回「華麗なるウインナーワルツ~年末スペシャル公演」を聴きました プログラムはヨハン・シュトラウス2世の①アンネン・ポルカ,②春の声,③皇帝円舞曲,④美しく青きドナウで,①の編曲はペーター・トツツァウアー,②~④の編曲は川崎龍です

出演はアンサンブル・サンセリテのメンバー全員で,ヴァイオリン=大江馨(第82回日本音楽コンクール優勝),藤江扶紀(来年1月からトゥールーズ・キャピタル国立管弦楽団コンマス就任予定),ヴィオラ=佐々木亮(N響首席),チェロ=富岡廉太郎(読響首席),コントラバス=西山真二(N響首席代行),フルート=竹山愛(東京シティ・フィル首席),クラリネット=伊藤圭(N響首席),ピアノ=清水和音(ロン・ティボー国際コンクール優勝),ナビゲーター=加羽沢美濃(作曲家)です

自席は2階センター右ブロック前方の通路側です 会場は9割以上入っているのではないでしょうか.このシリーズは低料金が魅力のせいか良く入ります

 

     

 

1曲目の「アンネン・ポルカ」は1852年,カトリックの祝祭日「聖アンナ祭」に際して作曲されたもので,ポルカの中でもスローテンポの曲です 弦楽奏者だけ5人が登場し,第1ヴァイオリンの大江馨のリードで優美な音楽が奏でられます

ここで,ナビゲーター役の加羽沢美濃さんが登場,年末であるが新年恒例のウインナワルツを先取りして贈るので楽しんで欲しい旨挨拶します

そして,弦楽奏者5人に,フルート,クラリネット,ピアノが加わり,フルメンバーで「春の声」を演奏に入ります 藤江扶紀さんは黒を基調に金をあしらった衣装,竹山愛さんはローズレッドの鮮やかな衣装での登場です この曲は,ブタペストでフランツ・リストと即興のやり取りをするうちに出来上がったと言われています 明るく"弾む"ような曲想で,まさに Spring has come です 管楽器とピアノが加わると色彩感が出ていいですね

ここで,編曲者の川崎龍氏(東京藝大卒)がステージに呼ばれ,曲をアレンジ(編曲)するとはどういうことかを演奏で示すことになり,川崎氏による即興のピアノ伴奏で富岡氏がサン・サーンスの「白鳥」を演奏することになりました この秋に読響首席に就任したばかりの富岡氏によるチェロは音楽性が豊かでしたが,自由に伴奏を付ける川崎氏のピアノがまた素晴らしく,ほとんどナイトクラブで聴いているかのようでした 清水氏はリハーサルで川崎氏の即興演奏を3度聴き 本番が4度目だそうですが,どれもが同じではなかったということです アレンジャーというのは凄い才能が必要なのだな,とあらためて思いました

また清水氏は「ウィーン・フィルの演奏するウィンナ・ワルツは,三拍子のうち2拍目にアクセントを置いて 2拍目を詰めて演奏するスタイルを取るのですが,最近の演奏を聴いていると 昔の”三角形”の三拍子に戻ってきたような気がします」と話していましたが,どうなんでしょうか

次いで,ラフマニノフの「ヴォカリーズ」をアール・ワイルドが編曲した曲を清水氏がピアノ・ソロで弾きましたが,これもアレンジとしては素晴らしかったです 弾いた本人は「面倒くさい」と言っていましたが

 

     

 

3曲目は「皇帝円舞曲」です この曲は1889年,オーストリア帝国がドイツ帝国と同盟を結んだのを機に作曲されました 当初は「手に手をとって」というタイトルでしたが,出版の際に改題されました.「皇帝円舞曲」というタイトルに恥じない堂々たる音楽です.演奏も堂々たるものでした

最後は「美しく青きドナウ」です ウィーン・フィルの「ニューイヤー・コンサート」の1曲目のアンコール曲としてあまりにも有名な曲ですね この曲は1867年(今年は150周年!),男声合唱協会の指揮者へルベックの依頼により,プロシャとの戦いに敗れたオーストリアの士気回復を企図して作曲されました 川崎氏のアレンジは,中盤でピアノのカデンツァが入ったり,終盤で「あれ,この曲いったいどこへいっちゃうんだろうか?」と不安に駆られるアレンジが施されていたりと変化に富んだ流れのドナウ川でしたが,最後はメインメロディーに戻り安心しました

 

          

 

コンサート終了後,会場入口付近で 次回以降のチケットの先行発売をやっていたので列に並びました すでに2月6日のチケットは押さえてあるので,4月と8月の分を購入しました いろいろな席で聴いてみようと思い,4月は1階席,8月は2階席を選びました  一般発売は22日(金)からチケットぴあ,イープラスほかです 1回2,200円は安いです.未体験の方は一度聴いてみてはいかがでしょうか.リピーターになるのは目に見えています

 

     

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三島由紀子監督「幼な子 われらに生まれ」(浅野忠信,田中麗奈主演),越川道夫監督「海辺の生と死」(満島ひかり,永山絢斗主演)を観る~早稲田松竹

2017年12月19日 08時02分25秒 | 日記

19日(火).わが家に来てから今日で1175日目を迎え,上野動物園で生まれたジャイアントパンダの雌の赤ちゃん シャンシャンが今日から一般公開されるが,上野でパンダの赤ちゃんが観られるのは1988年以来,29年ぶりだ というニュースを見て感想を述べるモコタロです 

 

     

      生後6か月で体重12.3キロだって!  この調子でいくと丸4年で約100キロ達成だ!

