人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

METライブビューイングでモーツアルト「魔笛」を観る~「ライオンキング」の演出家ジュリー・テイモアによるメルヘンチックな演出と最高の歌手陣:ジェイムズ・レヴァイン最後の指揮か?

2017年12月15日 07時53分38秒 | 日記

15日(金).わが家に来てから今日で1171日目を迎え,IT大手の楽天が14日 自前の通信回線を持つ携帯電話事業に参入すると表明した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      プロ野球と同様  ソフトバンクに追いつけ追い越せという勢いか?  楽天的だねぇ

 

          

 

昨日,夕食に「牛タンの塩焼き」「生野菜と生ハムのサラダ」「卵スープ」を作りました  牛タンの塩焼きって料理のうちに入りませんね

 

     

     

          

 

昨日,新宿ピカデリーでMETライブビューイング,モーツアルト「魔笛」(全2幕)を観ました これは今年10月14日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で開かれた公演のライブ録画映像です キャストは,タミーノ=チャールズ・カストロノヴォ,パミーナ=ゴルダ・シュルツ,夜の女王=キャスリン・ルイック,ザラストロ=ルネ・パーペ,パパゲーノ=マルクス・ヴェルバほか,管弦楽・合唱=メトロポリタン歌劇場管弦楽団・合唱団,指揮=ジェイムズ・レヴァイン,演出=ジュリー・テイモアです

当ブログでもご紹介したように,指揮者のジェイムズ・レヴァインは80年代における少年への性的虐待が疑われ,現在METは関係を絶っているわけですが,この公演は,その報道発表前に収録した公演だったため,そのまま放映に至ったものと思われます MET名誉音楽監督のとんだ不名誉です 会場入口に置かれたペラ1枚のタイムスケジュール表には小さな文字で,

「2017-2018シーズン予告内に記載の『トスカ』『ルイザ・ミラー』の指揮ジェイムズ・レヴァインは降板となりました.『トスカ』はエマニュエル・ヴィヨーム,『ルイザ・ミラー』はベルトラン・ド・ビリーが代役を務めます」

と書かれていました

「魔笛」は1791年にモーツアルトが完成した最後のオペラ(ジングシュピール=歌芝居)です  モーツアルトは,ヨハン・エマーヌエル・シカネーダーの台本によるこの作品を,この年の夏頃から作曲し始めましたが,依頼された別のオペラ「皇帝ティートの慈愛」を優先して作曲したり,新たに「レクイエム」の作曲を依頼されたりと 多忙を極めていました そして,9月30日 ウィーン郊外の「ヴィーデン劇場」での初演に漕ぎ着けました しかし,モーツアルトはこの年の12月5日に死去しています 21世紀の今なお本当の死因は解っていません

大きな拍手の中,軽快な序曲(完成は初演の2日前!)が始まりますが,かなり頻繁に指揮者ジェイムズ・レヴァインの顔がクローズアップされ,見ていて複雑な想いがしました 世界中の人たちが同じような想いで見ていたのではないでしょうか

さて,このプロダクションの大きな特徴は,1997年「ライオンキング」でトニー賞を受賞したジュリー・テイモアによる人形劇や仮面劇のエッセンスを取り入れた斬新な演出です 冒頭に出てくる大蛇,タミーノの魔笛を聴いて踊り出す熊たち,パパゲーノのアリアにつられて空を舞う鳥たち,すべて黒子の人間が操ってメルヘンチックな世界を表出しています

子供たちがこんなに楽しい演出で「魔笛」を観たら,絶対オペラ好きになると思います

また,タミーノやモノスタトスの顔は,目の周りが黒と赤で化粧が施されており まるで歌舞伎役者です タミーノの衣装は歌舞伎を連想させ,時に空手のポーズも見せます.台本が「日本の狩衣を着たタミーノ」となっているようなので,テイモアは日本の伝統文化を意識してそのような演出にしたのでしょう

 

     

 

タミーノを歌ったチャールズ・カストロノヴォはイタリア系アメリカ人ですが,抒情的な声を駆使するテノールです 第1幕のアリア「なんと美しい絵姿」をはじめソフトで味わいのある歌声を披露しました

パミーナを歌ったゴルダ・シュルツは先日,新国立オペラの「ばらの騎士」でゾフィーを歌い 満場の拍手をかっさらった南アフリカ出身の期待のソプラノです 第1幕のパパゲーノとの二重唱「愛を感じる男の人たちには」,第2幕のアリア「ああ,私にはわかる,消え失せてしまったことが」をはじめ,繊細な表現力とチャーミングな存在感で一気に聴衆の心を掴んで大喝采を浴びました この公演がMETデビューとのことですが,近い将来,METのディーヴァと言われるルネ・フレミングやジョイス・ディドナートに取って代わる存在になる素質を持っていると思います

のけぞったのは,夜の女王を歌ったアメリカ期待の新星キャスリン・ルイックです 第1幕と第2幕の両方で歌われる「夜の女王のアリア」では,驚異的としか言いようのない超絶技巧コロラトゥーラ・ソプラノを披露し,圧倒的な存在感を見せつけました

パパゲーノを歌ったマルクス・ヴェルバはモーツアルトの母国オーストリア生まれのバリトンです 第1幕のアリア「私は鳥刺し」,第2幕のアリア「娘か可愛い女房が一人」をはじめとして,抜群の演技力とともに聴衆を笑いの渦に巻き込んでいました

ザラストロを歌ったルネ・パーペはドイツ・ドレスデン生まれですが,ドイツ・オペラを中心に世界最高峰のバスと言っても過言ではないでしょう この日の公演でも第2幕のアリア「おおイシスとオシリスの神よ」「この聖なる殿堂では」をはじめとして,深みのある低音で聴衆を魅了しました

この他,パパゲーナ,モノスタトス,3人の侍女,3人の少年など,登場人物すべてが極めて水準の高い歌唱力を発揮し,カーテンコールに応えていました

前回METライブビューイングで観た「魔笛」は英語歌詞による普及版(短縮版)でしたが,今回のプロダクションはカットなしのドイツ語・オリジナル版での上演とのことです 聴いていて「あれ,こんなアリアあったっけ?」,「今まで こんなセリフなかったよな?」というシーンが何カ所かありました ということは,私が今まで聴いてきた「魔笛」は CDを含めて ほとんどが普及版だったのだろうか

METライブビューイング「魔笛」は,歌手等へのインタビュー,休憩(1回)を含めて合計3時間42分の上映時間です 都内での上映は新宿ピカデリー,東劇ほかで 今日までです

 

     

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