人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

大沢在昌著「ブラックチェンバー」を読む~620ページを超えるサスペンス

2014年02月13日 07時00分32秒 | 日記

13日(木)。昨夕はJ通信出版局のYさん、Kさん、当社X部長、若者T君と5人で地下のRで仕事の打ち合わせのため飲みました 2時間ほど飲んで、いきなりカラオケに行こうという話になり(多分X部長の陰謀による)、J社のお二人を拉致し、T君を除く4人で六本木のカラオケスナックAに行きました 私は、この店は本当にご無沙汰だったので、店のマスターから「今までどこで浮気してたんですか?」と嫌味を言われましたが、それにめげず3曲歌いました びっくりしたのはJ社のお二人です。Kさん(美人です!)は松坂慶子の「愛の水中花」を実に艶っぽく歌い、NHK「のど自慢大会」でお馴染みのザ・ピーナツの「恋のバカンス」などを、ほれぼれするするいい声で歌いました ロマンス・グレイのYさん(モテるだろうな、この人)は本当ならB面に入っているような隠れた名曲を、これも素晴らしい歌声で歌っていました この日は”採点なし”でしたが、もし採点したらお二人とも「K点越え」は確実だったでしょう X部長と私はいつものどーしようもない昭和歌謡を粛々と歌いました 次の客が来たので1時間ほどで退却しました。Yさん、Kさん、これに懲りず、またお付き合いください

 

  閑話休題  

 

11日付朝日朝刊文化欄に「偽りの『物語』感動生む『装置』に~佐村河内守氏問題への自戒」と題する同紙文化部・吉田純子記者の記事が載りました。超訳すると

「佐村河内守氏は、別人の曲を自作と偽っていた。熱狂の一翼を担った私たち記者もいま、足元を見つめ直さねばならないと思う2011年7月に本人にインタビューした際、彼から『守さん』と呼んでほしい、と頼まれ違和感を覚えた。相手が小学生でも『ちゃん』付けで呼ばない。そうして対等の立場に立つことで、周囲の人々に自身との『連帯』を意識させようとしたのではないか、と感じた 13年3月に放映されたNHKスペシャルは、とりわけ氏に強い光を当てた。『これだけの人が感動してくれているのに、専門家は僕のことを認めない』と不満げだった 増幅した偽りの『物語』は、現代の商業主義にのり、作品そのものへの評価を置き去りに、CD会社や興行主は都合の良い売り文句で大衆をあおり、メディアも格好の素材にした 佐村河内氏もそうした音楽市場の構図を知り抜き、自己宣伝を怠らなかった。彼が『障害』を印籠に偽りの連帯をつくり出そうとしていることに、祭りの渦中にある関係者たちは、誰も気づけなかった さまざまなメディアが熱いトーンで送り出した情報の数々は、人々の感動を生み出す『装置』になってしまった。佐村河内氏と私たちは多くの人々を傷つけた。あなたの『後悔』は本物なのか。子どもたちへの愛や被災地への思いは真実だったのか。もう答えの出ないであろうそれらの問いを、今後は自分の筆へと向け、自戒の礎としたい

週間文春2月13日号に載ったノンフィクション作家・神山典士氏の記事によると、18年間にわたり佐村河内守氏のゴーストライターをしてきた新垣隆氏(桐朋学園大学講師)は、『新潮45』(13年11月号)に載った音楽家・野口剛夫氏による論考「『全聾の天才作曲家』佐村河内守は本物か」を読んで、不安を持っていたということです 野口氏は「時にはバッハ風、時にはマーラー風の美しい響きの瞬間も随所にあるが、それらが刹那的な感動の域を超えることがない」と綴っていました

これを読んだ新垣氏は12月8日、佐村河内氏に宛てて「第3者による、ほぼ真相を突き止めてしまったものだ。いわばオセロゲームの四隅の一角を取られてしまった状態で今後の展望が可能か?」という内容のメールを送っています

私が思うのは、『新潮45』に野口氏の論考が載った昨年11月の時点で、他の報道関係者や音楽関係者が、野口氏に取材をするなり、佐村河内氏に突っ込んだインタビューをするなりできなかったのだろうか、ということです 『走っているものに、走っているものは、止まっているようにしか見えない』・・・・吉田記者の言う「祭りの渦中にある関係者たちは、誰も気づけなかった」というのは分からないでもないのですが・・・・

報道によると、渦中の佐村河内氏は12日未明、代理人の弁護士を通じて直筆の謝罪文を公表し「3年前くらい前から、耳元でしゃべってもらうと、言葉が聞き取れる時があるまでに回復していました。・・・・・本当に多くの人たちを裏切り、傷つけてしまったことを、心から深くおわびいたします」と謝罪しています 私は、被災地の子供たちを傷付けたことは罪が大きいと思います。近く公の場で謝罪するとのことですが、本当に人前に出て来られるのでしょうか

 

  閑話休題  

 

大沢在昌著「ブラックチェンバー」(角川文庫)を読み終わりました 大沢在昌は91年の「新宿鮫」で吉川英治文学賞と日本推理作家協会賞を受賞して一躍有名になりました その後も直木賞をはじめ数々の賞を受賞しています

警視庁の河合はロシアマフィアを内定している最中に何者かに拉致されるが、殺される寸前に『ブラックチェンバー』と名乗る謎の組織に救われる この組織は国際的な犯罪組織に大きな打撃を与える一方で、奪った金を資金源にして活動を広めている 拉致されたのではなく、スカウトされたことが判り、河合は組織に加わることとなる ロシアマフィアと日本の暴力団がからんだ大陰謀が企てられ、河合はその渦の真っただ中に身を置くことになる はたして、誰が悪で誰が善なのか、誰が味方で誰が敵なのか・・・・・・。こんな組織があったら大変なことになる、と思わざるを得ない620ページを超えるサスペンス小説です

 

 

          

 

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