     

                     

 

昨日の夕食はおでんにしました 煮込み過ぎて汁がほとんどなくなってしまいました 珍しく家族が揃ったと思って作ったのに,夕刻,息子は食べずに大学に行ってしまいました 大学が冬休みに入る前にやるべきことがあるのでしょう

そういえば数年前,コンビニのコマーシャルに「おでんは待ってます」という宣伝文句がありましたね 「お電話待ってます」という言葉に掛けて「(店の中で)おでんが待っています(いかがですか)」としゃれた名コピーでした テレビを観ないので 最近どういうコマーシャルが流れているのか知りませんが,こういう名コピーはないのでしょうか

 

     

 

          

 

昨日,早稲田松竹で「幼な子 われらに生まれ」と「海辺の生と死」の2本立てを観ました 「幼な子  われらに生まれ」は重松清の同名小説を三島由紀子が2017年に監督した作品(127分)です

バツイチで再婚したサラリーマンの田中信(浅野忠信)は外見上は良き父親を装いながらも妻・奈苗(田中麗奈)の連れ子とうまくいかない日々を過ごしていた 信にはキャリア・ウーマンの元妻・友佳(寺島しのぶ)との間にもうけた実の娘・沙織がいて3か月に1度会っていたが,後ろめたさも感じていた.そんな中,奈苗に新しい生命が宿ったことから,信と血のつながりのない長女・薫は信を父親として認めないような辛辣な言葉を投げつけるようになる そしてついに「やっぱりこのウチは嫌だ.本当のパパに会わせてよ」と訴える.現在の家庭を維持することに疲れ切った信は 半ば自暴自棄で奈苗の元夫・沢田(宮藤官九郎)に会い,実の娘・薫と会ってくれるよう頼み込む そして,信は二人がデパートの屋上で会えるようセッティングするが,沢田は来たが薫は来なかった  沢田が用意した薫へのプレゼントを預かった信は,それを薫に渡す

 

     

 

バツイチ同士の再婚で,双方に思春期を迎えた娘がいるという設定ですが,親子の関係とはどういうものか,つまり 血の繋がっている親子こそが本当の親子だと言うべきか,血が繋がっていなくても一緒に生活し苦楽を共にしている親子こそ本当の親子と言うべきか,ということを考えさせられます 映画の結論は後者に傾いていますが,これで救われる思いがする親は決して少なくないでしょう しかし,よく考えてみると,結婚はお互いに血の繋がりのない他人同士が結びつくわけですから,親子の関係はどうあるべきか,ということ以前に 大きな問題を抱えていると言えると思います

バツイチの夫婦の夫・信を演じた浅野忠信は,プライベート面では実の父親が覚せい剤がらみで残念なことになっていますが,何を演じてもサマになっています 一方,妻役を演じた田中麗奈は初めて映画で観ましたが,二人目の夫と実の娘の間に挟まれて苦悩する一人の弱い主婦を等身大で演じていました しかし,彼らを上回る存在感を表していたのは奈苗の元夫・沢田を演じた宮藤官九郎と,信の元妻を演じた寺島しのぶです 宮藤官九郎は脚本家として優れているだけでなく,演技力もハンパない素晴らしさです   「あなたは理由は聞くけど 気持ちは聞かないのよね いっつもそう」というセリフは寺島しのぶが言うと説得力があります

 

                

 

2本目の「海辺の生と死」は島尾ミホの同名小説と夫・島尾敏雄の「島の果て」をもとに,越川道夫が2017年に監督した作品(155分)です

舞台は昭和19(1944)年,奄美カゲロウ島(加計呂麻島がモデル).国民学校教員として働く大平トエ(満島ひかり)は,新しく駐屯してきた海軍特攻隊の隊長 朔中尉と出会う 朔が兵隊の教育用に本を借りたいと依頼したことから知り合い,島の子供たちに慕われ,軍歌よりも島唄を好む軍人らしからぬ朔にトエは惹かれていく やがて,二人は浜辺の小屋で逢瀬を重ねるようになるが,敵の襲来が激しさを増し 沖縄は陥落,広島に原子爆弾が投下される  そして,ついに朔が出撃する日が来た 母の遺品の喪服を着て,短刀を胸に抱いたトエは いつもの浜辺へ無我夢中で飛び出していく

 

     

 

この映画を観たいと思ったのは,主人公の一人を満島ひかりが演じることが分かったからです 初めて彼女を映画で観たのは園子音監督「愛のむき出し」です ひと言で言えば「狂気の演技」とでも言うべき凄まじいエネルギーに満ちた演技力でした

今回この映画を観て一番印象に残ったのは,いよいよ朔が出撃するとなった時に,いつもの海辺で会い,トエが朔にすがりついて「死なないで.戦争はイヤ」と絶叫し,いつまでも離さないシーンです.「これは演習だから」と説得する朔を,決して離さない,絶対死なせないという必死の想いが伝わってきます

ところで,この映画を最後まで観ると「海辺の生と死」というタイトルの一部に偽りがあることが分かります それは ここに書かないでおきます

この映画では,奄美群島で古くから歌い継がれてきた奄美島唄が歌われますが,沖縄出身の満島ひかりの歌う島唄が心に浸みます

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J.A.バヨナ監督「怪物はささやく」を観る~少年と怪物との魂の駆け引き:ギンレイホール

