人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

原田慶太楼 ✕ カルテット・アマービレ ✕ 東京交響楽団でアダムズ「アブソルート・ジェスト」、吉松隆「交響曲第2番”地球(テラ)にて”」他を聴く ~ フェスタサマーミューザ・フィナーレ

2021年08月10日 07時08分01秒 | 日記

10日(火)。わが家に来てから今日で2404日目を迎え、1月の米連邦議会議事堂事件で「重要な役割」を果たしたとしてカナダ政府にテロ組織に指定されている米極右団体「プラウドボーイズ」の最高幹部エンリケ・タリオ氏が朝日新聞のインタビューに応じ、トランプの「下がって待機せよ」という発言について、「とても興奮した。あの討論会の舞台上で、プラウドボーイズの名前は2回言及された。われわれは小さな団体の一つに過ぎない。だけど、その小さな団体が少しずつ社会を変え、ついにあの討論会でわれわれの名前が言及された」と答えた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     こういう単細胞がトランプを支えていたんだ  下がったまま出て来ないのが一番だ

 

         

 

昨日、夕食に「もやし巻き豚肉生姜焼き」と「生野菜と鶏むね肉のサラダ」を作りました 「もやし巻き〜」は本当はもやしのひげを取るのですが、面倒なのでそのまま巻きました

 

     

 

         

 

昨日、ミューザ川崎シンフォニーホールでフェスタサマーミューザ参加公演、「東京交響楽団フィナーレコンサート」を聴きました    プログラムは①ヴェルディ:歌劇「アイーダ」から凱旋行進曲とバレエ音楽、②かわさき=ドレイク・ミュージック  アンサンブル「かわさき組曲~アイーダによる」(世界初演)、③アダムズ「アブソルート・ジェスト」、④吉松隆「交響曲第2番”地球(テラ)にて”作品43」(1991/2002)です    演奏は③の弦楽四重奏=カルテット・アマービレ、管弦楽=東京交響楽団、指揮=東響正指揮者・原田慶太楼です

開演に先立って開かれた「プレトーク」で、原田氏は「この日のコンサートのテーマはセレブレーションです 2021年はヴェルディの没後120年、「アイーダ」の初演から150年目にあたります また、吉松隆作曲「地球(テラ)にて」完成から30年目に当たります」と解説していました 本人が語るようにプログラミングにはこだわりがあるようです ところで、どうでもいいことですが、今回のフェスタでは各公演のプレトークを聴いてきましたが、いずれも聴きとりにくく、話していることの半分も聴こえませんでした 耳が悪いうえに頭が悪いせいだと思っていましたが、原田氏のトークはほとんど聴きとることが出来ました 他の指揮者よりもゆっくり話しているわけでもなく、極端にマイクを近づけているわけでもないのですが、話す内容が理解できました どうも、これは彼の演奏に対する姿勢にも通じているように感じました。彼は決してモゴモゴ言いません いつも「明快に。分かり易く」です

 

     

     

会場は7割方埋まっているでしょうか。自席は2CA3列18番。この席で今年のサマーミューザのオーケストラ公演(全12回)を聴いてきましたが、今回で最後です

オケは左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置をとります。コンマスは水谷晃です

1曲目はヴェルディ:歌劇「アイーダ」から凱旋行進曲とバレエ音楽です このオペラはジュゼッペ・ヴェルディ(1813‐1901)が、スエズ運河開通を記念してエジプトのイスマーイール・パシャがカイロに建てた歌劇場のこけら落としのために作曲、1871年にカイロ劇場で初演されました

原田の指揮で演奏に入ります 冒頭のトランペットのファンファーレが気持ちよくホールに響き渡ります 荒木奏美のオーボエと濱崎麻里子のピッコロのデュオが冴えていました この曲を聴きながら、フランコ・ゼフィレッリ演出による豪華な演出による「アイーダ」公演を思い出しました

2曲目は、かわさき=ドレイク・ミュージック  アンサンブル作曲による「かわさき組曲~アイーダによる」(世界初演)です この曲は、障がいのある人を支援する英国の音楽団体ドレイク・ミュージックと川崎市、ブリティッシュ・カウンシル、東京交響楽団が協働するプロジェクトの集大成として演奏される作品です 日本の音楽家12名、川崎市内の3つの特別支援学校に通う27名と教員18名で作り上げた作品です 最初にステージ上の大きなスクリーンに組曲の完成までの様子が映像で紹介され、東響の演奏に移りました 第1曲「ふしぎなポケット」、第2曲「えがおになれるばんそう」、第3曲「みずいろのスマイル」、第4曲「きいろとりどり」の4曲から成ります 演奏に合わせて2階正面のパイプオルガンが青、緑、黄の照明でデコレーションされ、ファンタジックな音楽に華を添え、視覚と聴覚に訴える楽しい演奏でした

 

     

 

