人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ジョナサン・ノット+東京交響楽団でモーツアルト「ドン・ジョバン二」(演奏会形式)を聴く~粒ぞろいの歌手陣,軽快なテンポのオケ,シンプルで冴えた演出 / 会場アテンダントは何のために居る?

2017年12月11日 08時11分00秒 | 日記

11日(月).わが家に来てから今日で1167日目を迎え,北朝鮮から来て北海道松前沖の松前小島に着岸した木造船の乗組員が発電機を盗んだとして,北海道警が9日 乗組員の男3人を窃盗容疑で逮捕した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                 彼らは犯罪者だが そういう行動をせざるを得ない国の実情を考慮すべきじゃね?              

 

                     

 

昨日,ミューザ川崎シンフォニーホールでモーツアルト「ドン・ジョヴァンニ」(演奏会形式)を聴きました 出演は,ドン・ジョバンニ=マーク・ストーン(ミヒャエル・ナジの代演),ドンナ・アンナ=ローラ・エイキン,ドンナ・エルヴィーラ=ミヒャエラ・ゼ―リンガー(エンジェル・ブルーの代演),レポレッロ=シェンヤン,騎士長=リアン・リ,ドン・オッタ―ヴォ=アンドリュー・ステープルズ,マゼット=クレシミル・ストラジャナッツ,ツェルリーナ=カロリーナ・ウルリヒ,指揮とハンマーフリューゲル=ジョナサン・ノット,管弦楽=東京交響楽団,合唱=新国立劇場合唱団です

 

     

 

自席は2CB6列16番,センター左ブロック中央です.P席にもお客さんを入れた会場はほぼ満席.よく入りました コンマスのグレヴ・二キティンほかオケのメンバーが配置に着きます.オケは左奥にコントラバス,前に左から第1ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,第2ヴァイオリンという対向配置をとり,中央にハンマーフリューゲルが設置されています 管楽器,ティンパニを含めて総勢34人の少数精鋭ですが,よく見るとトランペットとホルンは古楽器(ナチュラル~)を使用するようです

ステージ中央手前には赤いクロスがけられたテーブルが設置され,上に白いシーツが置かれています ジョナサン・ノットが登場しハンマーフリューゲルに向かい,両手で指揮をとり「序曲」の演奏に入ります モーツアルトがお酒を飲みながら一晩で書き上げたと言われるデモーニッシュな序曲です.たった34人の演奏とは思えない迫力に満ちた音楽が会場を満たします


     


ドン・ジョバンニを歌ったマーク・ストーンはイギリス・ロンドン出身のバリトンですが,「急病のため」来日出来なくなったミヒャエル・ナジの代演を務めました ベルリン・ドイツ・オペラなどで「ドン・ジョバン二」のタイトルロールを歌っているとのことで,堂に入った女たらしの演技力と堂々たる歌唱力で聴衆を魅了しました

ドンナ・アンナを歌ったローラ・エイキンは,最初は声量不足かと思いましたが,すぐに本領を発揮し輝くソプラノを聴かせてくれました

ドンナ・エルヴィーラを歌ったミヒャエラ・ゼ―リンガーはオーストリア出身のメゾ・ソプラノですが,「急病のため」来日できなくなったエンジェル・ブルーの代演を務めました 2005~2010年にウィーン国立歌劇場の専属歌手を務めていた実力者で,最初にステージに出て来て歌った時から絶好調でした

最初から絶好調ということではレポレッロを歌った中国出身のバス・バリトン,シェンヤンもそうでした メトロポリタン歌劇場で「ドン・ジョバンニ」「魔笛」「チェネレントラ」などに出演しているとのことですが,かなりレポレッロを歌い込んでいる感じを受けます

中国出身ということでは騎士長を歌ったリアン・リは新国立劇場でも歌ったことのある歌手で,騎士長に相応しい深みのあるバスを披露しました

今回の公演で最も印象に残ったのはドン・オッタ―ヴォを歌ったイギリス出身のアンドリュー・ステープルズです モーツアルト,ヘンデル,ブリテンを得意としているだけあって,輝くテノールと言っても良い抜群の歌唱力です

マゼットを歌ったクロアチア出身のクレシミル・ストラジャナッツは演技力もあるバス・バリトン,ツェルリーナを歌ったチリ出身のカロリーナ・ウルリヒは美しいソプラノでした

ノット指揮東京交響楽団による演奏は,場面転換がない利点を生かしたテンポ感の良い軽快な演奏で,拍手によって舞台進行が遮られる場面が極力少ない,集中力に満ちた演奏でした

演出面では,レポレッロの「カタログの歌」にスマホを使ったり,終盤のドン・ジョバンニの地獄落ちのシーンではピストルを使用したりと工夫が見られましたが,一番良かったのは,フィナーレのシーンです ドンナ・アンナ,ドン・オッタ―ヴォらが重唱を歌う中,死んだはずのドン・ジョバンニがおもむろに起き上がり,彼らの周りをぐるっと回り(彼らには死者が見えない),最後にドンナ・エルヴィーラに投げキッスをすると,ドンナ・エルヴィーラが頬に手を当てて「何があったんだろう?」と不思議な顔をして幕を閉じるという演出です 短期間であれドン・ジョバンニが妻と認めたのはドンナ・エルヴィーラだけだったことを考えると深い意図が感じられます

何度も繰り返される熱烈なカーテンコールに表れていたように,2人の代演を含めて今回の公演は大成功裏に終了したと言うべきでしょう

 

                       

 

ところで,自席の前の席の男(アラフォーくらい)がオペラが始まるや否や,身体を前に傾けてそのままの姿勢でいたため,舞台が良く見えませんでした 歌手は右へ左へと動きながら歌うので,見える時と見えない時があります.その男は一度もちゃんとした姿勢で座ることがありませんでした どの会場にもいますよね,こういう自己チュー人間が 本人だけが 他人に迷惑をかけているという自覚がないので,始末が悪いのです 2階席の上の方で,せいぜい20センチぐらい身体を前に傾けたくらいで どれほど舞台がよく見えるようになるのか,非常に疑問です 休憩時間に 直接本人に注意しようかと思いましたが,富岡八幡宮の殺傷事件のこともあるし,男が包丁や日本刀を懐に忍ばせているかも知れないので,近くのアテンダントの女性に席番号を知らせて注意を促してもらうよう頼みました

こういう場合,アテンダントはどうするかというと,直接本人に注意することはありません.本人を中心とする広い範囲に注意を呼びかけるのです これには,当該の人物に恥をかかせないという配慮とともに,客同士のトラブルに巻き込まれたくないという計算が働いていると思われます その時もアテンダントから「呼びかけは広い範囲になりますが・・・」と言われたので「承知の上です」と答えておきました 休憩時間が終わり第2幕に入る前に,アテンダントが遠くの方で何やら話していましたが,声が小さい上に「間もなく第2幕が始まります.早めにご着席ください」としか言っておらず,当方が言って欲しかった「背もたれに背をつけて聴くなど ご配慮ください」という言葉は聞けませんでした その結果,オペラが終わるまで男の前傾姿勢は変わらず,当方は不愉快なまま観ることを強いられました アテンダントは何のためにいるのか ミューザのように座席配置が複雑で分かりにくい会場では 席まで案内するのは大事な仕事ですが,決してそれだけではありません 客同士のトラブルを事前に防ぐのも彼らの重要な仕事のはずです 

