トンネルの向こう側

暗いトンネルを彷徨い続けた結婚生活に終止符を打って8年。自由人兄ちゃんと天真爛漫あーちゃんとの暮らしを綴る日記

子供は親を選べない

2005-11-28 09:19:00 | アルコール依存症
結局、姑は舅を手放すことができなかった
夫は叔父と連れ戻しに行った日、姑に戻るように説得した
舅は「俺は、今度は酒も控えて、ちゃんとやる」と言いながら、がぶがぶと酒を飲み続けたという

最後は酔った舅が「そんなに言うなら面倒臭い。お前、あっちの家に行け」と怒鳴り散らし始めたそうだ
夫が「おふくろ、どうすんだよ」と聞くと「ちゃんとやるって言ってるんだから、此処にいるわ」と言ったそうだ

その時夫の中で何かが切れたという。舅の飲み残しの酒を舅の頭からザブザブとぶっ掛けて、大声で、泣いたという
後にも先にも妹が死んだ時でさえ、親の前で泣いた事はなかったと帰ってきて苦笑いして教えてくれた

夫はもういいと言う。もう死ぬまで会うことはないだろう。亡骸すらいらないと言う。

そうして私達は、保健所の人達や、デイケアの人達と相談して、このまま舅がアルコール依存症の末期を向かえ、幻覚症状でもでるようになったら、病院に強制的に入れましょう。それまではこのまま様子を見ましょうとなった

舅は1人で家にいる間に自分の世話をしてくれる家政婦を雇っていた
アルコール依存者は1人では不安でお酒を飲んでいても美味しくないらしい
だれか世話をしてくれる人がいてこそのお酒なのだろう

全く、その家政婦も事務所から「あの人は危険だから、契約しないように」と言われたのに事務所に内緒で可哀想だからと通っているのだという
本当にアル症者と共依存者とは、ひきつけ合う様にできているのかもしれない。

私達は再三その家政婦さんに「巻き込まれる前に、手を引いたほうがいいですよ」と言ってきた。でも「兄もアル症で死んだから放って置けないんです。あの人可哀想です」と言って聞いてくれなかった
それが先日舅に泥棒扱いされて訴えられたという
その上、年金を担保にお金を借りて、高い買い物をして返済に困っているらしいと電話があった

私達の住んでる家も勝手に舅が買って高いローンを組んで払えなくなり私達に押し付けた。今、その権利書をよこせと、夫の会社に何度も電話がかかってくる
酔って電話をすることで夫がどんな思いをするか等舅の頭の中には思いも浮かばないのだろう

アル症は末期になるにしたがって、金に執着するという。お金がなければお酒が買えない。その恐怖が人をますます狂わせていくのだと思う

警察に呼ばれた家政婦は舅のアル症の事等、事情を説明したと言う
すると警察官は「子供は何をしてるんだ。そんな親を放ったらかしなのか」と怒ったという
だからうちにも事情を聞くために「警察から電話が来るかもしれないから。もうご両親の面倒見たほうがいいですよ」と言われたらしい

あの両親の面倒?また汚物まみれの家で、舅の怒鳴り声と姑のヒステリーの中で子供を育てろというのか?
舅の事はもうハイヤーパワー(神のおぼし召し)任せるしかない。

でも財産は守らなければならない。あの舅に権利書を渡せば、たちまち酒と自己満足の高価な買い物に消え、ローンだけが残り皆が家を失ってしまう

2つの物を見極めればこうなる。
両親は放っておいて、財産は守る

夫は「早く2人とも死ねばいい。なぜ俺だけこんな目に会うんだ。子供にも親を選ぶ権利が欲しい」と怒る

私もそう思う。子供は親を選べない。
だから私達は「小さな祈り」と共に生きていくしかない
じっと嵐が過ぎ去るのを待つしかないのである。

そう舅が朽ち果てるその時まで・・・

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