ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

日本のクラフトビールを楽しもう  アイデア広場 その397

2018-09-08 17:21:28 | 日記

 以前、チェコを旅行したことがありました。ボヘミアングラスだけが頭にあり、その透き通ったグラスだけを手に入れて帰ってきました。最近のクラフトビールブームで、そのグラスでチェコのビールを飲んで来なかったことを後悔しています。チェコは、消費量では世界一のビール大国です。彼らが1年間に消費するビールは、日本人の3倍以上になります。そのビールを醸造していた職人が、世界中に拡散していったのです。美味しいビールを作る職人が、世界中の人々の近くにやってきたことを意味します。日本もその恩恵を受けた国です。
 日本で、「地ビール」人気に火が付いたのは1994年になります。このブームは下火になりましたが、現在「クラフトビール」として人気が出てきています。小さな醸造所で仕込む国産クラフトビールが、人気を集めているのです。この国産クラフトビールの水準は、世界的に見てかなり高い評価を獲得しているようです。目の離せないビール醸造所も、出てきました。なぜか、そこには日本産のワインの成長を見るようです。
 そこで、日本のクラフトビールをもっと美味しく飲むためにはどうすればよいか考えてみました。クラフトビールには、飲み口スッキリのピルスナーと、香り豊かなエールがあります。ピルスナーは、透明感のある黄金色でくきりしたのどごしと、爽快なの飲み口が特徴になっています。日本のラガーが、ピルスナーのタイプになります。一方、エールは、ピルスナーに比べ芳醇なビールが多いようです。エールビールには、フルーツのアロマや柔らかく優しい苦さとがうまくバランスを保っているようです。ビール通の評価が、「ライトボディーだが、かんきつ系の香りやホップの苦みをしっかりと感じられる」とか、「ホップの苦みや香りを抑えつつ、焦がした麦芽のカラメル香や穏やかな甘味を利かせた」という感想にでもなれば、良い品質ということになるようです。
 ワインでもコーヒーでも、香りは大切です。なぜ大切かというと、最初に嗅ぐ香りが、のちにくるワインやコーヒーの味覚に対する期待を形づくるからです。ワインやコーヒーの香りの期待が、のちの味覚の良し悪しを大きく左右する要素になっています。その香りと期待を最も効果的に演出する工夫が、ワインなどで顕著に見られます。グラスの上部を空にすることで、注がれたワインのアロマと香りが飲む者の鼻を喜ばせる仕掛けがあります。高級なワインほど、グラスの空の部分が大きくなります。「この香りのあとには、どんな素晴らしい味覚がくるのでしょうね」と誘惑の香りがグラスの空間に漂っているわけです。グラスの上部を空にすることで、グラスに注がれたワインのアロマと香りが保たれているのです。
飲む前に、鼻で感じる香りがすばらしいほど期待が高まります。飲みはじめてから数口目よりも、最初の一口が最も満足を得るときなのです。
 ワインやコーヒーが、香りを大切にするならば、クラフトビールも同じように空間を空ければ良いわけです。でも、これは難しいことなのです。ビールは、グラスいっぱいにつがれないと損をした気持ちになってしまうのです。香りの前に、グラスに次がれたビールの少ない量を見て、期待値が下がってしまいます。香りもビールの量も満足させる方法は、ないものでしょうか。ビールの盛んな国には、この矛盾を解決するジョッキが昔から開発されていたのです。ビールの香りやアロマ対策は、昔よく使われていたふた付きのジョッキにあったのです。ジョッキ一杯に注がれたビール、フタを開ければ、アロマの香りという仕掛けです。日本のクラフトビールのお店でも取り入れてはどうでしょうか。もちろん、日本風にふた付きジョッキを開発します。木製の漆塗りのジョッキを職人が作り、日本のクラフトビールを楽しんでほしいものです。