今回の自席は,いつもの通路側ではなく奥の方の席なので,アテンダントの声が届かないということもあるかも知れませんが,それ以前に,こちらの要望にまったく応えていませんでした 前傾姿勢が許されるのは冬季オリンピックのスキー・ジャンプぐらいではないか 今回,ミューザの場合は何もしてくれないことが分かったので,次回からこういうケースに遭遇した時は,日本刀のリスクを覚悟の上で自分で注意するしかないと思っています 不愉快な気持ちのまま最後まで聴いていて気分が良いわけがないですから

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アンジェラ・ヒューイット「ゴルトベルク変奏曲」のチケットを取る / METライブビューイング「魔笛」の座席指定を取る / 「ありがとう,トニ・エルドマン」を観る~早稲田松竹

2017年12月10日 08時03分56秒 | 日記

10日(日).わが家に来てから今日で1166日目を迎え,米国のトランプ大統領が中東のエルサレムをイスラエルの「首都」と宣言したことを受け,国連安全保障理事会が8日 緊急会合を開いたが,米国に歩調を合わせることの多い英仏など欧州の理事国も「一方的だ」などと批判に回り,米国の孤立ぶりが浮き彫りになった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      トランプ大統領にとっては国内問題なのだろう 中東問題というより高等問題だ

 

                     

 

来年5月24日(木)午後7時から紀尾井ホールで開かれるアンジェラ・ヒューイット「バッハ オデッセイ6~ゴルトベルク変奏曲」のチケットを取りました

 

     

     

 

また,新宿ピカデリーでMETライブビューイング,モーツアルト「魔笛」の座席指定を取りました 14日(木)午前10時からの部です.いつも通り,左ブロック後方の席を押さえました

ところで,この公演(今年10月14日収録)は 80年代に少年への性的虐待が疑われたMET名誉音楽監督のジェイムズ・レヴァインが指揮をとりましたが,収録日が当該問題が浮上する前だったので,そのまま放映するのでしょう(12月5日の当ブログ参照) しかし,来年1月27日に収録予定のプッチーニ「トスカ」と 4月14日収録予定のヴェルディ「ルイザ・ミラー」は 誰か代わりの指揮者が振ることになるのは確実だと思われます

 

     

 

                     

 

昨日,早稲田松竹で「ありがとう,トニ・エルドマン」を観ました この映画は,マーレン・アデ監督・製作・脚本による2016年ドイツ・オーストリア合作映画(162分)です

 

     

 

悪ふざけが大好きな父・ヴィンフリート(ペーター・ジモニシェック)と 外国でコンサルタントとして働く真面目な娘・イネス(ザンドラ・ヒュラー)の二人は性格が正反対で 関係はあまりうまくいっていない 長年飼っていた愛犬が死んだことから孤独な立場に追いやられたヴィンフリートは,仕事に追われるイネスを心配するあまり,カツラを被り入れ歯で変装してトニ・エルドマンという別人に成りすまして彼女の職場,レストラン,パーティー会場へと出没する 神出鬼没のうえ仕事の邪魔にもなるエルドマンにイネスは鬱陶しさを感じ イライラする しかし,衝突すればするほど お互いを認め合うようになり二人の仲は縮まっていく


     


ある時はドイツ大使に,ある時はコンサルティングと人生のコーチになるエルドマンは,ダサいスーツを着て変なカツラを被り,変な入れ歯をして現れ,だれにでも親しく話しかけます イネスの自宅でのバースディー・パーティーには毛むくじゃらの聖霊「クケリ」のぬいぐるみに入って現れます 最初は正体が分からなかったイネスは彼の跡をつけて父だと見破ります

自らのバースディー・パーティーを準備するイネスが,超タイトなドレスを懸命に着ようとして上手くいかず,ついに諦めて裸でゲストを迎えるシーンには思わず大笑いしてしまいました

とにかく可笑しい映画です.何回笑ったか分からないくらいです それでいて大笑いできない映画です 仕事中心の娘のことが心配でならない高齢の父親の気持ちが,ユーモアとペーソスにくるまれて表現されています

ドイツ大使に扮したエルドマンとその秘書にさせられたイネスが,パーティーで知り合っただけの婦人の家庭に押しかけて,エルドマンのピアノ伴奏でイネスがホイットニー・ヒューストンの大ヒット曲「GREATEST  LOVE  OF  ALL」を歌います

「自分自身を愛せるようになろう それがなによりも素晴らしい愛 あなたが夢みていた場所が寂しい場所になってしまったら 愛があなたを力づけてくれる

イネスの熱唱は,彼女自身への応援歌のようでした

イネスに「人生の意味は何か?」と問われたエルドマン(ヴィンフリート)は,

「義務に追われているうちに,人生は終わっちまう

と答えます.これは女性のマーレン・アデ監督の「限りある人生,そんなに急いでどこへ行く? もう少し心に余裕を持って生きてみたら」というメッセージだと受け止めました 久しぶりに良い映画を観ました

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デュトワ+ティボーデ+N響でサン・サーンス「ピアノ協奏曲第5番」,ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」他を聴く~N響第1874回定期演奏会 / 日経「回顧2017 音楽」を読んで

2017年12月09日 07時53分46秒 | 日記

9日(土).わが家に来てから今日で1165日目を迎え,トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定した問題について,ティラーソン国務長官が7日,「エルサレムの地位を決定付けるものではなく,急いで実施するわけではない」と主張したというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      トランプ氏は国民の目をロシア疑惑から逸らすために危険な賭けに出てないか?

 

                     

 

昨日,夕食に「鶏手羽と大根と卵の煮物」と「生野菜サラダ」を作りました 本当は手羽元が欲しかったのですが 売り切れていたので手羽先にしました 大勢に影響はありません

 

     

 

                     

 

昨日の日経朝刊 文化欄に「回顧2017  音楽」が載りました 超訳すると

「今年2月から大改修に入ったサントリーホールが9月にリニューアルオープンし,ベルリン・フィル,ボストン交響楽団,ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団などの楽団の来日が相次ぎ,同ホールの影響力の大きさを改めて示した 日本のオケでは読売日響の躍進が目立った 新国立劇場でワーグナー「神々の黄昏」,日生劇場でドボルザーク「ルサルカ」,サントリーホールなどでメシアン「アッシジの聖フランチェスコ」(演奏会形式)と10月から11月にかけて3つのオペラを立て続けに成功させた 3年前からワーグナー「ニーベルングの指環」4部作を毎春1作品ずつ演奏会形式で上演してきたNHK交響楽団は,今春の公演で同企画を見事に完結させた 海外オペラでは9月に来日したバイエルン国立歌劇場が注目された.音楽監督で19年からベルリン・フィルの首席指揮者に就任するキリル・ぺトレンコは今回が初来日だったが,緻密な音楽づくりで強い印象を残した

