ぼちぼち日記

大切な日々のこと

『雪屋のロッスさん』

2006-07-15 06:05:18 | わたしの読書

雪屋のロッスさん』 いしいしんじ

魔法が足りない。そんなことをぼんやり思った。『ぶらんこ乗り』の印象が強すぎたのだ。ほとんど、麻薬患者のような感じで、あの陶酔感を期待していた私には、ちょっとだけ、がっかりした部分もあったと思う。
それでも、いしいしんじの不思議な世界は、しっかりと存在しています。
私にとってのいしいしんじは、こちらの世界とあちらの世界のハザマの世界。それは、非現実的な物語だけれど、しっかりと、こちら側に結びついている。

そんなハザマの短編が30もつまった本。何が描きたいのか理解できない・・・それが魅力というのもおかしいけれど、そんな、不思議ないしいしんじワールドに、どっぷりとつかりました。印象深かったのは、『似顔絵描きのローばあさん』と『しょうろ豚のルル』。
さて、次は、いよいよ『麦ふみクーツェ』に挑戦です。