ペンギンのひとりごと。

とにかく何事にも好奇心旺盛なペンギンのひとりごと。

今月の一冊(その6)「自暴自伝」村上“ポンタ”秀一

2006-06-30 14:14:02 | 書評
「文章からもグルーブが伝わってくる」
私の読書スペースは主に通勤電車の中だ。
読書に夢中になるあまり、降車駅に気づかず乗り過ごしてしまうことがたまにある。
途中で読書を中断するのが嫌で、わざと乗り過ごすこともたまにはある。
本書はそんな、わざと降車駅を乗り過ごしたくなるほど夢中になれる本である。
「自暴自伝」村上“ポンタ”秀一 (構成者 真保みゆき)
“ポンタ”さんは私の敬愛する数少ない日本人ドラマーのひとりであり、
J-POPを裏方の中心として30年以上に渡り支えてきた人である。
ポンタさんのプレイを始めて耳にし驚嘆したのは、1975年頃、五輪真弓のライブアルバム「冬ざれた街」だったと思う。
アマチュアバンドのドラマーだった私は、そのグルーブ感やテクニック、手数の多さの割に決して歌を邪魔せず盛り上げる構成など、それまでの日本人ドラマーとは一線を画す演奏を、むさぼるように聴いたものだ。
本書はそんなポンタさんの生い立ちから現在までを、口語調の文章で熱く伝えてくれる。
“赤い鳥”から始まり、山下達郎、吉田美奈子、松田聖子、山口百恵、矢沢永吉などから、現在の「堂本兄弟」のバックバンドにいたるまで数千回を越えるレコーディングやライブ演奏と、それらに関わった膨大な数のミュージシャン達・・・。
優秀なミュージシャンは、ほぼみんな“変”だと思うのだが、もちろんポンタさんも例外ではない。
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吉祥寺の大衆食堂的喫茶店でつかの間の休憩を楽しむ。

2006-06-20 17:50:30 | 吉祥寺
「たまには休憩せにゃあかん」
いやあ、しっかし忙しい。このところ仕事が立て込んでるところなのに、ワールドカップのテレビを見たり、ワールドカップの新聞を見たり、ワールドカップの雑誌を見たりしなければならず、めっちゃ忙しいのだ。しかしたまには休憩をしなければ身体を壊すので、近所の喫茶店に行った。場所は行列のできる肉屋さんの近く、ビルの地下にあるC(たぶんフランス語)という店。ここは席と席の間に間仕切りがないため、入口から奥まで見渡せてしまう。さらには喫煙席と禁煙席の区別が“立て札”だけという大衆食堂的な店なのだ。私が普段喫茶店に求める条件は、1)空いている。2)ジャズなどの音楽が静かに流れている。3)椅子がゆったりしている。4)目の前に海が見える。などだが、この店はそれらにひとつも該当しない。しいてあげれば空席の有無が入口から見えることだけで、ちょうど空席があったのだ。でもしょうがない、今日は忙しいのだ。書道だか華道教室帰りだかのおばさまグループや、パチンコの戦果を自慢しあうグループなどでごった返す中、東海林さだおを読みながらそそくさとブレンドコーヒー(¥290)を飲み、タバコを1本吸い、“ふう”とため息をつき、つかの間の休憩は終わった。(この項都合により画像は省略させていただきます。)
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今月のCD(その3)「MINAKO 2 Live」吉田美奈子

2006-06-16 14:24:49 | CDレビュー
「絶品のライブに酔いしれる。」
このコーナー“今月のCD”とはいうものの6月はこれで2回目だし、紹介するCDはすべて70年代のものになってしまったので、タイトルを“懐かしの名盤”にしようかなあなんて考えてたりして・・・。今回もその例に漏れず70年代の超名盤「MINAKO 2 Live at SunPlaza Hall Oct.3.1975」吉田美奈子 1975年。70年代に台頭したミュージシャンは、内外を問わず、その資質が本物であるかを証明するべく現在でも第一線で活躍する人が多い。もちろん吉田美奈子もそのひとりで、現在ではもはやカリスマに近い存在だ。その独特の歌声も魅力だが作詞力も相当なもので、自作には留まらず、山下達郎の初期の作品にも多数の傑作がある。さて、本作はタイトル通り、1975年、中野サンプラザホールで行われたワンマンライブで、ねばりのある野太い高音の歌声が、まだ初々しい。自作曲はあまりないが、まずはChaka Kahn&Rufusの名盤「Rufusizd」に収録の、“Once You Get Started”でスタートし、はっぴいえんどメドレー、Ain't No Mountain High Enoughなど名曲ばかり。バックミュージシャンも村上秀一、伊藤銀次、矢野顕子、山下達郎、大貫妙子、ハイファイセットなど超一流。このコーナーでは毎回書いてしまうのだが、今聴いてもまったく違和感はないし、日本人でこれほどの表現力を持つシンガーは残念ながら少ないのではないか。ちなみにジャケットの“煙”は、頭文字に“マ”がつく、吸ってはいけないものらしい。
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だってモダンダンスだもん。

