ヨナは現代の電車や往来の中に沢山いる
つまり眼前で行われている事が悪いことだと知りながら
自分には関係ないふりをしている輩のことである
しかし本当に自分に関係ないと思っているのではなく
事の成り行きを離れた場所からじっと見ている
表情には出さないが内心では悪を楽しんでいるのである
人の噂話を楽しむ人々も同じである
現実世界をテレビのように観て
あるいはパソコンの向こう側の世界のように
感じて楽しんでいる
彼らが感じている世間との決定的な隔たりは
やはり幻である
ただ彼らには自己愛以上の
愛が欠如しているにすぎない
愛が欠けている場所、
そこを地獄と呼ぶことすら彼らはわかっていない。
聖書の中の殺人 白取春彦 
とある喫茶店
店内全席禁煙のお知らせがしてある
３人の高校生がタバコを吸って
大きな声でなにやら騒いでいる
店内には女性客が数人と
お昼休みの休息にサラリーマンが
ちらほら見える
店員もお客も誰もその高校生に
注意するものはいない
思い余ったのかウエイレスが近寄った
「君達、タバコを吸うなら外へ出て行って…！」
ウエイトレスにすれば２００％の勇気
高校生は全く聞く耳を持たない
でもウエイトレスはその場に身動きせずに
立ち尽くしている
しばらくすると高校生が
「こんな店二度と来るもんか…！」
と汚い言葉で吐き出すように店を出た
なんともいえない重い空気が
高校生が去った後も店内に漂った。
誰一人店を出ようともしない。
がんばれ…！早起き鳥