2017年12月18日 07時56分30秒 | 日記

18日(月).今年も残すところあと2週間になりましたね この時期になると,大掃除をいつやろうかと悩みますが,面倒くさいですねぇ.でも いつかはやらないと・・・

ということで,わが家に来てから今日で1174日目を迎え,JR京浜東北・根岸線の架線が切れ 列車のパンタグラフがすべて破損して列車が止まり,22万人の足を直撃した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

        最近JRがらみの事故が多いな  JRは Joke  Rail の省略形じゃね? シャレになんない

 

          

 

神楽坂のギンレイホールで「怪物はささやく」を観ました  これはJ.A.バヨナ監督による2016年アメリカ・スペイン合作映画(109分)で,イギリスの作家パトリック・ネスによる世界的なベストセラーを実写映画化したものです

13歳の少年コナーは癌に侵された母親と二人で 裏窓から教会の墓地が見える家に住み,母親が元気だった頃の楽しい思い出に浸る日々を送っていたが,毎晩ひどい夢にうなされていた ある夜コナーのもとに大きな木の怪物が現れ,これから3つの真実の物語を語ること,4つ目の物語はコナー自身が語るように告げる しかもその内容はコナーが隠している”真実”でなければならないという.迷惑がるコナーをよそに,怪物は夜ごとに現れては物語を語り,最後にコナーは追い詰められて本心を語る

 

     

 

映画を観ていて,どこかで見たことがある人だな,と思ったのはコナーの母親役を演じたフェリシティ・ジョーンズです 「ローグ・ワン  スターウォーズ・ストーリー」に出演していました もう一人は,コナーの祖母を演じシガニー・ウィーバーです 言うまでもなく「エイリアン」シリーズの主役です

この映画は,「認めたくない現実から目を逸らして 自分を偽って生きることを戒め,現実を認めた上で自分の率直な気持ちを表すべきだ」という考えが底辺にあり,その考えが少年と怪物との魂の駆け引きとなってやり取りされているように思います

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「ハリーポッター」のハーマイオニー役のエマ・ワトソン主演ディズニー映画「美女と野獣」を観る~ミュージカル映画は楽しい!:ギンレイホール

2017年12月17日 07時20分17秒 | 日記

17日(日).わが家に来てから1173日目を迎え,仮想通貨「ビットコイン」の取引所が,北朝鮮政府系のハッカー集団「ラザルス」の標的になっている というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      北朝鮮のハッカーに反撃を加える優秀なハッカーはいないのかな トランプの国に

 

                     

 

昨日は,金曜日に料理を作らなかった代わりに,勝浦在住の大学時代の友人S君が送ってくれた大振りのアジを焼きました あとは「生野菜サラダ」「マグロの山掛け」「シジミの味噌汁」です わが家は子供たちが肉が大好きなので どうしても肉食中心になりがちですが,こうして新鮮な魚を送ってもらうと料理のローテーションに加えることが出来るので実にありがたいのです  持つべきものは友だちです

 

     

 

                    

 

昨日,神楽坂のギンレイホールで「美女と野獣」を観ました これはビル・コンドン監督による2017年アメリカ映画(130分)で,ディズニーの名作アニメ「美女と野獣」の実写映画版です 主演の”美女”は「ハリーポッター・シリーズ」のハーマイオニー役でお馴染みのエマ・ワトソンです

 

     

 

魔女の呪いで醜い野獣の姿に変えられてしまった美しい王子 呪いを解くには魔女が残していった1輪のバラの花びらがすべて散る前に誰かを心から愛し 愛されることが求められ,それが出来ない場合は永遠に人間に戻れなくなってしまう そんな絶望的な王子のもとに聡明で美しい町娘ベルが現れる 最初は顔も行動も野獣そのものの王子に,ベルは一刻も早く城を抜け出そうとするが,そのうち,彼が本当は知的で優しい心の持ち主であることが分かる ベルを妻に娶ろうとする邪悪なガストンが村人たちを引き連れて城を襲うと,王子はガストンの銃弾に倒れ,バラは最後の花びらを落とす しかし,ベルの王子に対する愛が叶い王子は復活しもとの美しい姿に戻る

 

     

 

「美女と野獣」は原作を読んだこともないし,ミュージカルで観たこともないし,今回映画で観て初めて「ああ,こういうストーリーだったのか」と分かったくらいでした 初めて観た印象は「やっぱり,ミュージカル映画は楽しい」ということです.映画の中では数多くの歌が歌われますが,どれもが感動的です また,魔女の魔法で 燭台や時計や洋服ダンスやティーカップに変えられてしまった人々が”喋る”シーンは映画ならではの楽しさで,まさにアニメのディズニーの本領発揮といったところです

エマ・ワトソンの魅力全開の映画 と言っておきます 彼女は 次にどういう映画に出演するのでしょうか? 今から楽しみです

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ジェフリー・アーチャー著「永遠に残るは(上・下)」を読む~「クリフトン年代記」完結 / 秋山和慶氏,恩師・齋藤秀雄の教えを語る~朝日「語る 人生の贈りもの」から

