明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(362)京都から福島を、この国の未来を、想う(12月24日同志社墓地へ)

2011年12月22日 23時30分00秒 | 明日に向けて(301)~(400)
守田です。(20111222 23:30)

明後日、24日はクリスマスイブです。この日にサクセスランニングの方が、
京都から福島を想う東山・大文字チャリティウォークを企画してください
ました。収益の一部を、僕が参加している福島除染活動や、宮城県での
放射線測定室立ち上げ、気仙沼はじめ被災地の取材等のためにカンパして
いただけることになっています。

なぜ東山にこの日に登るのか。その中の若王子山に同志社墓地があり、ま
わりにキリスト者の墓地が大きく広がっています。十字架の墓標がたくさ
んあり、クリスチャンの方たちがここに寄り添って、眠っていることがわ
かります。ここに明治の京都復興の立役者、山本覚馬が眠っています。彼
は元会津藩士。砲兵隊長として、御所に攻め寄せる長州軍を打ち破った経
歴を持つ人物です。

その後、明治維新で会津が蹂躙され、国を守るのは武力ではないと実感、
教育と法律に展望を託します。まず京都町衆と、日本で最初の小中学校を
創設。さらに近代日本で最も強固なフェミニストであった彼は、女子校を
作ると共に、売買春の禁止と祇園の芸子の解放をめざし、明治6年「娼妓
解放令」にこぎつけます。

しかし「女性による自由な売買」という抜け道ができたことに失望。法律
ではなく、人の心を磨くことこそ第一と考えて、キリスト教に接近。やが
てアメリカから帰って、キリスト教精神の学校を作ろうとしていた新島襄
と知り合い、「新島君、君と僕は同志だ!僕らのやしろ(社)を造ろう!」
と同志社創設に向かうのです。

教徒の旦那衆は、そんな山本を尊重し、明治10年に始まった普通選挙で
立候補をしていない山本に多くの人が投票。彼は京都府会議員に当選して
しまいます。覚馬は驚きつつも迎えに応じて、議会に参加。今度は議員の
自由投票において、京都府府議会の初代議長に選ばれてしまいます。
近代の京都は、初代議長にキリスト者を選んだのです。

山本は同時に京都の諸産業を育てました。京都の名だたる会社の多くが
山本の手で育てられています。これらの点から僕は、山本覚馬は、坂本
龍馬と同じような開明的な観点を持ちつつ、しかし海軍という暴力装置
の創設で終わってしまった龍馬を大きく越え、暴力を越え、教育に、
さらには女性の尊重に未来をみようとした人物として尊敬しています。


同志社墓地には覚馬の妹の八重も眠っています。覚馬から銃の扱い方を
教わり、薩長からなる官軍が、会津若松城を攻めた際は、戦死した砲兵
隊長にかわって、隊を指揮、迫り来る官軍との死闘を担いました。その
後、城が陥落。八重らは官軍に捕らわれますが、女性であることを理由
に放免され、母と共に兄のいる京都を目指します。

やがて京都で覚馬と合流。兄の教育にかける情熱に共感し、兄が立ち上
げた全国2番目の女子学校であり、その後、日本最古の高等女学校となっ
た、現、京都府立鴨沂高校に入学。兄の進めで英語を学びました。やが
て兄が新島襄と意気投合するや、同志社学校の建設に英語教員として
参加。さらに新島と恋に落ち、結婚します。

女傑であり、当時としては最も新しい思想をとしての男女平等間を見に
つけていた八重は、その後、同志社設立の一つの中軸となった「熊本
バンド」(熊本出身のクリスチャンたち)とそりがあわなかったといわ
れています。一つの理由が、新島襄が八重を「八重さん」と呼んだこと
に対し、八重が「襄」と呼び捨てにしていたことにあったとか。

そんな彼女の生涯が、再来年の大河ドラマの主題として設定されており、
八重役は、女優の綾瀬はるかさんが担うことが決まっています。脚本は
「げげげの女房」を担当した、山本むつみさんです。
http://career.oricon.co.jp/news/89123/full/


この大河ドラマは、会津出身のNHK幹部が、福島応援キャンペーンと
して打ち出したという噂ですが、しかしどこまで事実に迫れるのか、僕
な疑問を感じてもいて、可能な限り、来年、僕も取材を深めて原稿を
書いていこうと思っています。

