ペンギンのひとりごと。

とにかく何事にも好奇心旺盛なペンギンのひとりごと。

今月の1冊「遥かなアメリカ-ある歴史家の回想」猿谷要著 実業之日本社

2009-02-01 22:56:39 | 書評
久々の書評である。
といっても相変わらず本は毎日読んでいるのだが、ただ書くのが面倒なだけ。

アメリカではついに史上初の黒人大統領が誕生したのだが、
周知のようにここまでの道のりは長く険しかった・・・。

猿谷氏はアメリカ史研究の第一人者で、吉祥寺に近い東京女子大の元教授。
出身は東大西洋史学科で、私の大好きな鉄道文学者宮脇俊三氏の後輩にあたる。
本書は猿谷氏が自らの生い立ちを、夫人とともに過ごしたアメリカ滞在や旅行を交えて回想するものである。
第二次大戦中陸軍のパイロットだった猿谷氏は、終戦間近に北海道の基地の防空壕で、低空飛行してきたグラマンからちらりと見えた少年飛行兵のあどけない顔に敵国アメリカへの興味が芽生え、それがアメリカ研究者になるきっかけだったという。
白人と黒人、ネイティブアメリカン、日系移民、ラテン系移民、南部と北部、ミシシッピ川、ハワイ・・・。
現地を体験することによるアメリカへのさまざまな考察が興味深く、
それは今回の大統領選の結果にも続いている。
猿谷氏は歴史学者ではあるが優れたノンフィクション作家でもあるようで、夫人とともに過ごす滞在記や旅行記はわかりやすく読みやすかった。
本書とともに「ミシシッピ川紀行」(文芸春秋)、「アメリカの風」(実業の日本社)も読了。




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