明日に向けて

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明日に向けて(2061)九州南部で一時「大雨特別警報」「緊急安全確保」が発令も、毎年の発令はおかしい・・・災害対策の抜本的転換を求めよう!

2021年07月10日 21時00分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20210710 21:00)

九州・四国・本州全体で11日まで大雨の可能性が

梅雨前線の影響で、西日本から東日本全体にかけて雨が強まっています。とくに九州南部では「記録的大雨」のため、一時期、鹿児島県、宮崎県、熊本県に「大雨特別警報」や「緊急安全確保」が発令されました。
10日17:00の時点で、大雨特別警報はすべて警報に代わり、緊急安全確保も避難指示に代わりました。しかし土砂災害の危険性は高まるばかりです。まだまだ警戒が必要です。

大気は不安定で11日にかけて、西日本から北日本にかけても雷を伴う激しい雨、川の増水、土砂災害、低い地域の浸水などの可能性があります。
ここ数年の豪雨では、河川の堤防決壊による甚大な被害も多発しています。どうかそれぞれで十分に警戒されてください。


「数十年に一度の災害時に発令」のはずが毎年なのはおかしい


「緊急安全確保」とは?

ところで今回、「大雨特別警報」とともに出された「緊急安全確保」という言葉をご存じでしたでしょうか?これは本年5月20日に改訂された「災害対策基本法」に基づくもの。警戒レベル4「避難指示」を越えた警戒レベル5に相当するもの。
「災害の発生が切迫、または現に起こっているときに、命を守る最善の行動を求めるもの」です。避難はそれ以前のレベル4、「避難指示」の段階までに済ますようにとアナウンスされています。

はじめて発令されたのは7月3日神奈川県平塚市と熱海市において降雨が激しくなったときでした。熱海市では大きな土砂災害が起きた1時間後に発令されました。
災害対策基本法の改訂は、従来、使われてきた「避難勧告」を廃止して「避難指示」に一本化することともになされたもので、各地で災害に対し避難の遅れが多発している現状を克服しようとの意図が込められています。


緊急安全確保を説明する内閣府のポスター


警報の発令の仕方ではなく、災害対策を抜本的にあらためることが必要

しかしこうした改訂は大きな限界のもとにあります。例えば2013年からそれまでの「警報」「注意」に「特別警報」が加わり、「ただちに命を守る行動をとる」ことが呼び掛けられるようになりました。
その際、「特別警報」は「数十年に一度の、これまでに経験したことのないような、重大な危険が差し迫った異常な状況」 (気象庁HP)で発令されるとされましたが、ご存じのように九州などではほぼ毎年発令されています。

「数十年に一度」ではまったくない。にもかかわらず根本的な認識が改められていませんが、ここには重大な問題が横たわっているのです。災害対策のフォーマットが従来のものからほとんど変えられていないのです。
実際には気候変動などのため、雨の降り方が激変している。このため例えば従来の「計画降雨」=どの程度の水位まで川の堤防が耐えられるかを示すものが、次々と突破され、堤防決壊に至っているのに抜本的な対策がとられていないのです。


2019年の台風19号の際、各地で計画降雨が突破された 


原発のため災害の危機が過小評価されている

実は気候変動による雨の降り方の激変に対応していないだけではありません。地震もかつて予想された揺れを大きく越えるものが頻発しているのに対応していない。なぜか。まともに対応したら、全ての原発を廃炉にしなければならなくなるからです。
原発を次々と作ったころにはできなかった精度の高い揺れの観測ができるようになったら、「基準地震動」=どの規模の揺れまで原発が耐えられるかを示す数値が、実際に起きている地震の数値よりも一桁も少ないことが明らかになってしまった。

それだけではありません。川内原発などは、火山噴火で火砕流に襲われる可能性があるのですが、運転を認めさせるために、九州電力は「巨大噴火は10年ぐらい前に分かるので対処可能」と言い出し、原子力規制委員会が認めてしまいました。
実際には噴火を予知する確かな方法などなく、だからいつも備えなくてはならないのに、「10年前から分かる」=「いまは備えなくていい」という大嘘がまかり通ってしまった。これらが、災害への認識を変えることを大きく阻んでいるのです。


元福井地裁裁判長樋口さん宅と大飯原発の耐震性の違い


乱開発で危機が拡大されている

さらに今回、熱海市で起こった事態は、乱暴な開発優先のこの国のあり方が、あらたな危機を作りだしていることをも明確にしました。
人々の住宅を襲った山津波ともいえる土石流が、違法に積み上げられた盛り土を起点としていたからです。もはや雨の降り方が根本的に変わった日本列島の中では、盛り土を厳しく制限しなければならないのです。

そうなれば真っ先にやめるべきはリニア・北陸新幹線のためのトンネル掘削です。どちらも膨大な掘削土を作りだし、どこかに盛り土しなければならなくなるし、渇水や陥没など、他の被害もたくさん生み出します。
いやそれだけでなく、河川の「計画降雨」が各地で突破され、深刻な堤防決壊が起こっているのですから、国土計画をあらため、災害対策にこそ資源をつぎ込んでいく必要がある。大深度トンネル工事からの撤退は必須です。


熱海の土石流と盛り土の関係を報じる朝日新聞 20210710


いまそこにある危険と向き合いつつ災害対策の転換を

すでに日本列島を襲ってきている豪雨に対しては、とにかく早めの避難などで対応していくことが必要ですが、それだけを繰り返していてもダメです。
認識をあらため、災害対策を抜本的に変えることこそが必要です。

そのためには自衛隊を災害救助隊に変えることも必要。また災害対策の観点からも、地域の自治を抜本的に強化していかなくては。
けっきょくそれは国のあり方を大きく変えていくことにもつながります。このことも考えながら、災害に向き合っていきましょう!


東日本大震災の時に派遣された陸上自衛隊八戸駐屯地の部隊。迷彩服のため隠れてしまっている。これで災害救助をするのは不合理 八戸市HPより

#大雨特別警報 #緊急安全確保 #災害対策 #梅雨前線 #集中豪雨 #計画高水 #基準地震動 #盛り土規制 #リニア新幹線やめよ #北陸新幹線やめよ

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