2017年12月16日 08時13分04秒 | 日記

16日(土).昨夜は家族全員がそれぞれ外食だったので,夕食作りはお休みしました たまにはウィークデーにこういうこともあって良いと思います

昨夕は元の職場の同僚E氏,S氏,現役社員T君と,現役時代に行きつけの店だった 西新橋のK亭で飲みました  いわゆるひとつの忘年会ですね  T君から,トップが入れ替わったうえ大幅減員となった現在の厳しい社内事情などを聞いたりして,あっという間に3時間が過ぎました その後,OB3人で六本木のカラオケ・スナックОに繰り出し,それぞれ2~3曲ずつ歌いました 聞くところによると,年内で店じまいするとのことでした.それはそうだろうと思います K亭でさんざん飲んで食べて3時間過ごしたのと,Оでちょっと飲んで歌って1時間過ごしたのがほぼ同じ料金なのですから 場所が六本木のミッドタウンの目の前という好立地なのでショバ代が相当高いのは想像がつきます.現役時代に宴会の二次会によく通った店だったので ちょっと淋しい感じがします

ということで,わが家に来てから今日で1172日目を迎え,自民・公明両党が14日,来年度の与党税制改正大綱を正式に決めたが,所得税やたばこ税の増税や新税の創設など 年間で計約2800億円の増税規模になる というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                 2019年夏の参院選まで国政選挙がないから 与党は増税に踏み切るんだろうな

 

          

 

朝日朝刊に連載中のコラム「語る 人生の贈りもの~指揮者・秋山和慶編」が昨日4回目を迎えました 今回 秋山氏は恩師・齋藤秀雄の厳しい指導を語っています.超訳すると

「齋藤先生の指導は猛烈に厳しかった 指揮者の修業は,先輩たちが受けるレッスンをピアノでサポートすることから始まる 小澤征爾のレッスンでは秋山と同期の飯守泰次郎が連弾した.二人が準備できていないと小澤が怒られる 恫喝された小澤が裸足で家を飛び出し,齋藤の妻が靴を持って追いかけたというエピソードもある それでもレッスンが終わると先生は外車で新宿の焼き肉屋に連れて行ってくれた 1974年に齋藤が死去した時 臨終に立ち会ったのは,小澤征爾,山本直純,秋山和慶,飯守泰次郎の4人だった.齋藤は最後にこう言った.『僕は悪い先生だった.すまなかった』と.先生に謝られたのは,後にも先にもその時だけだった.指揮棒を折ったり楽譜を投げたり,怒ると本当にムチャクチャだったが,それでも我々は先生が大好きだった 先生は『僕が君たちをたくさん怒ったのは,僕が未熟だったから.君たちはこんな先生になるなよ.絶対に怒るなよ』とも語った.4人ともそれぞれの道を歩んだが,共に涙をこぼしながら胸に刻んだあの約束だけは守り続けている

齋藤秀雄という指導者がどれほど厳しかったか,それは教え子に対してだけでなく自分自身に対しても厳しかったということが良く伝わってくる話だと思います 普通の指導者だったら「君たちをたくさん怒ったのは,君たちが憎くてそうしたのではない.君たちが1日も早くプロとして通用するようになってほしいと思うからだ」とでも言ったでしょう.しかし,齋藤氏は「僕が未熟だったから」と自分自身に責を負わせているのです

このコラムの第1回目だったと思いますが,秋山氏は「リハーサル中,上手くいかない時に楽員を怒ることはしない.そういう時は黙ってしまう.これが効くようだ」と語っていますが,この日のコラムを読んで,そういうことだったんだな,と初めて理解できました

 

          

 

ジェフリー・アーチャー著「永遠に残るは(上・下)」(新潮文庫)を読み終わりました ジェフリー・アーチャーは1940年英国生まれ.オックスフォード大学を卒業し,66年に大ロンドン市議会議員として政界デビューを果たし,69年には最年少国会議員として下院入りを果たす.しかし,詐欺にあい全財産を失ったあげく,国会議員も辞職するはめになる.その詐欺事件で生じた債務の返済を目論んで書き上げた処女作「百万ドルを取り返せ!」がミリオン・セラーになり,それ以降 作家活動が続いている

 

     

 

ハリーはバッキンガム宮殿で爵位を授けられる  エマはマーガレット・サッチャー新首相から閣僚に任命される  ジャイルズは選挙には敗れるが望ましい伴侶を得る  セバスチャンとサマンサの娘ジェシカは人生の脇道に逸れそうになるが新しい恋人を見つける   クリフトン家とバリントン家のメンバーは順調な生活を送っていた  そんな矢先,クリフトン家を悪夢のような病魔が襲う

読んでいて,エマの息の引き取り方は予想外でした また,最後まで生き残るのは元々の主人公であるハリー・クリフトンだと思っていましたが,そうでなかったのは意外でした どんでん返しの得意なジェフリー・アーチャーならではのフィナーレでした

 

     

 

「クリフトン年代記」は1920年から1992年までの72年間を舞台にしていますが,次のように刊行されてきました

第1部「時のみぞ知る」(上・下)

第2部「死もまた我等なり」(上・下)

第3部「裁きの鐘は」(上・下)

第4部「追風に帆を上げよ」(上・下)

第5部「剣より強し」(上・下)

第6部「機は熟せり」(上・下)

第7部「永遠に残るは」(上・下)

物語は,港湾労働者の息子で,母の手一つで育てられた貧しい少年(ハリー・クリフトン)が,裕福な貴族の息子(ジャイルズ・バリントン)と知り合い,その妹(エマ)を妻として,ともに成功への道を歩んでいくというものです  略歴でも明らかなとおり,著者自身が波乱万丈な人生を送ってきたことから 小説の面白さは半端ではありませんが,主人公の波乱万丈の人生をより一層面白くしているのは敵役たちの存在です  エマの父親ヒューゴー・バリントン,アレックス・フィッシャー,レディ・バージニアたちがその筆頭です  失脚して懲りたかと思いきや,次の巻ではしぶとく復活しています

