tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

東京ウェーデルン(14)

2007-03-08 20:35:08 | プチ放浪 山道編
そして、次がコスギくん。
その夜の飲み会でわかったことなのだが、信じられないことに彼は毎年のようにスキーの板を折ってしまうらしい。今はいているスキーは、通算で7~8代目。折れるたびに買った彼のスキー板の変遷を教えてもらったが、「すごい」の一言でしか言い表せない。それも、彼のすべりを見れば納得で、コブであろうが関係なく最短距離を滑ってくる。そして、スピードコントロールは、ヒールキックが主体だ。コブにスキー板のテールを意識してぶっつけるすべり方だが、ちょうど、てこの原理が働いてブーツの後ろ付近に応力が集中してスキー板が折れてしまうようだ。スピードを求める典型的なモーグルスキーヤーのすべりだった。コブに着地するたびに大きくたわむスキー板を見て、板がかわいそうな気もする。そして、カメラを意識して、コブを選んでスプレッド。最後は、瞬間的にエッジを左右に切り替えるモーグル仕様のウエーデルンだ。
スキー板の破損と言えば、幼い頃、ぼくもレンタルのスキーの板を折ってしまったことがあった。この時ぼくが折ったのは、スキー板の前の部分だった。深雪にスキーの板が突っ込んで、前のめりになって転んでしまった。当時のスキー板は、ガラス繊維で補強されたFRPだったと思う。立ち上がったら、折れた部分がささくれ立ってスキーの板が曲がっていた。幼かったぼくは、借り物のスキー板を折ってしまったことで青くなってしまった。いろいろ、板が元のようにまっすぐに見えるように工夫してみたが、どうにもならない。弁償するのにいくらかかるのだろうか。泣きそうな思いでゲレンデの下のレンタル屋にスキー板を返しに行くと、<折れちまったね>とそこのおじさんは平然とした様子で受け取った。当時の国産のスキー板では、転んだひょうしに折れてしまうことが結構あったのかもしれない。しかし、その後は30年以上に渡ってスキーの板をぼくは折ったことがない。スキーの板の材料強度は、当時に比べれば格段に向上したはずなのだ。それにもかかわらず、スキーの板を未だに折り続けるコスギくんはすごいとしか言いようがない。よくぞ、体が平気なんだと思ってしまう。その彼の典型的なヒールキックを、何枚かデジカメに収めた。しかし、カメラの液晶画面が光を反射して、撮った写真を確認しようとしたがゲレンデでは良く見えなかった。その夜、部屋に帰ってから確認すると、ヒールキックの瞬間がうまく撮れていたのは1枚だけだった・・・。

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