人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「世界若手オペラ歌手 ガラコンサート」を聴く ~ ダグラス・ボストック ✕ 藝大フィルハーモニア ✕ 安藤赴美子、清水華澄、城宏憲、桝貴志、新国立劇場オペラ研修所第19期~21期研修生ほか

2018年09月17日 07時22分33秒 | 日記

17日(月・祝)。わが家に来てから今日で1446日目を迎え、5年前に全身がガンであることを公表しながらも多くの映画・ドラマで活躍してきた樹木希林(本名:内田啓子)さんが9月15日、都内の自宅で亡くなっていたことが分かった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     「寺内貫太郎一家」で きん婆さん(悠木千帆)が叫んだ ジュリー が忘れられない

 

         

 

昨日午後5時から、新国立劇場オペラハウスで「世界若手オペラ歌手ガラコンサート」を聴きました これは新国立劇場がオペラ研修所20周年を記念して開催するもので、同研修所の第19期生~第21期生をはじめ、賛助出演としてロンドン、ミラノ、ミュンヘンからもオペラ・アカデミーの研修生が参加しました。そのほか、研修所OBの安藤赴美子、清水華澄、城宏憲、桝貴志も出演しました

 

     

 

自席は1階5列13番、センターブロック左から2つ目です。会場は後方の席が空いていますが、研修所中心の公演にしては良く入っている方だと思います

ロビーに入ると「指揮者変更について」の掲示があり、当初予定していた飯守泰次郎氏が健康上の理由で降板し、代わりにスイスのアールガウ交響楽団の首席指揮者 ダグラス・ボストック氏が指揮を務める とありました

配布されたプログラム冊子を見て初めて演奏曲目とそれを歌う歌手名を知りました    プログラムは第1部(10曲)、休憩(20分)、第2部(8曲)となっています

プログラムは第1部が①ワーグナー「タンホイザー」より合唱「この聖なる殿堂には」、②ヴェルディ「シモン・ボッカネグラ」よりアリア「このほの暗い夜明けに」、③ドニゼッティ「ランメルモールのルチア」よりアリア「わが祖先の墓よ~やがてこの世に別れを告げよう」、④ラフマニノフ「アレコ」よりカヴァティーナ「みんな寝ている」、⑤⑥プッチーニ「ラ・ボエーム」より「冷たき手を」「私の名はミミ」、⑦チレーア「アドリア―ナ・ルクヴルール」よりアリア「苦しみの快楽」、⑧ベッリーニ「ノルマ」より二重唱「ご覧ください、ノルマ様」、⑨ドヴォルザーク「ルサルカ」よりアリア「月に寄せる歌」、⑩プッチーニ「トスカ」よりアリアと合唱「テ・デウム」です

第2部は⑪ヘンデル「リナルド」よりアリア「風よ、竜巻よ」、⑫ビゼー「カルメン」より五重唱「一仕事思い付いたんだ」、⑬グノー「ファウスト」よりアリア「清らかな住家」、⑭ロッシーニ「チェネレントラ」よりアリアと合唱「悲しみと涙に生まれ育ち」、⑮ヴェルディ「ドン・カルロ」より二重唱と合唱「友情の二重唱」、⑯ウェーバー「魔弾の射手」よりアリア「すぐに眠れたものなのに」、⑰モーツアルト「コジ・ファン・トゥッテ」より六重唱「厚かましい娘ね」、⑱ヴェルディ「ファルスタッフ」よりフィナーレ「世の中すべて冗談だ」です

ステージの手前側(客席側)は、まるでウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートのように赤と白を中心とする華やかな花でデコレーションされています 舞台は神殿のような雰囲気を持たせてあり、太い柱が左右に立っているシンプルな作りになっています

合唱がステージ奥にスタンバイし、オケのメンバーが配置に着きます 弦の並びは、ヴァイオリン・セクションが左右に分かれる対向配置をとります コンマスはエピス・クァルテットの第1ヴァイオリン奏者・須山暢大です。向かい側の第2ヴァイオリンのトップはエピス・クァルテットの第2ヴァイオリンを務める村津瑠紀です あと都響の村田恵子(ヴィオラ)と伊藤文嗣(東響)が揃えばエピス・クァルテットが勢ぞろいです

出演者が多いので、特に印象に残った歌と歌手に絞って書くことにします どうしても個人的に好きなオペラが印象に残ります プログラム前半では、まず最初に⑤プッチーニ「ラ・ボエーム」のロドルフォのアリア「冷たき手を」を歌った2015年上海音楽院出身のテノール、チャン・ロンが超高音部を楽々と歌い上げていました 次に⑧ベッリーニ「ノルマ」のノルマとアダルジーザの二重唱「ご覧ください、ノルマ様」を歌ったイタリア出身のサラ・ロッシーニと同アンナ・ドリス・カピテッリによる息の合ったデュオが素晴らしかった 次に⑨ドヴォルザーク「ルサルカ」のアリア「月に寄せる歌」を歌った安藤赴美子のコントロールの効いた美しい歌声が印象に残りました そして前半最後の⑩プッチーニ「トスカ」よりスカルピアのアリア「行け、トスカ」と合唱「テ・デウム」における桝貴志の底力のあるバリトンと迫力に満ちた合唱が感動的でした

プログラム後半では、⑮ヴェルディ「ドン・カルロ」よりドン・カルロとロドリーゴの「友情の二重唱」を歌った城宏憲と桝貴志の勇壮な歌声に圧倒されました そして⑰モーツアルト「コジ・ファン・トゥッテ」より六重唱「厚かましい娘ね」と最後の⑱ヴェルディ「ファルスタッフ」のフィナーレでは重唱に次ぐ重唱が楽しめました

 

     

 

歌手個人として印象に残ったのは、まず最初に④ラフマニノフ「アレコ」のカヴァティーナ「みんな寝ている」を歌ったイラン系イギリス人のマイケル・モフィディアンです 見た目はテノールかと思っていたら、飛んでも8分歩いて80分のバス・バリトンでした かなり深みのある声で、顎髭を蓄えており外見的にも特徴的なので、特に印象に残りました 次に⑥プッチーニ「ラ・ボエーム」のアリア「私の名はミミ」と⑯ウェーバー「魔弾の射手」のアガーテのアリア「すぐに眠れたものなのに」を歌ったイタリア出身のソプラノ、セレーネ・ザネッティは、恵まれた身体から楽々と出てくる力のある声によって会場を圧倒していました ⑤プッチーニ「ラ・ボエーム」のロドルフォのアリアのほかに⑬グノー「ファウスト」でファウストのアリア「清らかな住家」を歌ったチャン・ロンは高音が楽々と出るリリコ・テノールです

歌手陣を支えた藝大フィルハーモニア管弦楽団は2017年修了公演「コジ・ファン・トゥッテ」に次ぐ2度目の新国立劇場への登場でしたが、ダグラス・ボストックの軽快な指揮のもとしっかり歌手陣を支えていました

今回の公演を聴いて感じたのは、海外のオペラ・アカデミーの研修生はレベルが非常に高いということです 日本人歌手では、研修所OBの安藤赴美子、清水華澄、桝貴志、城宏憲らは安定感もあり実力を発揮していましたが、現役の研修生は出番が少なかったこともあり、今後の活躍に期待したいと思います

 

     

コメント
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