最初の第1部「時のみぞ知る」が刊行されたのは2013年(平成25年)でした 今回その完結篇として第7部「永遠に残るは」が刊行されたわけですが,この間 4年以上の歳月が流れたことになります この4年間,読み終わるたびに次回作を心待ちにしていた一読者としては感慨深いものがあります

筆者は次作として短編集を書き上げているとのことですが,刊行が楽しみです

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METライブビューイングでモーツアルト「魔笛」を観る~「ライオンキング」の演出家ジュリー・テイモアによるメルヘンチックな演出と最高の歌手陣:ジェイムズ・レヴァイン最後の指揮か?

2017年12月15日 07時53分38秒 | 日記

15日(金).わが家に来てから今日で1171日目を迎え,IT大手の楽天が14日 自前の通信回線を持つ携帯電話事業に参入すると表明した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      プロ野球と同様  ソフトバンクに追いつけ追い越せという勢いか?  楽天的だねぇ

 

          

 

昨日,夕食に「牛タンの塩焼き」「生野菜と生ハムのサラダ」「卵スープ」を作りました  牛タンの塩焼きって料理のうちに入りませんね

 

     

     

          

 

昨日,新宿ピカデリーでMETライブビューイング,モーツアルト「魔笛」(全2幕)を観ました これは今年10月14日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で開かれた公演のライブ録画映像です キャストは,タミーノ=チャールズ・カストロノヴォ,パミーナ=ゴルダ・シュルツ,夜の女王=キャスリン・ルイック,ザラストロ=ルネ・パーペ,パパゲーノ=マルクス・ヴェルバほか,管弦楽・合唱=メトロポリタン歌劇場管弦楽団・合唱団,指揮=ジェイムズ・レヴァイン,演出=ジュリー・テイモアです

当ブログでもご紹介したように,指揮者のジェイムズ・レヴァインは80年代における少年への性的虐待が疑われ,現在METは関係を絶っているわけですが,この公演は,その報道発表前に収録した公演だったため,そのまま放映に至ったものと思われます MET名誉音楽監督のとんだ不名誉です 会場入口に置かれたペラ1枚のタイムスケジュール表には小さな文字で,

「2017-2018シーズン予告内に記載の『トスカ』『ルイザ・ミラー』の指揮ジェイムズ・レヴァインは降板となりました.『トスカ』はエマニュエル・ヴィヨーム,『ルイザ・ミラー』はベルトラン・ド・ビリーが代役を務めます」

と書かれていました

「魔笛」は1791年にモーツアルトが完成した最後のオペラ(ジングシュピール=歌芝居)です  モーツアルトは,ヨハン・エマーヌエル・シカネーダーの台本によるこの作品を,この年の夏頃から作曲し始めましたが,依頼された別のオペラ「皇帝ティートの慈愛」を優先して作曲したり,新たに「レクイエム」の作曲を依頼されたりと 多忙を極めていました そして,9月30日 ウィーン郊外の「ヴィーデン劇場」での初演に漕ぎ着けました しかし,モーツアルトはこの年の12月5日に死去しています 21世紀の今なお本当の死因は解っていません

大きな拍手の中,軽快な序曲(完成は初演の2日前!)が始まりますが,かなり頻繁に指揮者ジェイムズ・レヴァインの顔がクローズアップされ,見ていて複雑な想いがしました 世界中の人たちが同じような想いで見ていたのではないでしょうか

さて,このプロダクションの大きな特徴は,1997年「ライオンキング」でトニー賞を受賞したジュリー・テイモアによる人形劇や仮面劇のエッセンスを取り入れた斬新な演出です 冒頭に出てくる大蛇,タミーノの魔笛を聴いて踊り出す熊たち,パパゲーノのアリアにつられて空を舞う鳥たち,すべて黒子の人間が操ってメルヘンチックな世界を表出しています

子供たちがこんなに楽しい演出で「魔笛」を観たら,絶対オペラ好きになると思います

また,タミーノやモノスタトスの顔は,目の周りが黒と赤で化粧が施されており まるで歌舞伎役者です タミーノの衣装は歌舞伎を連想させ,時に空手のポーズも見せます.台本が「日本の狩衣を着たタミーノ」となっているようなので,テイモアは日本の伝統文化を意識してそのような演出にしたのでしょう

 

     

 

タミーノを歌ったチャールズ・カストロノヴォはイタリア系アメリカ人ですが,抒情的な声を駆使するテノールです 第1幕のアリア「なんと美しい絵姿」をはじめソフトで味わいのある歌声を披露しました

パミーナを歌ったゴルダ・シュルツは先日,新国立オペラの「ばらの騎士」でゾフィーを歌い 満場の拍手をかっさらった南アフリカ出身の期待のソプラノです 第1幕のパパゲーノとの二重唱「愛を感じる男の人たちには」,第2幕のアリア「ああ,私にはわかる,消え失せてしまったことが」をはじめ,繊細な表現力とチャーミングな存在感で一気に聴衆の心を掴んで大喝采を浴びました この公演がMETデビューとのことですが,近い将来,METのディーヴァと言われるルネ・フレミングやジョイス・ディドナートに取って代わる存在になる素質を持っていると思います