2006-06-12 18:21:17 | おでかけ
「モダンダンスのさらなる可能性を感じるステージ」
先日、モダンバレエ&ダンス教室の発表会にでかけた。
場所は八王子の某所。
教室の発表会ということで、踊るのは子供から大人までアマチュアの方々がほとんどなのだが、冒頭に出演したゲストとダンサーのコラボレーションが素晴らしかった。
ゲストは太鼓奏者のH氏で、あの“鼓童”の出身。
幕が開くとともにスモークの中からH氏が現れ、太鼓のソロが始まった。
太鼓を囲みシンバルが左右に配置されたセットはまるでロックバンドのコンサートのよう。
和風のリズムからロック風ジャズ風と、さまざまなリズムが奏でられ、ダンサー達がそのサウンドに呼応するように踊る。太鼓とダンスの掛け合いの応酬・・・。
太鼓にはメロディーがないため、集団でのダンスを合わせるのは非常に難しいのではないか。
しかし観ているこちらには新鮮でとても心地良く、思わず一緒に踊ってみたくなった。(踊れないけど・・・)
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今月のCD(その2)「aja」Steely Dan

2006-06-03 15:54:48 | CDレビュー
「天才と名人達のコラボレーションを楽しむ。」
某日、吉祥寺の某所でカレーを食べていると、曇った、安っぽい音がするスピーカーから、聞き覚えのあるメロディーが流れてきた。それは懐かしいなどというものではなく、身体の奥に染みついてしまったメロディーだ。「aja」Steely Dan 1977年発売。もう30年も経っちゃったんだよ!ロックやジャズ、ソウルがそれぞれのジャンルを越え、混沌と融合の黎明期にあった当時、現在はすでに伝説となっている名盤が多数生み出された。本作はその中にあっても出色の1枚で、とにかくもうホントにすり切れるまでレコードを聴いたものだった。ドナルド・フェイガン、ウォルター・ベッカー、ゲイリーカッツという作り手の天才達。ラリー・カールトン、リー・リトナー、チャック・レイニー、バーナード・パーディー、ジョー・サンプルやウエイン・ショーター等という表現の天才達。さらには音楽のみならずジャケットを創造するカメラマンやデザイナー・・・。魂の結晶。今まさに本作を聴きながら本項を打ち込んでいるがとても30年前の作品とは思えないし、これまで本作を越えた作品などほとんどないのではないか。これも無人島に持って行こっと。
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“国際都市”吉祥寺

2006-06-02 16:48:20 | 吉祥寺
「世界はひとつになりつつあるのか」
かつて“人種のるつぼ”と呼ばれたのはニューヨークであったが、最近は我が吉祥寺も負けていないのである。駅前留学の学校?外資系?大学?・・・。なぜかわからぬがけっこう外国人が多いのだ。本日、遅い昼飯を食べようと吉祥寺ではちょっと名の売れたラーメン屋に入ると先客が2組(3+3、合計6人)。良く見るとそれぞれ日本人が引率してきたらしく、アングロサクソン系の人がふたりとアフリカ系の人がふたりいたのだ。会話は片言の日本語であったが、ラーメン屋で4人もの大量の外国人を見るのは珍しい。しかも、店員も中国系の人だったのだ(店員はもう珍しくないか)。先日、井の頭公園を散歩した際も外国人の子供が大勢遊んでおり、年期の入ったブルースマンが奏でるブギーを興味深そうに眺めていた(ん?これは逆か)。(写真)“SF界の巨匠”筒井康隆氏の著書に「日本以外全部沈没」という傑作があり(もちろん「日本沈没」小松左京著のパロディ)、国土を失ったフランク・シナトラなどのスーパースターがみんな日本にやってきて、場末のキャバレーで唄っているというシーンがあったが、まさか現実になって吉祥寺に避難しに来たんじゃないだろうねえ・・・。
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