記事の通り,今年は特にサントリーホールの影響力が大きかったと思います また,確かに今年はワーグナーの年だったように思います 私も記事で触れている公演はすべて観ています ただ,海外のオケやオペラの公演は料金が高すぎてここ数年は敬遠してるのが実情です

 

                     

 

昨夕,NHKホールでN響第1874回定期演奏会(Cプロ)を聴きました NHKホール前の通路は例年通りイルミネーションがお出迎えです 歩行者は傘をさして写メしていました

 

     

 

さて,プログラムは①ストラヴィンスキー「幻想的スケルツォ」,②サン・サーンス「ピアノ協奏曲第5番ヘ長調”エジプト風”」,③ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」全曲(1910年版)です 演奏は②のピアノ独奏=ジャン・イヴ・ティボーデ,指揮=シャルル・デュトワです

実を言うと 今期の年間プログラムの中で,サン・サーンスの「ピアノ協奏曲第5番」が最も聴きたかった公演だったので,以前から楽しみにしていたのです

オケのメンバーが配置に着きます.左から第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,ヴィオラ,チェロ,その後ろにコントラバスという編成で,左サイドにはハープが3台スタンバイしています コンマスは伊藤亮太郎です

1曲目はストラヴィンスキー「幻想的スケルツォ」です この曲はメーテルリンクの「蜜蜂の生活」(1901年)から作曲の着想を得たと言われています 3部構成で,第1部は蜜蜂の巣の中の生活行動を,第2部は女王蜂の飛翔と 選ばれた一匹の雄蜂との愛の戦いと死を,第3部は働き蜂たちの平穏な活動をそれぞれ描いています

そうした解説を読んでからデュトワの指揮で聴くと,なるほど蜂が飛ぶシーンなどが頭に浮かびます  聴いていて一番感じたのは,演奏がノーブルで洗練されているということです

ピアノがセンターに運ばれ,リモコン・テレビカメラがピアニストの指を映す位置に設置されます  カメラは1階席,2階席の左右にもスタンバイしています.いずれNHKで放映するのでしょう

フランス人の父とドイツ人の母との間に 1961年 フランスのリヨンで生まれたジャン・イヴ・ティボーデが登場,ピアノに向かいます  待ちに待ったサン・サーンスのピアノ協奏曲第5番です

この曲は,サン・サーンス(1835-1921)が芸術活動50周年を迎えた1896年に,デビューと同じサル・プレイエルで開かれた50周年記念演奏会で初演されました  エジプトのルクソール滞在中に仕上げられ,第2楽章にエジプト風のエキゾチックなメロディーが出てくたため「エジプト風」という副題で呼ばれています  第1楽章「アレグロ・アニマート」,第2楽章「アンダンテ」,第3楽章「モルト・アレグロ」の3楽章から成ります

初めて生演奏で聴いたサン・サーンスは素晴らしいの一言です   何よりティボーデのピアノが最高です  驚いたのは第2楽章で,ピアノが高音部を弾くところで グラスハーモニカ(グラスの淵を指でなぞって音を出す)のような音が聴こえてきたことです バックを務めるデュトワは「音の魔術師」だということは疑いがありませんが,ティボーデこそピアニストの音の魔術師だと思いました

満場の拍手とブラボーにティボーデはモンポウの「子どもの情景」から「庭の乙女たち」を洒脱に演奏し,再び拍手を浴びました

 

     

 

プログラム後半はストラヴィンスキーのバレエ音楽「火の鳥」(1910年全曲版)です この曲は1909~10年に作曲されました.バレエ・リュス(ロシアバレエ団)の主宰者セルゲイ・ディアギレフの依頼により作曲されたこの曲は,序奏と2場から成ります 主な登場人物はロシア民話でお馴染みのイワン王子,黄金の翼をもつ火の鳥,魔王カッチェイ,カッチェイに囚われた13人の王女たちです

あらすじは

「王子イワンは 火の鳥を追っているうちに夜になり,カッチェイの魔法の庭に迷い込む 黄金のリンゴの木のそばに火の鳥がいるのを見つけた王子は捉まえる 火の鳥が懇願するので開放するが,そのとき王子は火の鳥の魔法の羽を手に入れる 次に王子は13人の乙女に会い,その一人と恋に落ちるが,彼女はカッチェイの魔法によって囚われの身となっていた王女だった 夜が明けるとともにカッチェイが戻ってきて,イワンはカッチェイの手下に捕らえられ,魔法で石に変えられようとする 絶体絶命の王子が魔法の羽を振ると,火の鳥が現れて,カッチェイの命が卵の中にあることを王子に告げる.王子が卵を破壊したためカッチェイは滅び,石にされた人々は元に戻り,王子と王女は結ばれる

というものです

今回演奏された全曲版は「序奏と2場から成る」とは言え,第1場が22曲(「カッチェイの魔法の庭園」から「深い闇」まで)から成るのに対し,第2場は1曲(「カッチェイの城と魔法が消え,石にされた騎士たちが蘇る.フィナーレ」)のみです いつも1919年 組曲版(約20分)でしか聴いたことがない耳にとって,約47分の全曲版はものすごく長く感じます  それでも,音の魔術師デュトワの指揮で聴く全曲版は色彩感に溢れ,弛緩するところがありません  この曲で一番有名な第1場第18曲の「ッチェイたち一味による魔の踊り」から第2場「フィナーレ」までの音楽は,カタルシスとでも言うべき開放的な音楽です

初共演から30年にわたる年月で培った信頼関係のもと,デュトワはタクト1本でN響の潜在能力のすべてを引き出しました

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東京春祭「N響メンバーによる室内楽」,「東博でバッハ(島田真千子)」のチケットを取る / 「LION ライオン 25年目のただいま」,「マンチェスター・バイ・ザ・シー」を観る~ギンレイホール

2017年12月08日 08時04分21秒 | 日記

8日(金).わが家に来てから今日で1164日目を迎え,昭和天皇が戦後 側近に語った内容を記録した回想録とされる文書が6日,米ニューヨークで開かれた競売で,美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長によって27万5千ドル(約3千万円)で落札された というニュースを見て架空記者会見を語るモコタロです

 

     

     記者:院長,本当にその額で落札したんですか? 高須:イエス 高須クリニック

 

                     

 

昨日の夕食はすき焼きにしました  わが家の場合は「すき焼き」というよりは「すき煮」と言った方が相応しいと思います   具材は,牛肉,シイタケ,シメジ,白菜,玉ねぎ,しらたき,ネギ,焼き豆腐です お酒はやっぱり日本酒の熱燗ですね

 

     

 

                     

 

昨日「東京・春・音楽祭2018」のチケットを2枚取りました  1枚目は4月4日(水)午後7時から東京国立博物館 平成館ラウンジで開かれる「東博でバッハVol.40」です  プログラムはJ.S.バッハの「ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 第1番~第6番」で,演奏はヴァイオリン=島田真千子,チェンバロ=北谷直樹です

