人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ジェフリー・アーチャー著「永遠に残るは(上・下)」を読む~「クリフトン年代記」完結 / 秋山和慶氏,恩師・齋藤秀雄の教えを語る~朝日「語る 人生の贈りもの」から

2017年12月16日 08時13分04秒 | 日記

16日(土).昨夜は家族全員がそれぞれ外食だったので,夕食作りはお休みしました たまにはウィークデーにこういうこともあって良いと思います

昨夕は元の職場の同僚E氏,S氏,現役社員T君と,現役時代に行きつけの店だった 西新橋のK亭で飲みました  いわゆるひとつの忘年会ですね  T君から,トップが入れ替わったうえ大幅減員となった現在の厳しい社内事情などを聞いたりして,あっという間に3時間が過ぎました その後,OB3人で六本木のカラオケ・スナックОに繰り出し,それぞれ2~3曲ずつ歌いました 聞くところによると,年内で店じまいするとのことでした.それはそうだろうと思います K亭でさんざん飲んで食べて3時間過ごしたのと,Оでちょっと飲んで歌って1時間過ごしたのがほぼ同じ料金なのですから 場所が六本木のミッドタウンの目の前という好立地なのでショバ代が相当高いのは想像がつきます.現役時代に宴会の二次会によく通った店だったので ちょっと淋しい感じがします

ということで,わが家に来てから今日で1172日目を迎え,自民・公明両党が14日,来年度の与党税制改正大綱を正式に決めたが,所得税やたばこ税の増税や新税の創設など 年間で計約2800億円の増税規模になる というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                 2019年夏の参院選まで国政選挙がないから 与党は増税に踏み切るんだろうな

 

          

 

朝日朝刊に連載中のコラム「語る 人生の贈りもの~指揮者・秋山和慶編」が昨日4回目を迎えました 今回 秋山氏は恩師・齋藤秀雄の厳しい指導を語っています.超訳すると

「齋藤先生の指導は猛烈に厳しかった 指揮者の修業は,先輩たちが受けるレッスンをピアノでサポートすることから始まる 小澤征爾のレッスンでは秋山と同期の飯守泰次郎が連弾した.二人が準備できていないと小澤が怒られる 恫喝された小澤が裸足で家を飛び出し,齋藤の妻が靴を持って追いかけたというエピソードもある それでもレッスンが終わると先生は外車で新宿の焼き肉屋に連れて行ってくれた 1974年に齋藤が死去した時 臨終に立ち会ったのは,小澤征爾,山本直純,秋山和慶,飯守泰次郎の4人だった.齋藤は最後にこう言った.『僕は悪い先生だった.すまなかった』と.先生に謝られたのは,後にも先にもその時だけだった.指揮棒を折ったり楽譜を投げたり,怒ると本当にムチャクチャだったが,それでも我々は先生が大好きだった 先生は『僕が君たちをたくさん怒ったのは,僕が未熟だったから.君たちはこんな先生になるなよ.絶対に怒るなよ』とも語った.4人ともそれぞれの道を歩んだが,共に涙をこぼしながら胸に刻んだあの約束だけは守り続けている

齋藤秀雄という指導者がどれほど厳しかったか,それは教え子に対してだけでなく自分自身に対しても厳しかったということが良く伝わってくる話だと思います 普通の指導者だったら「君たちをたくさん怒ったのは,君たちが憎くてそうしたのではない.君たちが1日も早くプロとして通用するようになってほしいと思うからだ」とでも言ったでしょう.しかし,齋藤氏は「僕が未熟だったから」と自分自身に責を負わせているのです

このコラムの第1回目だったと思いますが,秋山氏は「リハーサル中,上手くいかない時に楽員を怒ることはしない.そういう時は黙ってしまう.これが効くようだ」と語っていますが,この日のコラムを読んで,そういうことだったんだな,と初めて理解できました

 

          

 

ジェフリー・アーチャー著「永遠に残るは(上・下)」(新潮文庫)を読み終わりました ジェフリー・アーチャーは1940年英国生まれ.オックスフォード大学を卒業し,66年に大ロンドン市議会議員として政界デビューを果たし,69年には最年少国会議員として下院入りを果たす.しかし,詐欺にあい全財産を失ったあげく,国会議員も辞職するはめになる.その詐欺事件で生じた債務の返済を目論んで書き上げた処女作「百万ドルを取り返せ!」がミリオン・セラーになり,それ以降 作家活動が続いている

 

     

 

ハリーはバッキンガム宮殿で爵位を授けられる  エマはマーガレット・サッチャー新首相から閣僚に任命される  ジャイルズは選挙には敗れるが望ましい伴侶を得る  セバスチャンとサマンサの娘ジェシカは人生の脇道に逸れそうになるが新しい恋人を見つける   クリフトン家とバリントン家のメンバーは順調な生活を送っていた  そんな矢先,クリフトン家を悪夢のような病魔が襲う

読んでいて,エマの息の引き取り方は予想外でした また,最後まで生き残るのは元々の主人公であるハリー・クリフトンだと思っていましたが,そうでなかったのは意外でした どんでん返しの得意なジェフリー・アーチャーならではのフィナーレでした

 

     

 

「クリフトン年代記」は1920年から1992年までの72年間を舞台にしていますが,次のように刊行されてきました

第1部「時のみぞ知る」(上・下)

第2部「死もまた我等なり」(上・下)

第3部「裁きの鐘は」(上・下)

第4部「追風に帆を上げよ」(上・下)

第5部「剣より強し」(上・下)

第6部「機は熟せり」(上・下)

第7部「永遠に残るは」(上・下)

物語は,港湾労働者の息子で,母の手一つで育てられた貧しい少年(ハリー・クリフトン)が,裕福な貴族の息子(ジャイルズ・バリントン)と知り合い,その妹(エマ)を妻として,ともに成功への道を歩んでいくというものです  略歴でも明らかなとおり,著者自身が波乱万丈な人生を送ってきたことから 小説の面白さは半端ではありませんが,主人公の波乱万丈の人生をより一層面白くしているのは敵役たちの存在です  エマの父親ヒューゴー・バリントン,アレックス・フィッシャー,レディ・バージニアたちがその筆頭です  失脚して懲りたかと思いきや,次の巻ではしぶとく復活しています

最初の第1部「時のみぞ知る」が刊行されたのは2013年(平成25年)でした 今回その完結篇として第7部「永遠に残るは」が刊行されたわけですが,この間 4年以上の歳月が流れたことになります この4年間,読み終わるたびに次回作を心待ちにしていた一読者としては感慨深いものがあります

筆者は次作として短編集を書き上げているとのことですが,刊行が楽しみです

コメント
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