とくに重要なのは、明治期の日本の方向性と、京都の位置です。明らか
に両者は違う方向に歩みつつあった。とくに明治20年までの京都は、日
本が本当に進むべき道を切り開きつつあり、それを牽引していたのが
山本覚馬であり、新島襄であり、多くのクリスチャンと一体となりなが
ら、焼け野原の京都を復興して言った町衆でした。

そうした名残は、御所の周りをゆっくり歩いてみるとよくわかる。なん
と最も純日本風の場所だと思われがちな京都のこの核心部には、キリス
ト教関連の建物がひしめいています。実は先日、矢ケ崎さんが京都で
講演された翌日も、ここを車でご案内したのですが、そこにこそ、明治
政府が打ち捨てた京都を、町衆とクリスチャンが復興していった証左な
のです。

しかしこうした解説は、どの京都案内をみてものっていません。いわん
や現、京都市制は、こうした京都の誇るべき歴史にまったく見向きもせ
ず、むしろ全国にさきがけて学校制度を作り出した京都の市民による教
育復興の伝統をないがしろにしています。このあり方こそが正されなけ
ればならない。

同時に福島原発もある意味で、明治以来の歪んだ方向性、一言で表せば
西洋の野蛮を取り入れてきてしまった歴史の流れを象徴する一つのモニュ
メントです。だからこそ、今、京都と会津、福島の由来を学ぶ中から、
明治以降、私たちの国が、どこで何を間違い、野蛮の中に入ってしまった
のか、その歴史を捉え返して、ではいま、どこに向かえばよいのかを
考えたいと思うのです。

そんな思いを込めながら、12月24日、クリスマスイブに若王子墓地=クリ
スチャン墓地にみなさんをお招きし、さらにそこから大文字山に登って
御所をはじめ、京都市内を一望したいと思います。
大文字山から遠く、会津を、福島を、東北を思い、痛みを背負った
人々と苦しみをシェアしていく来年の展望、そしてまたこの国の野蛮の
歴史と決別した新たな歩みの方向性について語り合いたいと思います。

以下、サクセスランニングからの最終の案内を貼り付けます。
今からでも申し込み可能です。(僕のアドレスへの申し込みもOKです)
よければぜひご参加ください。

*************************

◇12月24日 大文字山◇

クリスマスチャリティー福島を想うウォーク@大文字山
~会津藩士 山本覚馬を想いながら~

実は京都と福島は深いつながりがあります。会津藩士 山本覚馬
明治維新のころ、京都の発展に尽力された方です。新島襄さんと
同志社大学を設立、新島襄さんが妹さんの八重さんとと結婚され
て、再来年?のNHK大河ドラマで取り上げられると聞いています。

そんな山本覚馬に想いを馳せながら、山本覚馬が眠る同志社墓地を
訪ねて、大文字山を歩いて、最後は火床からの素敵な夕焼けを眺め
ます。
収益の全ては、福島での除染活動、情報収集&提供など、OHANAの
活動で一緒に東北に行った守田敏也さんの震災支援の活動に寄付
させて頂きます。

日時 : 12月24日(土)
集合 : 13:30 平安神宮
参加費 : 3,000円
詳細: http://www.success-running.com/news/2011/12/20111224.pdf

****

クリスマス大文字ウォークにお申込みの皆様

2日後に迫りました大文字ウォーク、いい感じに寒くなって参りました。
何点かご連絡になります。

①集合は13:30に平安神宮前になります。解散は銀閣寺付近になります。
解散場所と集合場所は異なりますのでご注意ください。
地図 : http://yahoo.jp/HnCukI
携帯用地図 :  http://yahoo.jp/HnCukI

②天気予報は「曇り」 最高気温8℃ 最低気温0℃ 降水確率40%です。
曇り空の中、寒めの中の開催となりそうです。
防寒対策は念入りに(カイロは重宝します)、
加えて雨具(100円ショップの雨合羽が便利です)の準備をお願い致します。

③火床で夕焼け、夜景を眺めてから下山の予定です。
暗くなりますので、懐中電灯があると便利です(こちらも100円ショップ
が便利です)

④万一の悪天候の場合は、途中でウォーキングを中止して引き返すことも
ありえます。
予めご了承ください。
それでは、24日のクリスマスイブにお会いできるのを心から楽しみにし
ています。

素敵なイブを一緒に過ごしましょう。

森拓哉


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明日に向けて(361)大間原発反対!「あさこはうす」を守るために、はがきを出そう!