2枚目は4月10日(火)午後7時から国立科学博物館 日本館講堂で開かれる「N響メンバーによる室内楽~ブラームス弦楽四重奏曲 全曲演奏会Ⅲ」です プログラムは①ブラームス「弦楽四重奏曲第2番」,②シューマン「弦楽四重奏曲第3番」,③ブラームス「弦楽五重奏曲第2番」です 演奏はヴァイオリン=山口裕之,宇根京子,ヴィオラ=飛澤浩人,川崎和憲,チェロ=藤村俊介です

 

     

 

                     

昨日,神楽坂のギンレイホールで「LION  ライオン 25年目のただいま」と「マンチェスター・バイ・ザ・シー」の2本立てを観ました

「LION  ライオン 25年目のただいま」はガース・デイビス監督による2016年オーストラリア映画(119分)です

1986年,インドのスラム街で暮らす5歳の少年サル―は,兄と仕事を探しに出かけた先で,停車中の電車で眠り込んでしまい,家から遠く離れた大都市カルカッタまで来てしまう そのまま迷子になったサルーは,やがて養子に出されオーストラリアで成長する 25年後,友人の一人から Googl Earth なら地球上のどこへでも行くことが出来ると教えられたサルーは,おぼろげな記憶と Googl Earth を頼りに,本当の母や兄が暮らす故郷を探し始める そして駅のそばの給水塔などの記憶を掘り起こし,遂に幼い日を過ごした故郷を突き止める


     


この映画は実話に基づく物語だからこそ,25年後に本当の母親に再開した時のシーンが感動的です   25年間育ててくれた里親を傷つけまいと内緒で本当の母親を探そうとするサルーの葛藤が良く描かれています 本人の記憶力もさることながら,もしこの時代に Googl Earth がなかったら実の母親との再会は不可能だったでしょう なぜこの映画のタイトルが LION なのか,それは最後の最後に明らかになります


                     


「マンチェスター・バイ・ザ・シー」はケネス・ロナーガン監督による2016年アメリカ映画(137分)です

アメリカのボストン郊外で便利屋として生計を立てるリーは,兄ジョーの訃報を受けて故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーに戻る 遺言でジョーの16歳の息子パトリックの後見人を任されたリーだったが,故郷に留まることはリーにとって忘れられない過去の悲劇と向き合うことでもあった リーは故郷で ちょっとした不注意から子供たちを死なせた過去を引きずって生きていた


     

 

この映画では,甥の面倒を見ながら過去の悲劇と向き合って生きていく孤独な男リーの姿をケイシー・アフレックが見事に演じています

リーが過去の不幸な事件を回想するシーンでは,「アルビノーニのアダージョ」が流れます これほど重く暗い音楽はないでしょう 曲名を見る限り あたかもヴェネツィアの作曲家アルビノーニ(1671-1751)が作曲したように思いがちですが,実はアルビノーニの研究者レモ・ジャゾット(1910-1998)が1958年に作曲・出版した弦楽合奏とオルガンのための楽曲です

このほか,オペラのアリアのような曲も流れますが,残念ながら分かりませんでした 音楽はともかくとしてとても良い映画でした


     

 

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西加奈子著「サラバ!」(上・中・下)を読む~文学を信じる心と書く強い決意を感じさせる自叙伝的な小説

2017年12月07日 08時33分51秒 | 日記

7日(木).一昨日「K氏を励ます会」に紅一点で参加されたMさんから,昨夕お電話をいただきました Mさんは私が入社した時の国際部の先輩で,仕事を教えていただいた方です.toraブログにアクセスし,ブログを読んでいただいたとのことで,ありがたい感想をいただきました Mさんとの思い出は,入社3年目の4月のある日,新聞関係の国際会議をはじめ様々なプロジェクトを少人数でこなさなければならない状況の中,地下鉄 霞が関駅から職場に向かって歩いている時,後ろからMさんに「Sさん,大丈夫? 今にも倒れそうじゃないの?」と声をかけられたことです 当時 国際部員は毎日 深夜に至る残業態勢にあり ゴールデンウイークもすべて出勤していたので,私の場合で月155時間の残業自己新記録を達成していました.ほとんど電通並みでした 何しろ給料よりも残業手当の方が多かったのですから自分でも驚きました Mさんも私も若さで乗り切ったとしか言いようがありません そういう過酷な状況の中,Mさんと同じ職場で働き ともに山場を乗り切ることが出来たのは幸せでした.しかし,これは今だから言えることです お互いに「いつかまたお会いする機会があるでしょう,その時を楽しみにしています」という言葉で電話を切りました.お電話嬉しかったです

ということで,わが家に来てから今日で1163日目を迎え,国際オリンピック委員会が5日 理事会を開き,国家ぐるみのドーピング問題を抱えるロシア・オリンピック委員会を資格停止とし,来年2月の韓国・平昌冬季五輪への選手団派遣を禁じることを決めた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

        今後ドーピングをやったら韓国行きじゃなくて監獄行きになっちゃう 恐ロシア!

 

                     

 

昨日,夕食に「クリームシチュー」と「生野菜とサーモンのサラダ」を作りました 前日の夕食が鶏肉だったので,昨夕は初めて豚肉のシチューにしました  10人前作ったはずが,一晩で無くなりました

 

     

 

                     

 

西加奈子著「サラバ!(上・中・下)」(小学館文庫)を読み終わりました 西加奈子は1977年イラン・テヘラン生まれの大阪育ち.2004年に「あおい」でデビュー,この「サラバ!」で直木賞を受賞しています

 

     

 

この作品は,主人公の圷 歩(あくつ あゆむ)が37歳になるまでの人生を描いた自叙伝の形を取っています  歩は1977年にイランの首都テヘラン生まれという設定なので,同年生まれの西加奈子自身と言っても良いでしょう 歩の家族は,背が高く優しい父・憲太郎,自己の欲望に忠実に生きる奔放な母・奈緒子,変わった行動を繰り返し周囲を混乱に巻き込み,後に「ご神木」とアダ名をつけられる姉の貴子の4人です この4人の家族が微妙に絡み合いながら物語が進んでいきます

歩は小学1年生の時に父の海外赴任に伴いエジプトのカイロに移住しますが,そこでエジプシャンの少年ヤコブと出会います 歩はアラビア語を話せませんが,なぜかヤコブとはコミュニケーションを取ることができます 二人はアラビア語の「さようなら」を意味する「マッサラ―マ」に,日本語の「サラバ」を組み合わせて「マッサラ―バ」という言葉を作り出し,単純に「サラバ」と言うようになります 二人の間で「サラバ」は「さようなら」「明日も会おう」「元気でな」「約束だぞ」「グッドラック」「ゴッドブレスユー」「俺たちは一つだ」と様々な意味を孕んだ言葉になります

