21日(金)。昨日 テレビの天気予報で、東京では9月に入って雨が降らなかった日が2日間しかなかった、と言っていました そのせいか、ここしばらくは涼しい日が続いています。そこで、もう「残暑厳しき折」は無いだろうと考えて、衣替えをしました といっても半袖シャツをしまい 長袖シャツを出しただけの話です ついでに 着なくなって久しいシャツも整理して10枚ほど「古着」として分別ごみに出しました。まさか さんざん着古した衣類をメルカリに出すような図々しい人はいませんよね
ということで、わが家に来てから今日で1450日目を迎え、今年3回目の南北首脳会談のため訪朝している韓国の文在寅大統領は20日朝、金正恩朝鮮労働党委員長と中国国境にある朝鮮民族の聖地・白頭山に登った というニュースを見て感想を述べるモコタロです
両国首脳の胸中は「共に白髪の生えるまで」ということかな 頭の中は真っ黒か?
昨日、夕食に「牛肉のしぐれ煮」と「生野菜とアボカドのサラダ」を作りました サラダを作るのは久しぶりです
昨夕、東京オペラシティ リサイタルホールで「ハンブルク トリオ メンデルスゾーン ピアノ三重奏曲全曲演奏会」を聴きました プログラムは①フェリックス・メンデルスゾーン「ピアノ三重奏曲第2番ハ短調作品66」、②ファニー・メンデルスゾーン「ピアノ三重奏曲ニ短調作品11」、③フェリックス・メンデルスゾーン「ピアノ三重奏曲第1番二短調作品49」です
私がハンブルク・トリオの演奏を聴くのは、2015年の「ブラームス ピアノ三重奏曲全曲演奏会」以来3年ぶりです 演奏はヴァイオリン=塩貝みつる(元ハンブルク国立フィル)、チェロ=ウルリッヒ・ホルン(フランクフルト放送響)、ピアノ=エバーハルト・ハーゼンフラッツ(ベルリン芸術大学)です チェロは当初 ヴィタウタス・ゾンデキス(NDRエルプフィル)の予定でしたが、急病のためホルンがチェロを弾くことになりました
全自由席です。センターブロック4列目の右通路側を押さえました。会場はほぼ満席です
開演に先立って、男性がステージに現われ歓迎のあいさつと曲目解説をしましたが、どこのだれかを名乗らないので、いったい誰が話しているのかわかりませんでした あとでプログラムを見たら「ご挨拶」として「前回と同様に、音楽評論家の奥田佳道氏がお話しくださいます」と書かれていました しかし、こう書かれているからと言って、聴衆を前にして挨拶をする限り 最初に名前くらいは名乗るのが常識でしょう 奥田氏と言えば、音楽評論家の中では分かり易い解説で定評のある人で、普段から私は好感を持っています しかし、今回の”省略”はいただけません
フーテンの寅さんのように「私、生まれも育ちも葛飾柴又です。帝釈天で産湯をつかい、姓は車、名は寅次郎、人呼んで風天の寅と発します。西へ行きましても、東へ行きましても、とかく土地土地のお兄いさんお姉えさんにご厄介かけがちなる若造でござんす。以後、見苦しき面体お見知りおかれまして、今日後万端引き立って宜しくお頼ん申します」とまで自己紹介する必要はありませんが、名前くらいは名乗るべきだと思います どうだい、労働者諸君
さて 1曲目はフェリックス・メンデルスゾーン(1809‐1847)の「ピアノ三重奏曲第2番ハ短調作品66」です この曲は1845年4月に完成、同年12月にライプツィヒで初演されました。第1楽章「アレグロ・エネルジコ・エ・コン・フォーコ」、第2楽章「アンダンテ・エスプレッシーヴォ」、第3楽章「スケルツォ:モルト・アレグロ・クアジ・プレスト」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・アパッショナート」の4楽章から成ります
3人の演奏で第1楽章に入りますが、冒頭からメンデルスゾーンの短調の魅力全開です ほの暗い情熱とでも言うべき曲想が聴衆の心を鷲づかみします この曲がブラームスに大きな影響を与えたということが実感できます 3人の演奏で特に印象に残ったのは第2楽章「アンダンテ・エスプレッシーヴォ」です 「エスプレッシーヴォ」とは「表情豊かに」という発想表示ですが、ヴァイオリンを中心に天国的な音楽を奏でます
次いでフェリックスの姉 ファニー・メンデルスゾーン(1805‐1847)の「ピアノ三重奏曲ニ短調作品11」の演奏に入ります この曲は、1846年から翌年にかけて作曲されました。第1楽章「アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アンダンテ・エスプレッシーヴォ」、第3楽章「リート:アレグレット」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・モデラート」の4楽章から成ります
弟のフェリックスの作品との大きな違いは第3楽章です フェリックスの作品は「スケルツォ」がきますが、ファニーは「リート」つまり「歌曲」がきます ファニーは歌曲やピアノ小品を数多く作曲していることからも納得できます 3人の演奏を聴いていて感じたのは、第2楽章がまさに「エスプレッシーヴォ」だったことと、第3楽章と第4楽章の音楽がシューベルトのようだったということです カギは「リート」にあると思いますが、これは弟のフェリックスの音楽では感じないことです。全体を通じて感じたのは、ファニーの作品はビューティフルだったということです
プログラム後半はフェリックス・メンデルスゾーン「ピアノ三重奏曲第1番二短調作品49」です この曲は1839年に完成し、ヴァイオリンをゲヴァントハウス管弦楽団のコンマスのダーヴィト、チェロを同管弦楽団のチェリストでシューマン夫妻とも友好関係にあったヴィットマン、ピアノをメンデルスゾーン自身が担当して、ライプツィヒ・ゲヴァントハウスホールで公開初演されました 第1楽章「モルト・アレグロ・アジタート」、第2楽章「アンダンテ・コン・モト・トランクィロ」、第3楽章「スケルツォ:レッジェッロ・エ・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・アッサイ・アパッショナート」の4楽章から成ります
この曲も第1楽章の冒頭から短調の魅力全開です 3人の演奏で特に良いと思ったのは、この曲でも第2楽章「アンダンテ~」でした。どうやらこのトリオは緩徐楽章を得意中の得意にしているようです 3人のアンサンブルは素晴らしく、夢みるような音楽が奏でられます 第3楽章はメンデルスゾーン得意のスケルツォで、森の中を妖精が飛び回っているような音楽です そして、第4楽章は「アパッショナート」の表示の通り情熱的な音楽が奏でられます
満場の拍手に3人はブラームスの「ピアノ三重奏曲第1番ロ長調作品8」の第3楽章「アダージョ」を抒情性豊かに演奏し聴衆のクールダウンを図りました