2011年12月22日 09時00分00秒 | 明日に向けて(301)~(400)
守田です。(20111222 09:00)

僕は「山水人」という愉快な方たちの集まりのMLに参加していますが、そ
こに「大間のあさこはうすが大変なことになっています」というタイトルの
書き込みがありました。何かと読んでみると、建設中の青森・大間原発の、
原子炉予定地300メートルのところの畑を耕し続けて抵抗してきた、故あさこ
おばあさんの遺志を受け継いで建てられた「あさこはうす」が、道路封鎖の
危機の前にあるというではありませんか。

しかし、みんなで激励のはがきを出すと、郵便やさんが通うことになり、交通
量を増やせるという。激励が同時に道路を守ることになる。はがきを出して欲
しいとある。なんだかとてもユニークな呼びかけでいいなと共感しました。

またほとんど同じタイミングで、「明日に向けて」をしばしば転送して下
さっている安積由紀子さんからも、大間原発反対運動の紹介のメールが流れて
きました。これは僕も何かをしなくてはいけないと感じ、このはがきを出す
ムーブメントにコミットメントすることにしました。どうか多くのみなさんに
この「はがき」のことをお伝えください。そしてみんなで継続的にはがきを
出しましょう。

可能ならそれぞれ5枚ばかり(あるいは好きなだけ)葉書をかって、数ヶ月にわ
たって出し続けましょう!激励になり、かつ、交通量を増やせます。だらだら
と?長く続けるのがポイントですね。

はがき以外の手も活用できます。メール便などいいですね。そうすると郵便屋
さんだけでなく、宅急便やさんも通うことになって、ますます交通量が増えま
す。その一つ一つが、大間原発建設を食い止めることになると思うと、ますま
す愉快です!

MLへの投稿で紹介されていた「脱原発の日ブログ」での、はがき投稿の
呼びかけと、「あさこはうす」を紹介した「なわふみ日記」、および安積さん
が教えてくださった「大間原発と函館-原発訴訟準備すすむ」という大場一雄
さん(大間原発訴訟準備会事務局長)の記事を紹介しておきます!

どんどん広げよう!脱原発ムーブメント!

**************

脱原発の日ブログ
http://ameblo.jp/datsugenpatsu1208/entry-11108920118.html

テント村では、青森で新しく稼動されそうな大間原発に、たった一人で抵抗
していたおばあちゃんの遺志を継ぎ、抵抗を続けている「あさこ はうす」
のお母さんとお孫さんが、必死にアピールしていました。

「おばあさんは、どうして原発の危険を知ったのですか」と質問したら「母
は、放射能とか難しいことは、分りませんでしたが、原発がくれば、海の温
度が高くなり、魚たちは、生きてゆけず、漁業もやっていけないと推論した
ようです。」と応えておられました。
きっと祝い島の人たちと同じように直感したのだろうと思います。原発技術者
や御用学者に欠けていたのは、この素朴な直感だったと思いました。

いま「あさこ はうす」に通ずる道路を電源開発J東北パワーは、閉鎖しよう
としていて、毎日、交通量をチェックしているそうです。だからこの道が、
車のよくとおる公道であることを示したいそうです。

そこで郵便局の車が毎日通れば、道路が閉鎖されないだろうと考えて、「あさ
こ はうす」宛てに、激励のはがきを送ってほしいとのことです。カンパの意
味で、はがきを買ってきたのですが、もうなくなってしまいました。普通のは
がきでもいいから、どうか「あさこはうす」宛てに、げきれいのはがきを出し
てあげてください。

長々と書いてきましたが、実は、このメールの主要な目的は、「あさこ はう
す」宛てに、激励のはがきをだしてほしい、というお願いです。

039-4601

青森県下北郡大間町字小奥戸 396

「あさこ はうす」

はがきの裏面には、こんなことが書いてありました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あさこはうすゆうびん

あさこにはたくさん人の出入りが必要だけれど、場所は青森の最北です。中々簡単に
は行けないところ。遠くののかたも。もちろん近くの方も。
はがき一枚でできる、ちいさな応援をお願いします。

*****

なわふみ日記
http://nawafumi.jugem.jp/?eid=69

*****

大間原発と函館-原発訴訟準備すすむ
大場一雄(大間原発訴訟準備会事務局長)
http://www.gensuikin.org/gnskn_nws/0708_6.htm
コメント (1)
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