父親の仕事の都合で二人は別れることになり,年月を経て再会することになりますが,再会のシーンは感動的です

家族以外で魅力的な人物に「矢田のおばちゃん」がいます 大阪のアパートの大家で,背中に弁天様が彫られています.矢田のおばちゃんの家にはいつしか人々が集まり,紙に書かれた「サトラコヲモンサマ」を拝み,お金を置いていくようになります 一種の新興宗教ですが,おばちゃんにはそういう意識はありません あとで「サトラコヲモンサマ」の意味を知った時,読者はのけぞることになります

 

     

 

この小説の最後は,37歳になった歩(つまり著者)の読者へのメッセージが書かれています

「これを読んでいるあなたには,この物語の中で,あなたの信じるものを見つけて欲しいと思っている ここに書かれている出来事のいくつかは嘘だし,もしかしたらすべてが嘘かもしれない 登場する人物の幾人かは創作だし,すべての人が存在しないのかもしれない.僕には姉などいなくって,僕の両親は離婚しておらず,そもそも僕は,男でないかもしれない あなたは,あなたの信じるものを見つけてほしい.そしてこの物語に,信じるものを見つけることが出来なかったのであれば,他の物語を読んで欲しい.この世界には,数えきれないほどの素晴らしい物語が存在している 何を信じるかは,いつだって,あなたに委ねられているのだ.恥ずかしいが,姉の言葉をここで引用したい.『あなたが信じるものを,誰かに決めさせてはいけないわ』」

この言葉の中に,西加奈子の文学を信じる心と,これからも小説を書いていく決意が込められていると思います

全3巻で合計934ページ,半端ない読みごたえのある作品でしたが,読む手が止まらない面白さでした お薦めします

 

     

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「プラハのモーツアルト 誘惑のマスカレード」を観る~「フィガロの結婚」,「ドン・ジョバンニ」をはじめモーツアルトの曲がふんだんに流れる / 東響「ドン・ジョバンニ」出演者変更

2017年12月06日 08時04分48秒 | 日記

6日(水).昨夕,内幸町の某所で,元の職場の入社時の直属の上司K氏を「励ます会」があり 出席しました ロンドン在住のK氏が奥さまを亡くされたことから,同氏の帰国中のタイミングをとらえてOBのU氏が所縁の人たちに声をかけ,K氏を含め11人が集まりました 会場階でエレベーターを降りたところで,当ブログの読者ゆえさんとばったりお会いしました 一段と綺麗になった彼女は2夜連続の忘年会とかで,お酒が飲めないのに仕事柄付き合わなければならないのでお気の毒でした 「またいずれ食事でも」ということでお別れし,会合に出席しました

「励ます会」ではK氏夫妻の写真をテーブルに置いて歓談しました K氏は米国駐在代表や欧州駐在代表を長く務められたほか,「改革の総務部長」として先頭に立って仕事の見直しに当たられた人です 各自がK氏との思い出を語ることになり,トップバッターに指名された私は,ン十年前に就職した時に直属の上司であるK氏から文章の書き方を徹底的に仕込まれ,それが後に労組の書記長として労働組合の「組合ニュース」を書く時,ひいては現在ブログを書くときの基礎になっていることを話しました 現在85歳のK氏ですが,まだまだお元気なので,またいつか再会したいと思います

ということで,わが家に来てから1162日目を迎え,国連のフェルトマン事務次長が5~8日の日程で北朝鮮を訪問すると発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                なぜもっと早く国連が動き始めなかったんだろうか? 世界七不思議の一つだな!

 

                     

 

昨日,夕食に「鶏もも肉のほったらかし焼き」と「生野菜サラダ」を作りました 「鶏~」は,塩を振って弱火で焼き 塩コショウを振るだけの超簡単料理ですが,ジューシーに焼くコツは途中でひっくり返したくなるのを我慢することです

 

     

 

                     

 

12月10日(日)にミューザ川崎シンフォニーホールで開かれるモーツアルト「ドン・ジョバンニ」(ジョナサン・ノット+東京交響楽団)の出演者の一部が変更になりました 何とドン・ジョバンニ役とドンナ・エルヴィーラ役の二人が『急病のため来日を断念せざるを得なくなった』とのことです ドン・ジョバンン二はミヒャエル・ナジ  ⇒  マーク・ストーンへ,ドンナ・エルヴィーラはエンジェル・ブルー  ⇒  ミヒャエラ・ゼ―リンガーヘ,それぞれ変更になりました

個人的には変更前も変更後も知らない人たちなので ほとんど影響ありませんが,それにつけても日本って海外からナメラれていませんか

 

                     

 

昨日はモーツアルト(1756年1月27日-1791年12月5日)の226年目の命日でした この日を選んで,新宿武蔵野館でジョン・スティーブンソン監督「プラハのモーツアルト  誘惑のマスカレード」(2016年,チェコ・イギリス合作映画,103分)を観ました この映画はモーツアルト生誕260年を記念して作られた作品ですが,モーツアルトがプラハでオペラ「ドン・ジョバンニ」を初演したという史実から着想を得て,プラハの上流階級を舞台に繰り広げられる モーツアルトと新人歌手とオペラのパトロンの三角関係の行方を描いています

 

     

 

1878年,プラハの上流階級ではモーツアルトのオペラ「フィガロの結婚」の話題で持ちきりになっていた 現地の名士たちから新作の依頼を受けたモーツアルトはウィーンを離れ喜んでプラハを訪れ,友人ヨゼファ夫人の邸宅に逗留し「フィガロの結婚」のリハーサルと新作オペラ「ドン・ジョバンニ」の作曲に勤しむことになった やがて,彼は「フィガロの結婚」のケルビーノ役に抜擢された若手オペラ歌手スザンナ(!)と出会い,彼女の美貌と歌の才能に魅せられる 一方,スザンナもモーツアルトが妻帯者と知りながら,その天才ぶりに魅了されるようになる しかし,オペラのパトロンであり猟食家という噂のサロカ男爵もスザンナを狙っていた スザンナは両親から資産家のサロカ男爵と結婚するよう説得されるが,彼を嫌うスザンナは両親が不在の時モーツアルトを自宅に招き入れる 二人の関係を疑うサロカ男爵は嫉妬にかられスザンナを問い詰め,興奮のあまり彼女の首に手をかける

 

     

 

ストーリーはサロカ男爵をド・ジョバンニに見立てて作り上げたフィクションですが,オペラ「ドン・ジョバンニ」の序曲をお酒を飲みながら たった一晩で書き上げたエピソードなどの史実も盛り込まれており,興味深いものがあります 映画では全編にわたり「フィガロの結婚」「ドン・ジョバン二」を中心にモーツアルトの音楽が演奏され,歌われています 演奏はプラハ市立フィルハーモニー管弦楽団です 冒頭のシーンでは「フィガロの結婚」第2幕冒頭の伯爵夫人のカヴァティーナ「愛の神様,私の苦しみとため息に」がソプラノで歌われます 仮面舞踏会の場面では,モーツアルトの曲に混じって,ボッケリーニの弦楽五重奏曲の有名なメロディーも流れていました あやうく騙されるところでした