のけぞったのは,夜の女王を歌ったアメリカ期待の新星キャスリン・ルイックです 第1幕と第2幕の両方で歌われる「夜の女王のアリア」では,驚異的としか言いようのない超絶技巧コロラトゥーラ・ソプラノを披露し,圧倒的な存在感を見せつけました

パパゲーノを歌ったマルクス・ヴェルバはモーツアルトの母国オーストリア生まれのバリトンです 第1幕のアリア「私は鳥刺し」,第2幕のアリア「娘か可愛い女房が一人」をはじめとして,抜群の演技力とともに聴衆を笑いの渦に巻き込んでいました

ザラストロを歌ったルネ・パーペはドイツ・ドレスデン生まれですが,ドイツ・オペラを中心に世界最高峰のバスと言っても過言ではないでしょう この日の公演でも第2幕のアリア「おおイシスとオシリスの神よ」「この聖なる殿堂では」をはじめとして,深みのある低音で聴衆を魅了しました

この他,パパゲーナ,モノスタトス,3人の侍女,3人の少年など,登場人物すべてが極めて水準の高い歌唱力を発揮し,カーテンコールに応えていました

前回METライブビューイングで観た「魔笛」は英語歌詞による普及版(短縮版)でしたが,今回のプロダクションはカットなしのドイツ語・オリジナル版での上演とのことです 聴いていて「あれ,こんなアリアあったっけ?」,「今まで こんなセリフなかったよな?」というシーンが何カ所かありました ということは,私が今まで聴いてきた「魔笛」は CDを含めて ほとんどが普及版だったのだろうか

METライブビューイング「魔笛」は,歌手等へのインタビュー,休憩(1回)を含めて合計3時間42分の上映時間です 都内での上映は新宿ピカデリー,東劇ほかで 今日までです

 

     

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「ハイドリヒを撃て!『ナチの野獣』暗殺作戦」を観る~レジスタンスの隠れ家にバッハ「シャコンヌ」が流れる

2017年12月14日 07時53分57秒 | 日記

14日(木).わが家に来てから今日で1170日目を迎え,日本漢字能力検定協会が選んだ「2017年を表す漢字」が「北」に決まり,一方 安倍晋三首相が選んだ漢字は「挑」だった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       北朝鮮に振り回されたからな  安倍首相の方は「挑」じゃなくて「懲」じゃね?

 

          

 

昨日,夕食に「鶏のしぐれ煮」「生野菜と生ハムのサラダ」「湯豆腐」を作りました 「鶏の~」は何度か作ったので慣れました

 

     

 

          

 

昨日,池袋の新文芸坐でショーン・エリス監督による「ハイドリヒを撃て!『ナチの野獣』暗殺作戦」を観ましたこれは2016年チェコ・イギリス・フランス合作映画(120分)で,ヒトラー,ヒムラ―に次ぐ,ナチスのナンバースリー,ラインハルト・ハイドリヒの暗殺を,史実に基づいて描いたサスペンスです

 

     

 

第2次世界大戦下,ナチスの高官ハイドリヒは,ユダヤ人大量虐殺の実権を握っていた.ハイドリヒ暗殺計画を企てたイギリス政府とチェコスロヴァキア亡命政府は,ヨゼフ,ヤンら7人の暗殺部隊をパラシュートによってチェコ国内に送り込む プラハにいる反ナチス・レジスタンス組織や家族との連絡・接触など計画が実行され,不可能と思われた暗殺は結果的に成功した しかし,ハイドリヒへの襲撃に憤慨したナチスは報復としてチェコ人の大虐殺を図る.ヨゼフやヤンらは密告によって追い詰められる

レジスタンスの中には,「ハイドリヒを暗殺すれば報復としてチェコという国自体が無くなる恐れがある.その判断は正しいのか?」として反対する者もいたわけですが,結局,暗殺計画は実行されます戦争は「殺される前に殺せ」が大命題ですから その結果,恐れていたチェコ人の大虐殺を招いてしまったわけですが,それでは暗殺していなければどうなったかと言えば,国の尊厳を捨てて絶対服従しかなかったでしょう

ところで,ヨゼフやヤンを匿う下宿屋の息子はヴァイオリニストなのですが,密告によってナチスの兵士が乗り込んでくるときに練習していたのはJ.S.バッハの「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番BWV1004」の第5楽章「シャコンヌ」でした 彼の置かれた厳しい現実と これから起こる悲惨な事件を予告するかのような音楽に聴こえました

それにしても,ナチスを題材とする映画が次々と制作され公開されるのはどういう理由からでしょうか

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コルネリウス・マイスター+藤村実穂子+読売日響でマーラー「交響曲第3番ニ短調」を聴く~理想に近い演奏 / 秋山和慶氏「指揮の心構え」を語る~朝日新聞コラム「人生の贈りもの」から

2017年12月13日 07時51分30秒 | 日記

13日(水).わが家に来てから今日で1169日目を迎え,トランプ米大統領が11日,人類を再び月へ送ると明記した新たな宇宙計画を発表したが 予算措置などには触れなかった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      アメリカの宇宙船が月に行く前に トランプ大統領のツキが堕ちてるのは明白だな

 

                     

 

昨日,夕食に「豚肉と野菜の味噌炒め」「生野菜サラダ」「トマトとエノキダケとウインナのスープ」を作りました 「豚肉~」はピーマンを時間差をおいて炒めるのが鮮度を保つコツです

