ぼちぼち日記

大切な日々のこと

「銀河鉄道の夜」と「長新太展」

2006-07-25 05:48:11 | つぶやき

とうとう、行ってきました!長新太展。
田舎モノとしては、「わざわざ東京に行くのだから」という考え方が捨てきれず、宮沢賢治の語りをしている叔父さんお勧めの、サンシャインシティ・スターライトドームの『銀河鉄道の夜』も観に行くことに決定。

ちなみに、『銀河鉄道の夜』の原作は、何度も挑戦してるのだけれど、いつも、途中で挫折してしまう・・・もしかしたら、今までで、一番多く挫折している作品。
けれど、映像の『銀河鉄道の夜』は、とても判りやすいものだった。内容は、物語に沿って作られているのだが、プラネタリウムらしく星座の解説も含まれ、賢治の歩んだ人生も観てとることができる。
しかも、最新のCG映像は美しく、心を震わせてくれる。この作り手の方は、きっと、誰より賢治の原作を愛しているのだろうと思う。さそりの火の場面の朗読では、思わず涙がこぼれてしまうほどの美しさでした。(朗読は、女優の室井滋さんです)

けれど、私が一番感動したのは、なんといっても、作品の解釈。
私は、今まで、『銀河鉄道の夜』という物語は、ジョパンニが、天の川(銀河)を宇宙旅行をする物語だと思ってきたのだけれど、この作品では、賢治が、故郷・花巻を流れる北上川を天の川に見立てて描いた物語だと解釈しているのです。銀河鉄道は、北上川を沿って進んでいるのだと。
ゆれて輝くススキの原。飛び立つ水鳥たち。その川岸に、賢治が寝転んで空を見上げている様子が目にうかぶようでした。その姿は、ジョパンニと重なって・・・
ああ、人が100人いたら、100人の銀河鉄道の空想の世界が広がっているのだろうなあと思う。だから、アニメでもなく、漫画でもなく、小説って、すごいなあと思う。だって、それぞれの人の頭の中に、それぞれの映像を魅せてくれるんだもの。文章だけの世界って、そういう素晴らしさがある。
私が今度読むときは、この作品の影響を受けるのかな?うん。それも、それでおもしろいかもしれない

さてさて、いよいよ向かった長新太展。
途中、下草井駅と上草井駅を間違えて下車してしまうというハプニングもありましたが、ちゃんと、目的地に到着することが出来ました。
けれど・・・・・・日曜日は最終日。覚悟していたけれど、すごい人でした。
夏休み前に行くべきだったなあと後悔したけれど、それでも、やっぱり来てよかった。力強く、繊細な作品たち。ペンや筆の細かい線をなぞりながら、長新太氏の発想の豊かさと、作品への溢れるばかりの愛情を感じました。

息子は、美術館の方の用意してくれた「子ども用の鑑賞ブック」を手に、熱心に、美術館内をグルグルと回り、私とは、ちょっと違う楽しみ方をしたようです。
これは、ちひろさんの絵に描かれている花の名前を当てたり、子どもたちが何を話しているのかを考えたりしながら、作品を鑑賞するガイドブック。「ゴムあたまポンたろう 」を探す問題は、かなり難しかったようですが、なんとかクリアして、見事おみやげをゲットしてきました。(ちひろさんの可愛らしい絵葉書を一枚)
私の方は、おみやげに『なんじゃもんじゃ博士』を購入。
ちょっと、人ごみに当てられたけれど、とても充実した一日でした!