一番感動したのはエンドロールで流れたモーツアルトの「ヴェスペレ(証聖者のための晩歌)K.339」の第5曲「ラウダーテ・ドミヌム(主を褒めたたえよ)」です この曲は「ラ・ラ・ランド」を押さえて第89回アカデミー賞作品賞を受賞した「ムーン・ライト」でも使われていましたが,純粋で天国的な曲です

個人的な感想を言えば,実際のモーツアルトはこの映画で演じたアナイリン・バーナードほどのイケメンではなかったと思われます(もっともモーツアルトに会ったことはありませんが).しかし,この映画のストーリーでは”適切な人材配置”でしょう ちなみに私が最もモーツアルトらしい肖像画だと勝手に思っているのは,1978年に刊行された高橋英郎氏による「モーツアルトとともに一年を」の表紙に掲載された下の肖像画です

 

     

 

映画の出来としては,ミロス・フォアマン監督「アマデウス」の足元にも及ばない作品ですが,モーツアルトの音楽が好きな人にはたまらない映画だと思います

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読響アンサンブルでブラームス「ピアノ三重奏曲第2番」,同「弦楽六重奏曲第2番」,同「スケルツォ」を聴く~遠藤真理.小森谷巧,柳瀬省太,須関裕子の熱演

2017年12月05日 08時09分50秒 | 日記

5日(火).わが家に来てから今日で1161日目を迎え,米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場が3日夜,1980年代に当時10代だった男性ら3人への性的虐待の疑いが浮上した指揮者のジェームズ・レバイン氏(74)について「調べが終わるまで関係を停止する」と発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       METの歌手陣から絶大な信頼を得ていたのに ブラボーがベラボーになってしまう

 

                     

 

昨日,夕食に「豚バラとゴボウの柚子胡椒煮」と「生野菜とタコのサラダ」を作りました 「豚バラ~」のゴボウはいつも通りピーラーで薄く剥きました

 

     

 

                     

 

昨夕,よみうり大手町ホールで読響アンサンブル・シリーズ第16回「小森谷巧率いる精鋭の豊潤なブラームス」を聴きました プログラムはブラームスの①スケルツォ、②ピアノ三重奏曲第2番ハ長調,③弦楽六重奏曲第2番ト長調です 出演はコンマス・小森谷巧,ヴァイオリン=小杉芳之,ヴィオラ=柳瀬省太(ソロ・ヴィオラ),森口恭子,チェロ=遠藤真理(ソロ・チェロ),渡部玄一,ピアノ=須関裕子です

開演に先立って恒例のプレトークがあり,読売新聞の鈴木美調さんのインタビューに,緊張でガチガチの小森谷氏が「この日のプログラムはブラームスの,最初が2重奏,2曲目が三重奏,3曲目が六重奏という風に楽器が増える組み立てになっているが,三重奏曲と六重奏曲は普段あまり演奏される機会のない第2番を選んでいる.第1番に劣らず素晴らしい曲なので楽しんで欲しい」と説明しました

さて本番です.1曲目の「スケルツォ」はブラームス(1833-1897)が20歳の時に作曲しましたが,シューマンの発案による合作のヴァイオリン・ソナタ「F.A.E.ソナタ」の第3楽章「スケルツォ:ハ短調・アレグロ」として書いたのもです 第1楽章はシューマンの弟子アルベルト・ディートリヒが,第2,第4楽章がシューマンが作曲しています 「F.A.E.」は3人の共通の友人でヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒムのモットーである「自由だが孤独に」(ドイツ語)の頭文字を取ったものです

小森谷巧と 淡いオレンジ色の衣装に身を包まれた須関裕子が登場し演奏に入ります 曲想としてはベートーヴェンの運命のテーマに似た激しい音楽です 5分程の短い曲ですが,ブラームスの魅力が凝縮されたような作品です 感心したのはピアノの須関裕子が緊張気味の小森谷巧の演奏を引き立て,しかもしっかり自らを主張していたことです ピアニストによっては自己主張が激しい人もいますが,この人は見た目通りの演奏をする人です

2曲目は「ピアノ三重奏曲第2番ハ長調」です この曲は1880~82年の夏を中心に作曲されましたが,ブラームス自身が気に入っていた作品だと言われています 第1楽章「アレグロ」,第2楽章「アンダンテ・コン・モート」,第3楽章「スケルツォ:プレスト」,第4楽章「アレグロ・ジョコーソ」の4楽章から成ります

小森谷巧,須関裕子,シルバー(?)の衣装の遠藤真理の3人が登場,配置に着きます プレトークで明かされた話によると,遠藤真理はこの曲を弾くのは初めてだそうですが,初めてにしては終始 歌心に満ちた演奏を展開していました この曲でもピアノの須関裕子が二人の弦楽奏者をしっかりサポートしながら適度に自己を主張していました 私は,「ピアノ三重奏曲第1番」がブラームスの作品の中で最も好きな作品ですが,この「第2番」もなかなか良い曲だと あらためて思いました


     


プログラム後半は「弦楽六重奏曲第2番ト長調」です この曲はブラームスが34歳の時の作品ですが,アガーテ・フォン・ジーボルトという女性との婚約とその後の解消という若き日の苦い体験が,この曲に込められていると言われています 第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」,第2楽章「スケルツォ」,第3楽章「ポコ・アダージョ」,第4楽章「ポコ・アレグロ」の4楽章から成ります

6人が登場し配置に着きます.左から小森谷,小杉,渡部,遠藤,森口,柳瀬という並びです この曲で一番印象に残ったのは遠藤真理のチェロです この人のチェロは良く歌います それから柳瀬省太のヴィオラが素晴らしい

6人はアンコールに「弦楽六重奏曲第1番」から第2楽章「アンダンテ・マ・モデラート」を演奏しました 柳瀬省太のヴィオラから入り,小森谷巧のヴァイオリンに受け継がれますが,哀愁に満ちた演奏でした この曲はルイ・マル監督映画「恋人たち」で使われ話題を呼びました 私は観ていませんが,絵になる音楽ですね

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「トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーン」のチケットを取る / 伊坂幸太郎+阿部和重「キャプテン サンダーボルト(上・下)」,ジェフリー・アーチャー「永遠に残るは(上・下)」他を買う

2017年12月04日 07時45分37秒 | 日記

4日(月).昨日はお呼ばれで昼間から焼酎を飲んでいたので夜中までヘロヘロでした 本当に昼間のお酒は効きますね

ということで,わが家に来てから今日で1160日目を迎え,トランプ米政権を揺るがすロシア疑惑をめぐり,昨年の大統領選から政権発足までの内情を知るフリン前大統領補佐官が1日,マラー特別検察官の捜査に全面協力することを明らかにした というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      モリカケ問題がいつまでも決着しない日本にもマラー特別検察官がほしいものだ

 

                     

 

来年4月2日(月)午後7時から東京オペラシティコンサートホールで開かれる「トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーン」のチケットを取りました この公演は毎年楽しみにしているコンサートです 東京公演は3月29日(サントリーホール)もあるのですが,すでに別のコンサートの予定が入っているので(本当はサントリーホールの方が良いのですが)涙を呑んで諦めました