 

     

 

                     

 

昨日の朝日朝刊 文化・文芸欄のコラム「語る  人生の贈りもの」で東京交響楽団桂冠指揮者・秋山和慶氏が取り上げられていました 朝日の吉田純子編集委員のインタビューにより数回にわたり連載されます 第1回目の今回は,指揮に対する心構えなどについて概要次のように語っています

「オーケストラの練習でも,あまり言葉を使わない.腕を振る速度,大きさ,手の表情などで,無尽蔵のニュアンスを伝えるのが指揮という仕事だ 楽員たちには本番まで気分良く,かつ真剣でいてもらわなければならない.自分自身が誰よりも準備していなければ,時間を無駄に浪費し,志気の低下を招く 時間を守ることも仕事だ.楽員たちとも,緊張感のある距離感を保ち続ける必要がある.理想は終演後 お客様に『いやあ,いい音楽を聴いたね.そういえば,振っていたのは誰だっけ?』と言いながら帰ってもらうこと 『秋山がこんな風に振ってた』なんて言われるようじゃまだまだ.自分を消し,作曲家の世界をどれだけ高い純度で人々の心に届けることができるのか.そんなことばかり考えて,50年が過ぎたような気がする

私は10数年前の秋山さんが東京交響楽団の音楽監督の時からずっと同楽団の定期会員(サントリー会員,オペラシティ会員)を継続していますが,彼の指揮でコンサートを聴くたびに音楽作りが素晴らしいと思っています 秋山さんのことでよく言われるのは,「明快なタクトさばき,譜読みの速さと正確さ,無駄のないリハーサル進行」等ですが,その昔 音大出の友人から教えてもらったエピソードが忘れられません それは,ある現代曲の合唱の練習中,どうしても出だしが合わなくて若い指揮者が困っていると,それを見ていた秋山さんがタクトを引き取って,「それじゃあ,やってみましょう」と言い,タクトを振り下ろすとピタッと合ったという話です これはおそらく,小澤征爾,山本直純,秋山和慶各氏の共通の師匠である桐朋学園の齋藤秀雄氏の指揮法の為せるワザだったと思いますが,それにしても凄いと思います

それと,無名の指揮者の演奏を聴いた後で「振っていたのは誰だっけ」というのはどこにもありそうな話ですが,世界的に名の知れた秋山さんのような指揮者が「振っていたのは誰だっけ」と思わせるのは,それこそ至難の技でしょう 「指揮者が自分を消し,作曲家を浮かび上がらせる」というのは,没個性とは別のことだと思いますが,優れた指揮者にとっては最大のテーマなのかも知れません

 

                     

 

昨夕,サントリーホールで読売日響第573回定期演奏会を聴きました 一旦コートを自席に置き 廊下に出て,どこでプログラム冊子を撮影したらインスタ映えするかな,とうろうろしていたら,「あらっ」と声をかけられました.この夏,フェスタサマーミューザでずっと近くの席だったSさんでした   読響サントリー会員ではないはずなので 訊いてみたら,マチネ・シリーズからの振り替えだとのことでした 次回は来年の「都民芸術フェスティバル」でお会いしましょう,ということで別れました

さて,この日のプログラムはマーラー「交響曲第3番ニ短調」です 出演はメゾ・ソプラノ=藤村実穂子,女声合唱=新国立劇場合唱団,児童合唱=TOKYO FM少年合唱団,フレーベル少年合唱団,指揮=読響首席客員指揮者コルネリウス・マイスターです

 

     

 

オケは左から第1ヴァイオリン,ヴィオラ,チェロ,第2ヴァイオリン,その後ろにコントラバスという対向配置ですが,これは珍しい編成(通常はヴィオラとチェロが逆)です 木管楽器は4管編成.コンマスは長原幸太です

私はマーラーが大好きですが,中でも「交響曲第3番ニ短調」は最高に好きな作品です この曲は,第1楽章「力強く,決然と」,第2楽章「メヌエットのテンポで,つとめて中庸に,そう急がずに」,第3楽章「くつろいで,スケルツァンド,慌てずに」,第4楽章「非常に遅く,神秘的に」,第5楽章「テンポは愉し気に,表情は悪戯っぽく」,第6楽章「遅く,静けさを湛えて,感じて」の6つの楽章から成ります

1980年ドイツ・ハノーファー生まれの指揮者コルネリウス・マイスターが指揮台に上がり,彼のタクトによって第1楽章が8本のホルンで開始されます このホルンが素晴らしい マーラーはこの楽章を「牧神は目覚める.夏が行進してくる」と呼んでいますが,まさに行進曲です.また,トロンボーンのソロが手放しで素晴らしい 打楽器のアクセントも素晴らしい

この楽章を聴いていて感じたのは,「適切なテンポ設定」と「音楽の自然な流れ」です マイスターは,普通は目立たないフレーズをわざとクローズアップしたり,急激にテンポを変えて聴衆を扇動したりすることはしません もちろん,指揮者はその作品を解釈して指揮をする訳ですから,演奏に何らかの意図が反映しているはずですが,その意図を感じさせません 私はマーラーのこの曲に明確なイメージを持っていますが,彼の指揮による読響の演奏はそのイメージに極めて近いものだと感じます