プログラム後半の1曲目はアダムズ「アブソルート・ジェスト」です この曲はジョン・アダムズ(1947~)がベートーヴェンの様々な作品を素材として用いて作曲した弦楽四重奏と管弦楽のための作品です 「ジェスト」は「ジョーク」「シャレ」と訳されますが、元々のラテン語には「インベンション(創意、発明)」という意味があるそうです

カルテット・アマービレは2015年に桐朋学園大学在籍中の篠原悠那(Vn)、笹沼樹(Vc)、中恵菜(Va)、北田千尋(Vn)の4人により結成され、2016年9月の第65回ARDミュンヘン国際音楽コンクール弦楽四重奏部門で第3位に入賞、併せて特別賞を受賞しています

アマービレの4人がオーケストラと指揮者の間に挟まれる形でスタンバイし、左から篠原悠那、笹沼樹、中恵菜、北田千尋の順に並びます 4人はオケに対抗するため弦にピンマイクを着けて演奏しPAで増幅します

原田の指揮で演奏に入ります。最初に聴こえてきたのは、「第九」の第3楽章「スケルツォ」の断片です しばらくすると、後期の弦楽四重奏曲の断片が聴こえてきました 全体的にはミニマルミュージックのような曲想です 曲当てクイズのように耳を澄ませましたが、私には聴きとれないベートーヴェンの作品が多々あったに違いありません 聴く前は、弦楽四重奏とオーケストラの協奏ってどうなるんだろう? と思っていましたが、なかなか魅力的なアンサンブルで、とくに第1ヴァイオリンの篠原悠那を中心にアマービレの4人の演奏が素晴らしいと思いました

アマービレは本曲の中にも登場したベートーヴェン最後の弦楽四重奏曲「第16番作品135」の第2楽章「ヴィヴァーチェ」をアンコールに演奏、大きな拍手を浴びました

最後の曲は吉松隆「交響曲第2番”地球(テラ)にて”」(改訂稿/4楽章版)です この曲は吉松隆(1953~)が1991年に作曲、その後2002年に改訂した交響曲です 原田氏はプログラムノートの中で、「この曲を選んだのは、新型コロナウイルスで多くの人が亡くなっている世界的状況があります 『地球(テラ)にて』はレクイエムです。東西南北に分かれていて、世界のさまざまな地域が描かれています。世界規模でのこの状況において、今こそこの曲を演奏する意義があると思います」と語っています

原田の指揮で第1楽章の演奏に入ります。作曲者の吉松氏のプログラムノートによると、第1楽章「挽歌・・東からの」は、1991年の湾岸戦争が勃発した頃、コーランの響きを聴きながら、地球の行く末を思いながら作曲した、とのことです 冒頭の低弦の暴力的な響きは戦争を暗示しています その後 チェロのソロが素晴らしい演奏を展開しました    客演奏者ですが、ひょっとして植木昭雄氏だろうか? また、フルートの3人(特にアルトフルート!)も素晴らしい     第2楽章「踏歌・・北からの」は、北の大地の向こうから聴こえてくるダンス・マカブル(死の舞踏)的スケルツォです    初演時はカットされていて、2002年に復活し、第2楽章としたとのことです。ほとんどミニマルミュージックのような曲想でした

第3楽章「鎮魂歌・・西からの」は、ヨーロッパ風の死者のためのミサ曲による典礼としてのレクイエムです 冒頭から弦楽アンサンブルが美しいメロディーを奏でます レクイエムに相応しい繊細な演奏でした 第4楽章「雅歌・・南からの」は、アフリカ風のリズムによる、賑やかな葬送としてのレクイエムです 冒頭からカリンバ(打楽器)のリズムに乗って演奏されるボレロ風の大地の賛歌です 東京オリンピック2020の開会式での大坂なおみ選手による聖火の点火式で流れたのがこの曲です その時私はこの曲を知りませんでした プレトークで原田氏から「先生のこの作品がオリンピックの開会式で使われるのをご存知だったんですか?」と訊かれた吉松氏は「もちろん、曲を使わせてほしいという依頼はあったが、具体的にどのシーンで使うかといったことは知らなかった 開会式は途中まで観ていたが、眠くなって寝てしまった 翌日、録画を観て初めて開会式の点火シーンで流れているのを知った」と答えていました。作曲家って呑気ですね 原田氏も、まさかこの曲がオリンピックで使われるとは思ってもみなかったそうです

演奏後、カーテンコールが繰り返されるなか、原田氏の呼びかけに2階席(自席の2つ前の席)に座っていた吉松氏が起立し、聴衆の拍手に応えていました

これをもって、今年も暑くて熱いフェスタサマーミューザも終了です 今年はオーケストラ12公演と「真夏のバッハ(パイプオルガン)」「洗足学園音楽大学(バレエ)」の計14公演を聴きましたが、新型コロナウイルスに関わる緊急事態宣言やまん延防止法の適用下にも関わらず、毎日のように川崎に通い詰めました コロナを克服した証として開かれるであろう来年のフェスタを楽しみにしたいと思います

 

     

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