 

     

 

当日のプログラムは①モーツアルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲,②同「フィガロの結婚」より「愛の神よ,安らぎをお与えください」「楽しい思い出はどこへ」,③同:歌劇「ドン・ジョバンニ」より「あの恩知らずは私を裏切り」,④同「交響曲第41番”ジュピター”K.551」,⑤J.シュトラウスⅡ世:喜歌劇「くるまば草」序曲,⑥同:喜歌劇「こうもり」より「公爵様,あなたのようなお方は」,⑦ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・マズルカ「女心」,⑧J.シュトラウス:喜歌劇「こうもり」よりチャルダッシュ「ふるさとの調べよ」,⑨同:喜歌劇「メリー・ウィドウ」より「ヴィリアの歌」,⑩ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・シュネル「憂いもなく」です ソプラノ独唱は安藤赴美子,コンマスはウィーン・フィルのコンマス,フォルクハルト・シュトイデです

 

     

 

                     

 

本を6冊買いました 最初の2冊は伊坂幸太郎+阿部和重 共著「キャプテン  サンダーボルト(上・下)」(文春文庫)です

 

     

     

 

3~4冊目はジェフリー・アーチャー著「永遠に残るは(上・下)」(新潮文庫)です これは待望の「クリフトン年代記 第7部」で,このシリーズの完結篇です

 

     

     

 

5冊目は中山七里著「ハーメルンの誘拐魔」(角川文庫)です

 

     

 

6冊目は同じく中山七里著「アポロンの嘲笑」(集英社文庫)です

 

     

 

いずれも,いま読みかけの西加奈子著「サラバ!(上・中・下)を読み終わり次第,当ブログで順次ご紹介していきます

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ノット+東響でベートーヴェン「交響曲第3番”英雄”」,シューマン「4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック」他を聴く~東響第656回定期 / 「国内オケ 複数で指揮」~日経の記事から

2017年12月03日 08時11分15秒 | 日記

3日(日).昨日,久しぶりに埼玉県S市の菩提寺に墓参りに行ってきました  帰りに実家に寄りましが,猫のミラ(体重7キロのミラクル・デブ)が出迎えてくれました

 

     

 

ということでわが家に来てから今日で1159日目を迎え,「ザ・フォーク・クルセダーズ」のメンバーだった,はしだのりひこ(本名:端田宣彦)さんが2日未明,死去した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

           悲しくてやりきれない 「帰ってきた酔っぱらい」より

 

                     

 

昨日の日経朝刊 文化欄に「国内オケ  複数で指揮 演奏の幅広げ客獲得」という文化部 I 記者の記事が載りました リード記事を紹介すると

「日本のプロオーケストラにおける指揮者のポストが多様化している.一人の人物が長年楽団を率いるスタイルではなく,複数の音楽家が目配りする体制を敷く傾向が強くなってきた 新たな客層の獲得に向けて楽団が表現活動の幅を広げようとしていることが背景にありそうだ

I 記者はその一例として山田和樹氏が2018年4月から読売日響の首席客員指揮者に就任することを紹介しています 読響は常任指揮者のシルヴァン・カンブルランに加え,今年4月から首席客員指揮者にコルネリウス・マイスターが就任しており,来年から山田氏が加わることになるわけです.山田は現在モンテカルロ・フィル芸術監督,日本フィル正指揮者を務めているので増々多忙を極めることになります また,地方のオケの例として,京都市交響楽団が3人の”常任”指揮者を置いていることを紹介しています 常任指揮者が広上淳一氏,常任首席客員指揮者が下野竜也氏と高関健氏の二人で「三頭体制」を取っています 

個人的には,ますますどのオケを聴いても同じようにしか思えない”無個性化”が進むのではないかと危惧しますが,これも時代の要請でしょうか

 

                                           

 

昨夕,サントリーホールで東京交響楽団の第656回定期演奏会を聴きました プログラムは①リゲティ「ハンブルク協奏曲~ホルンと室内アンサンブルのための」,②シューマン「4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック」,③ベートーヴェン「交響曲第3番変ホ長調”英雄”」です ①のホルン独奏はクリストフ・エス,②のホルンはジャーマン・ホルンサウンド(クリストフ・エス,シュテファン・ショットシュテット,ゼバスチャン・ショル,ティモ・シュタイニンガ-),指揮はジョナサン・ノットです

 

     

 

1曲目はリゲティ「ハンブルク協奏曲~ホルンと室内アンサンブルのための」です ステージに上がる楽員の編成が独特です 弦楽器は各セクション1人ずつの5人,管楽器は8人に加えナチュラル・ホルン4人(日本人奏者)とホルン・ソロのクリストフ・エス,打楽器2人の総勢20人の小編成です エスはナチュラル・ホルンとヴァルブ・ホルンを用意し,楽曲によって吹き分けるようです リゲティ(1923-2006)の「ハンブルク協奏曲」は1998年から翌99年にかけて作曲されました.全体は7つの楽章から成りますが,切れ目なく演奏されます 曲はナチュラル・ホルンの静かなメロディーから始まりますが,その後は聴いていてわけが分からなくなりました どうも20世紀の音楽は苦手です ハンブルク協奏曲よりもハンバーガー盛り合わせの方が惹かれます

序盤で,打楽器の強打により静寂が打ち破られる箇所があり,隣席のおじさんがビクッと反応していました.あなた,寝てましたね

ところでプログラムに書かれた日本人ホルン奏者4人の中に藤田麻理絵という名前がありましたが,新日本フィルの藤田さんでしょうか? ひょっとして,勝俣泰,金子展樹の二人も外部オケからのレンタルでしょうか

2曲目はシューマン「4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック」です 「コンツェルトシュテュック」は「小協奏曲」と訳されています この曲を書くに当たってシューマンが参考にしたのはバロック時代に採用されていた「コンチェルト・グロッソ(合奏協奏曲)」という形式だといいます 独奏楽器とオケとの協奏曲ではなく,独奏楽器群とオケとによる協奏曲のスタイルです.この曲は第1楽章「活き活きと」,第2楽章「ロマンツェ」,第3楽章「大変活き活きと」の3楽章から成ります

オケがいつものノット・シフトをとります.左奥にコントラバス,前に左から第1ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,第2ヴァイオリンという対向配置です コンマスは水谷晃です.ジャーマン・ホルンサウンドの4人が登場し 第1ヴァイオリンの手前にスタンバイします 中央から左へクリストフ・エス,ゼバスチャン・ショル,シュテファン・ショットシュテット,ティモ・シュタイニンガ-という並びです