第1楽章が終わったタイミングで,P席の左サイドに児童合唱団58名が,右サイドに新国立劇場合唱団(女声)50名が入場し,ヴィオラ首席・柳瀬省太とチェロ首席・富岡廉太郎の間の後方に藤村実穂子がスタンバイします 全体の曲の流れから,入場のタイミングとしては第1楽章と第2楽章の間がベストなのだと思います 第2楽章を経て,第3楽章では遠方からポストホルン(郵便馬車のラッパ)が聴こえてくるのですが,2階正面左サイドの扉が開けられ外で演奏されます ポストホルンの演奏は難しいようで,残念ながら演奏に安定感が欠けていました.すごく惜しいです

第4楽章で藤村実穂子によるメゾ・ソプラノ独唱がニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」から採られた詩「おお人間よ,よく聴け」を歌い出した時,感動で背筋が寒くなりました.何と表現力の豊かな歌手でしょうか ワーグナーの聖地バイロイトで活躍していたというキャリアはダテではありません 続いて第5楽章では児童&女声合唱が「少年の不思議な角笛」から採られた詩を歌いますが,この合唱が素晴らしい 世界に通用する合唱指揮者・三澤洋史の指導の賜物です

私がこの曲で一番重要視しているのは第6楽章です 第5楽章から間を置かずに続けて演奏されるこの楽章は,弦楽合奏によって穏やかな音楽が紡ぎ出されますが,この演奏が素晴らしい 中盤から管楽器が加わり,いっそう深みのある感動的な音楽が奏でられます 数か月前に聴いたパーヴォ・ヤルヴィ指揮NHK交響楽団による演奏と比べると違いがはっきりします ヤルヴィの指揮はジェット旅客機時代の超高速演奏だったのに対し,コルネリウス・マイスターの指揮は20世紀初頭のマーラーの生きていた時代のテンポ感を反映した堂々たる演奏でした

結論を言います.この日のマイスター+読売日響のマーラー「交響曲第3番」の演奏は,私が今まで生で聴いた中で最も理想に近い演奏でした この演奏によって,私の中でコルネリウス・マイスターという指揮者の評価が高くなったことを告白せざるを得ません

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「新世紀 パリ・オペラ座」を観る~オペラとバレエの殿堂の舞台裏が手に取るように分かる:東急文化村「ル・シネマ」

2017年12月12日 08時16分17秒 | 日記

12日(火).わが家に来てから今日で1168日目を迎え,ご主人の大学時代の友人で千葉県勝浦市在住のSさんから魚の詰め合わせが送られてきたことから,ご主人が「持つべきものは友だちだ」と言っていることについて感想を述べるモコタロです

 

     

 

     

      ぼくからもお礼を申し上げます  残念ながらぼくは魚が食べられないのですが 

 

                     

 

昨日,夕食に「ハッシュドビーフ」と「生野菜サラダ」を作りました  最近,月曜日は「ハッシュドビーフ」か「カレー」か「シチュー」になっているような気がする

 

     

 

                     

 

昨日,渋谷の東急文化村「ル・シネマ」で「新世紀, パリ・オペラ座」を観ました これはジャン=ステファヌ・ブロン監督による2017年フランス・スイス合作のドキュメンタリー映画(111分)です

 

     

 

フランスが世界に誇るオペラとバレエの殿堂「パリ・オペラ座」はルイ14世の時代から350年以上にわたる伝統を守ってきました その一方で,時代の波は容赦なく押し寄せてきます.映画は,ワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲によって幕開けを告げます そして,パンジャマン・ミルビエに代わってエトワールとして活躍してきたオレリー・デュポンがバレエ団芸術監督に就任したシーンが映し出され,オペラ座が抱える問題点の一つを浮き彫りにします 一方,オペラ史上最大規模の新作オペラ,シェーンベルク「モーゼとアロン」のリハーサル風景が紹介され,演出上 舞台に本物の牡牛を登場させることに対し,音楽監督のフィリップ・ジョルダンが「本当に必要な演出なのか?」と疑問を呈する場面も映し出されます そうかと思うと「マイスタージンガー」の主役級ハンス・ザックス役の歌手が本番2日前に病気で降板することになり,オペラ座総裁ステファン・リスナーをはじめ関係者は対応に追われます 過去に同名役を歌った経験者をリストアップし,電話をかけまくり,幸いにもミヒャエル・クプファー・ラデツキーが代演するまで漕ぎつけます また,オーディションでロシアの片田舎出身の若きバリトン歌手ミハイル・ティモシェンコを発掘し育てていこうとする姿も紹介されます

この映画では,上記の音楽のほか,ワーグナー「タンホイザー」,モーツアルト「ドン・ジョバン二」,同「フィガロの結婚」,イベール「ドン・キホーテの4つの歌」,ベルリオーズ「ファウストの劫罰」,ヴェルディ「リゴレット」,ドニゼッティ「愛の妙薬」などからアリアの数々がプリン・ターフェル,オルガ・ぺレチャッコなどによって歌われます それだけでも魅力のある作品だと思います

この映画はパリ・オペラ座公式プロデュース作品ですが,世界最高レベルのオペラ歌手やバレエダンサーのパフォーマンスだけでなく,ベースアップ要求を背景にストを通告する組合への対応や,あらゆる階層の聴衆に観に来てもらうための料金設定の在り方をめぐる経営陣の苦悩,衣装係など裏方の表情なども捉えていて,見ごたえがあります クラシック音楽好きの人にはたまらない魅力のある作品です.お薦めします

 

     

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