人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

下野竜也 ✕ 宮本益光 ✕ 石橋栄実 ✕ 日本フィルで ベートーヴェン:劇音楽「エグモント」(全曲)、ウェーバー「オベロン序曲」他を聴く ~ フェスタサマーミューザ

2021年08月08日 07時25分39秒 | 日記

8日(日)。わが家に来てから今日で2402日目を迎え、東南アジア諸国連合と日米中韓など27カ国・機関が参加するASEAN地域フォーラム閣僚会議が6日、オンライン形式で開かれ、中国の王毅国務委員兼外相は北朝鮮の非核化を巡り「現在の膠着状態を打開する効果的な道は、対北朝鮮制裁を緩和し、対話と交渉の再開に向けた前向きな雰囲気をつくることだ」と主張した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     その前に ハッカー攻撃によって ビットコインを略奪する行為を 止めさせるべきだ

 

         

 

昨日、ミューザ川崎シンフォニーホールで、フェスタサマーミューザ参加公演「日本フィルハーモニー交響楽団」のコンサートを聴きました プログラムは①ウェーバー:歌劇「オベロン」から序曲、②ヴォーン・ウィリアムズ:「グリーンスリーヴス」による幻想曲、③ニコライ:歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲、④ベートーヴェン:劇音楽「エグモント」(全曲)です 出演は④のソプラノ独唱=石橋栄実(クレールヒェン)、語り=宮本益光(エグモント)、指揮=下野竜也です

 

     

 

午後3時開演に先立って開かれたプレトークで、下野氏は「私は鹿児島出身ですが、鹿児島にはオーケストラがありません 今から40年も前の中学生の時、毎年2月になると日本フィルの九州公演があって、小林研一郎さんの指揮するチャイコフスキー等を聴いて感激したものです 前の方の座席で聴いていましたが、ある日、チェロ奏者に手を振ったらその人が手を振り返してくれました この時、日本フィルはいいオーケストラだなあと思いました 皆さん、これからも日本フィルをよろしくお願いします」とPRしていました また、「この日演奏する『エグモント』全曲は、昨年、広島交響楽団を振ったのをミューザの関係者が聴いて、面白そうだからということで今回、日本フィルのコンサートで取り上げることになったものです」と解説しました

さて本番です。会場は1階席を除くステージに近い2階席は空席が目立ちます。全体で5割程度の入りでしょうか

オケは12型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並び。コンマスは扇谷泰朋です

1曲目はウェーバー:歌劇「オベロン」から序曲です このオペラはカール・マリア・フォン・ウェーバー(1786‐1826)が1825年から翌26年にかけて作曲、1826年4月に作曲者の指揮によりロンドンのコヴェントガーデン劇場で初演されました

下野の指揮で「序曲」の演奏に入りますが、チェロが素晴らしい そして、オーボエとフルートが良く歌います 下野らしいメリハリの効いた爽快な演奏でした

2曲目はヴォーン・ウィリアムズ:「グリーンスリーヴス」による幻想曲です この曲はラルフ・ヴォーン・ウィリアムズ(1872‐1958)が1908年に作曲した歌劇「恋するサー・ジョン」の第4幕中の間奏曲を独立させた作品で、1934年にロンドンで初演されました なお、「グリーンスリーヴス」は緑の着物を着た浮気な女を歌った16世紀末のイングランド民謡です

演奏は弦楽合奏とハープとフルート2本ですが、3つの音色のアンサンブルが抒情的に美しく響きました

「グリーンスリーヴス」といえばン十年前のフルート教室の時のことを思い出します 1年間のレッスンの成果を「発表会」で披露することになりましたが、私が所属する男女各3人のクラスは「グリーンスリーヴス」を演奏することになりました 6人が2人ずつメロディー、第1伴奏、第2伴奏に分かれて演奏することになり、私はメロディーパートを吹くことになりました ところが、発表会当日になって私とともにメロディーを吹くはずの女性が風邪のため欠席してしまったのです この時ほど「人生、一瞬先は闇だ」と思ったことはありません 仕方ないので一人でメロディーを吹きましたが、心もとないこと限り無しでした それからン十年後、人間ドックの肺活量検査の結果、私の肺活量は人並み以下であることが判明しました その時初めて、よくもフルートなど習おうと思ったものだと、遅まきながら冷や汗が出ました

3曲目はニコライ:歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」から序曲です このオペラはウィーン・フィルの創設者でもあるオットー・ニコライ(1810‐1849)がシェイクスピアの戯曲に基づき1845年から48年にかけて作曲、1849年にベルリンで初演された作品です ヴェルディの歌劇「ファルスタッフ」も同じ題材によって作曲されています

下野の指揮により「序曲」の演奏に入ります 緩やかな序奏部から軽快な主部に移りますが、軽快で躍動感あふれる演奏が展開しました

 

     

 

プログラム後半はベートーヴェン:劇音楽「エグモント 作品84」(全曲)です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770‐1827)が1809年から翌10年にかけて作曲、1810年にウィーンのブルク劇場で初演されました 柴田克彦氏のプログラムノートによると、「エグモントは16世紀に実在したオランダ独立運動の指導者で、ゲーテは1788年に史実の悲劇に恋人等の脚色を交えて全5幕の戯曲を創作した。当劇のウィーン初演に当たり、宮廷劇場の支配人からの依頼で書かれたのが この劇音楽。物語の概要は『フランドル領主エグモント伯爵は、スペインの圧政に立ち向かうが、捕らえられて死刑を宣告される。恋人クレールヒェンは彼を救おうとするも、果たせずに服毒自殺してしまう。しかし、断頭台に向かうエグモントの前に幻影として現れ、彼を祝福する』というもの」です

次の通り序曲と9曲から成ります

序曲、①クレールヒェンの歌「太鼓を鳴らし」、②間奏曲第1番、③間奏曲第2番、④クレールフェンの歌「歓びに  哀しみに  あふれ」、⑤間奏曲第3番、⑥間奏曲第4番、⑦クレールフェンの死の音楽、⑧メロドラマ、⑨勝利のシンフォニー

オケの下手後方に語り手の宮本益光がスタンバイします

悲劇的な序曲の後、宮本の力強いナレーションが入ります その後、舞台上手からクレートヒェン役の石橋栄実が登場、舞台上手後方にスタンバイし、「太鼓を鳴らし」を力強く歌います ソプラノの石橋栄実は大阪音楽大学専攻科修了。新国立劇場「フィデリオ」のマルチェリーネをはじめ、内外の歌劇場で歌っています プロフィールによると、現在 大阪音楽大学教授、同付属音楽院院長を務めているとのことですが、とても若いと思われるので、相当の実力者なのでしょう

その後、間奏曲が2曲続き、再び石橋栄実が登場し、「歓びに  哀しみに  あふれ」を想いを込めて歌い上げます

その後、演奏と演奏の間にナレーションを挟みながら、最後の輝かしい「勝利のシンフォニー」を迎えますが、各楽曲におけるオーボエ独奏が良く歌っていて素晴らしかった  また、ホルンの安定感は特筆に値します

この日のコンサートは、滅多に聴くことができないベートーヴェンの劇音楽「エグモント」全曲を聴くことが出来て  とてもラッキーでした

 

     

     

コメント
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