人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

三島由紀子監督「幼な子 われらに生まれ」(浅野忠信,田中麗奈主演),越川道夫監督「海辺の生と死」(満島ひかり,永山絢斗主演)を観る~早稲田松竹

2017年12月19日 08時02分25秒 | 日記

19日(火).わが家に来てから今日で1175日目を迎え,上野動物園で生まれたジャイアントパンダの雌の赤ちゃん シャンシャンが今日から一般公開されるが,上野でパンダの赤ちゃんが観られるのは1988年以来,29年ぶりだ というニュースを見て感想を述べるモコタロです 

 

     

      生後6か月で体重12.3キロだって!  この調子でいくと丸4年で約100キロ達成だ!

     

                     

 

昨日の夕食はおでんにしました 煮込み過ぎて汁がほとんどなくなってしまいました 珍しく家族が揃ったと思って作ったのに,夕刻,息子は食べずに大学に行ってしまいました 大学が冬休みに入る前にやるべきことがあるのでしょう

そういえば数年前,コンビニのコマーシャルに「おでんは待ってます」という宣伝文句がありましたね 「お電話待ってます」という言葉に掛けて「(店の中で)おでんが待っています(いかがですか)」としゃれた名コピーでした テレビを観ないので 最近どういうコマーシャルが流れているのか知りませんが,こういう名コピーはないのでしょうか

 

     

 

          

 

昨日,早稲田松竹で「幼な子 われらに生まれ」と「海辺の生と死」の2本立てを観ました 「幼な子  われらに生まれ」は重松清の同名小説を三島由紀子が2017年に監督した作品(127分)です

バツイチで再婚したサラリーマンの田中信(浅野忠信)は外見上は良き父親を装いながらも妻・奈苗(田中麗奈)の連れ子とうまくいかない日々を過ごしていた 信にはキャリア・ウーマンの元妻・友佳(寺島しのぶ)との間にもうけた実の娘・沙織がいて3か月に1度会っていたが,後ろめたさも感じていた.そんな中,奈苗に新しい生命が宿ったことから,信と血のつながりのない長女・薫は信を父親として認めないような辛辣な言葉を投げつけるようになる そしてついに「やっぱりこのウチは嫌だ.本当のパパに会わせてよ」と訴える.現在の家庭を維持することに疲れ切った信は 半ば自暴自棄で奈苗の元夫・沢田(宮藤官九郎)に会い,実の娘・薫と会ってくれるよう頼み込む そして,信は二人がデパートの屋上で会えるようセッティングするが,沢田は来たが薫は来なかった  沢田が用意した薫へのプレゼントを預かった信は,それを薫に渡す

 

     

 

バツイチ同士の再婚で,双方に思春期を迎えた娘がいるという設定ですが,親子の関係とはどういうものか,つまり 血の繋がっている親子こそが本当の親子だと言うべきか,血が繋がっていなくても一緒に生活し苦楽を共にしている親子こそ本当の親子と言うべきか,ということを考えさせられます 映画の結論は後者に傾いていますが,これで救われる思いがする親は決して少なくないでしょう しかし,よく考えてみると,結婚はお互いに血の繋がりのない他人同士が結びつくわけですから,親子の関係はどうあるべきか,ということ以前に 大きな問題を抱えていると言えると思います

バツイチの夫婦の夫・信を演じた浅野忠信は,プライベート面では実の父親が覚せい剤がらみで残念なことになっていますが,何を演じてもサマになっています 一方,妻役を演じた田中麗奈は初めて映画で観ましたが,二人目の夫と実の娘の間に挟まれて苦悩する一人の弱い主婦を等身大で演じていました しかし,彼らを上回る存在感を表していたのは奈苗の元夫・沢田を演じた宮藤官九郎と,信の元妻を演じた寺島しのぶです 宮藤官九郎は脚本家として優れているだけでなく,演技力もハンパない素晴らしさです   「あなたは理由は聞くけど 気持ちは聞かないのよね いっつもそう」というセリフは寺島しのぶが言うと説得力があります

 

                

 

2本目の「海辺の生と死」は島尾ミホの同名小説と夫・島尾敏雄の「島の果て」をもとに,越川道夫が2017年に監督した作品(155分)です

舞台は昭和19(1944)年,奄美カゲロウ島(加計呂麻島がモデル).国民学校教員として働く大平トエ(満島ひかり)は,新しく駐屯してきた海軍特攻隊の隊長 朔中尉と出会う 朔が兵隊の教育用に本を借りたいと依頼したことから知り合い,島の子供たちに慕われ,軍歌よりも島唄を好む軍人らしからぬ朔にトエは惹かれていく やがて,二人は浜辺の小屋で逢瀬を重ねるようになるが,敵の襲来が激しさを増し 沖縄は陥落,広島に原子爆弾が投下される  そして,ついに朔が出撃する日が来た 母の遺品の喪服を着て,短刀を胸に抱いたトエは いつもの浜辺へ無我夢中で飛び出していく

 

     

 

この映画を観たいと思ったのは,主人公の一人を満島ひかりが演じることが分かったからです 初めて彼女を映画で観たのは園子音監督「愛のむき出し」です ひと言で言えば「狂気の演技」とでも言うべき凄まじいエネルギーに満ちた演技力でした

今回この映画を観て一番印象に残ったのは,いよいよ朔が出撃するとなった時に,いつもの海辺で会い,トエが朔にすがりついて「死なないで.戦争はイヤ」と絶叫し,いつまでも離さないシーンです.「これは演習だから」と説得する朔を,決して離さない,絶対死なせないという必死の想いが伝わってきます

ところで,この映画を最後まで観ると「海辺の生と死」というタイトルの一部に偽りがあることが分かります それは ここに書かないでおきます

この映画では,奄美群島で古くから歌い継がれてきた奄美島唄が歌われますが,沖縄出身の満島ひかりの歌う島唄が心に浸みます

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