明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(261)16日矢ヶ崎さん講演会、17日細川さん除染活動報告会に!

2011年09月13日 00時30分00秒 | 明日に向けて(251)~(300)
守田です。(20110913 00:30)

9月16日と17日に、神戸と京都で、魅力的な講演会と報告会が行われます。
もちろん僕も駆けつけます。ご興味のある方、ぜひご参加ください。

一つは矢ヶ崎克馬さんによる、内部被曝に関する公開学習会です。
福島第一原発事故以来、「内部被曝」という言葉がすっかり定着しました。
内部被曝というと、放射性物質を食べたり飲んだりして、内部から被曝する
こと・・・ということは多くの方がご存じだと思います。

しかしその危険性ついては、ほとんどといっていいほど知られていない!

なぜならは、政府やその周りにいる学者たちが、内部被曝の恐ろしさを
覆い隠してきたからです。もちろん中には、覆い隠された内容を、真実と
受け取って、疑ったことのない政治家や、学者さんもいるのでしょうが、
ともあれ内部被曝の人体への恐ろしい影響が非常に低く見積もられている。

例えばある人の被曝量を表現するときに、「外部被曝何ミリシーベルト、
内部被曝何ミリシーベルト、足し合わせて何ミリシーベルト」という表現
がされることがありますが、これは外部被曝と内部被曝を事実上変わらない
ものとする立場です。

しかしここにはかなり大きな違いがある。
最も重要なのは、外部被爆では主にγ線にあたり、いわば体全体にまばらに
放射線が当たる事に対し、内部被曝では、α線、β線、γ線の全てがあたり
しかもα線やβ線は、局所に集中的にあたる事です。とくにα線は、細胞の
中ではごくごく短い距離しかとばず、その間に大きなエネルギーで、細胞に
徹底したダメージを与えます。

人間の細胞は、放射線に傷つけられても修復する能力を持っていますが、
内部被曝におけるα線やβ線での被曝の場合は、ごく限られたところに
全エネルギーが使われるため、細胞が修復できなかったり、誤った修復が
行われ、異常なままに細胞分裂が行われて、ガンが発生するなどのダメージ
がもたらされます。

もちろんγ線被曝でも量が多ければ同じことにいたりますが、α線やβ線に
よる内部被曝では、低線量での深刻な影響がおよばされるのです。
この点だけとってみても、内部被曝と外部被曝とはかなり違うものであり、
おなじぐらいの値の被曝なら、内部被曝の方がはるかに危険な性質を持って
いるといえます。

しかしこの事実がこれまで隠されてきました。

矢ヶ崎さんは、この問題と、被爆者訴訟における被爆者弁護の中で取り組み
始め、今日まで研究を重ねて、内部被曝問題の第一人者としての業績を
積み上げられてきました。何よりたくさんの被爆者を助けてきました。

その矢ヶ崎さんに学ぶのが、16日神戸で行われる公開学習会です。
お近くのみなさんのご参加を呼びかけます。


もうひとつは、京都精華大学の細川弘明さんによる、「福島市での除染活動で
見えてきたこと」と題した報告会です。

おもな話題として以下の内容が列挙されています。

・福島原発事故による地域別の汚染状況
・除染の必要性と可能性(場所によっては不可能性)
・「除染」と「避難」の関係 ── 避難させないために除染するのではない
・「放射能除染・回復プロジェクト」の福島市での活動(5月~8月)
・その他の様々な「除染」活動、やり方/考え方の違い、問題点など
・「除染廃棄物」をどうするか

大変、尊敬に値する行動で、僕も可能ならばぜひ参加させていただきたい
とも思っています。

この間、僕が論じてきた避難と除染の問題についても、深い洞察と実践を
重ねておられます。
みなさんがぜひ聞きにこられますよう、僕からも訴えます。

以下、案内を貼り付けます!

***********

9月16日(金)18:00~
『内部被曝』公開学習会

主催:兵庫県弁護士会
場所:兵庫県弁護士会館
    本館4階講堂

講演:矢ケ崎克馬氏
   (琉球大学名誉教授)

予約不要・入場無料
(連)078-341-7061

*******

9月17日(土曜)19:00-21:00
場所: 堺町画廊 (京都市中京区堺町御池下ル丸木材木町)
    http://www.h2.dion.ne.jp/~garow/information/map.html

「福島市での除染活動で見えてきたこと」
 (トーク・シリーズ 《東北への風》第4章 )

話題提供: 細川弘明(放射能除染・回復プロジェクト)
       http://bit.Ly/josen719
資料代: 500円

主催: 「福島市での除染活動で見えてきたこと」を聞く会
問合せ: 中原( kou840@yahoo.co.jp
070-5650-9834 )

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《おもな話題》
 ・福島原発事故による地域別の汚染状況
 ・除染の必要性と可能性(場所によっては不可能性)
 ・「除染」と「避難」の関係 ── 避難させないために除染するのではない
 ・「放射能除染・回復プロジェクト」の福島市での活動(5月~8月)
 ・その他の様々な「除染」活動、やり方/考え方の違い、問題点など
 ・「除染廃棄物」をどうするか

映像、写真、地図などをまじえて、報告したいと思います。質疑応答&
意見交換の時間もとります。

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話題提供者のプロフィール

細川弘明(ほそかわ・こうめい)
 アジア太平洋資料センター(PARC)共同代表、京都精華大学 人文学部
(環境未来コース)教授、高木仁三郎市民科学基金 理事、グリーンピース
・ジャパン理事。福島原発事故後、京都精華大の山田國廣教授と福島大学の
中里見博准教授らが立ちあげた「放射能除染・回復プロジェクト」に参加し、
福島市内各地にて通学路ホットスポット調査、民家・農園・駐車場などの
除染テストをおこなってきた。
ツイッター @ngalyak (ログは http://twilog.org/ngalyak
http://www.kyoto-seika.ac.jp/magazine/entry/49.html
公開サーバー https://public.me.com/hosokawakm/ja/
三条ラジオカフェ震災特集 bit.Ly/radio325 bit.Ly/radio328 bit.Ly/radio428 ほか

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