ノットのタクトで第1楽章が開始されますが,冒頭からシューマンの指示通り「活き活きと」した音楽で,ホルンの明るい音色が会場を華やかな雰囲気で満たします 第2楽章は一転,沈んだ雰囲気の音楽になますが,第3楽章に入ると再び華やかな音楽が展開し,”ジャーマン・ブラス”の実力が発揮されました ジャーマン・ホルンサウンドの4人は,アンコールにホルンの特性が良く生かされた ゆったりした作品を演奏しましたが,曲名が分かりません 休憩時間にロビーの掲示を見てのけぞりました そこには「ブルックナー  4本のホルンのための『3つのコラール』より『アンダンテ』」と書かれていました 長い間コンサートを聴いてきましたが,アンコールにブルックナーが演奏されたのはこれが初めてです


     


プログラム後半はベートーヴェン「交響曲第3番変ホ長調”英雄”」です この曲はいろいろな意味でクラシック音楽史上,少なくとも交響曲史上,革命的な音楽だと言われています ハイドンやモーツアルトの音楽から脱し,演奏規模が拡大し,第2楽章に「葬送行進曲」を持ってきて,第3楽章はメヌエットの代わりに「スケルツォ」を採用する・・・これだけ取ってみても従来の常識を破っています よく知られているように,この作品はナポレオンを想定して書かれましたが,彼がフランス皇帝という権力者に成り上がったことに失望し,出版に際して「英雄的交響曲 ある偉大な英雄の思い出に捧げる」と記したと言われています

この曲は,第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」,第2楽章「葬送行進曲:アダージョ・アッサイ」,第3楽章「スケルツォ:アレグロ・ヴィヴァーチェ」,第4楽章「フィナーレ:アレグロ・モルト」の4楽章から成ります

ノットのタクトで第1楽章が2つの力強い和音で開始されます 何事も最初が肝心 ノットの良い所は冒頭の演奏で聴衆の心を掴んでしまうところです その後は,速めのテンポでオケをグングン引っ張っていきます 時にティンパニの強打が心地よく響きます 第2楽章ではオーボエの荒絵理子,フルートの相澤政宏の演奏が冴えわたっていました 第3楽章では,一番の聴かせどころ,ホルンによる三重奏が素晴らしいアンサンブルを奏でました 第4楽章では躍動感あふれる熱演が繰り広げられ,聴衆を興奮の坩堝に巻き込みました

この日の演奏を聴いて あらためて思ったのは,ジョナサン・ノットはベートーヴェンやブラームス等,クラシックの王道的な作品が圧倒的に良いな,ということです

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「カラヤン録音大全集」(生誕110年記念:356枚組!)発売へ~ ぴあクラシックの記事から / 知念実希人著「螺旋の手術室」を読む~どんでん返しが魅力だが・・・最後に螺旋の意味が分かる

2017年12月02日 08時03分41秒 | 日記

2日(土).わが家に来てから今日で1158日目を迎え,米ホワイトハウスのサンダース報道官が30日の記者会見で,トランプ政権がティラーソン国務長官の更迭を調整しているという米メディアの報道について,「トランプ大統領と国務長官は引き続き,一緒に働いている」と否定した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                  報道官は「一緒に働いている  別の方向を向いて」と正確にコメントすべきじゃね?

 

                     

 

昨日,夕食に「筑前煮」「生野菜と生ハムのサラダ」「鮭の西京焼き」「豚汁」を作りました 意外かも知れませんが「筑前煮」は初挑戦です 子供たちが小さい頃,和食はだし汁,醤油,酒,砂糖,味醂さえ適当に混ぜれば何でもできると勝手に思い込んで,レシピを見ないで「筑前煮」を作って子供たちに食べさせたところ,娘が「パパの料理は名前がないよね」とボソッと言い,返答に困ったことがあります まさにその通りだったからです 今回初めてレシピを見て作りましたが,自分で言うのも何ですがすごく美味しく出来ました

 

     

 

                     

 

無料情報誌「ぴあクラシック」第45号が「帝王カラヤン,生誕110年」をフィーチャーしていました 1908年,モーツアルトと同じザルツブルクに生まれたヘルベルト・フォン・カラヤンは,1955年から34年間の長期にわたって芸術監督を務めたベルリン・フィルとのコンビにより輝かしい一時代を築きあげ,1989年に死去しました 見開き2ページの記事は「カラヤン特集」というよりも,来年のカラヤン生誕110年を記念して,50年にわたって録音を続けた名門ドイツ・グラモフォンから,356枚組 の「カラヤン録音大全集」がリリースされるという「PR記事」です

この大全集はカラヤンが50年にわたってドイツ・グラモフォン&デッカに遺した全録音を収録した356枚組(CD330枚,DVD24枚,ブルーレイ・オーディオ2枚)という内容になっています  シリアル番号入りの限定版で,140ページのブックレット(すべて日本語訳入り)が付属しているとのことです 12月8日(金)発売予定で,価格はオープン・プライスだそうですが,いったいどういう人が買うんだろうか

 

     

 

私のクラシック入門曲はモーツアルトの「フルート協奏曲第2番」であることは先日のブログで白状しましたが,学生時代にアルバイトをしてステレオを買い,一番最初に買ったLPは何故かカラヤン指揮ベルリン・フィルによるベートーヴェン「交響曲第5番+第9番」の2枚組レコード(1962年録音)でした なぜこういうことになったかと言うと,当時私は何を買ってよいかクラシックの知識が全くなかったからです 唯一名前を知っていたのがカラヤンという指揮者だったというわけです 当時はカラヤンの新しいLPが発売されるたびに,「レコード芸術」お抱えの評論家が こぞって「特選盤」のお墨付きを与えていたことを思い出します かく言う私も何枚か新録音盤を購入しましたが,国内盤は高いので ほとんどが輸入盤でした カラヤンについて書き出すとキリがないので この辺で止めておきます  あらためて書く機会があると思いますので,その時にまとめて書こうと思います

 

     

 

 

                     

 

知念実希人著「螺旋の手術室」(新潮文庫)を読み終わりました 知念実希人は1978年 沖縄県生まれ.東京慈恵会医科大学卒業.2004年から医師として勤務.2011年「レゾン・デートル」で島田荘司選賞を受賞しました このブログでも「仮面病棟」「時限病棟」「優しい死神の飼い方」などをご紹介してきました

 

     

 

純正会医科大学付属病院の教授選挙の候補だった冴木真也准教授が,手術中に不可解な死を遂げた 彼と教授の座を争っていた医師・馬淵公平も暴漢に襲われ殺害される.冴木の息子の裕也は同じ医師として真相の解明に乗り出す 一連の事件のさ中,興信所の増本という男が大学の動きを探っていたことを知る.裕也は増本に接触しようとするが,彼も何者かにより殺害されていた そこにはもう一人の教授選の候補者である帝都大腹部外科准教授・川奈淳の名前が浮かび上がってくる いったい誰が何のために起こした殺人事件なのか,予想もできない驚愕の真実が待ち受けていた

この事件解決のヒントは冴木真也のルーツにある(この本のタイトルがなぜ「螺旋の~」なのかが分かる)のですが,ストーリー的には若干無理があるのではないかと思います 知念実希人の小説はどんでん返しに次ぐどんでん返しが魅力ですが,無理やりこじつけた感じがします 次作に期待したいと思います

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