11/2(日) 田子、天候 晴 水温 22℃ 透明度 5メートル
(1本目)弁天島、網代、(2本目)弁天島、網代、(3本目)白崎、(4本目)弁天島
ひとまず海から上がり、田子の港に設けられたダイビングサービスの風呂へ直行するダイバーたちを尻目に、カズさんと2人で暖かな日差しの中、潮風に吹かれながらデッキチェアに座ってどんぶり入りのチャーハンを食べた。
その時、カズさんから聞いた話。
人づてに、カズさんが数年前に脳梗塞で倒れたことを聞いていたが、本人の口からそのことを聞くのは初めてだった。病気に倒れ、海を失ってしまった彼。
数年のリハビリを経て、カズさんは海に戻った。ある医者からは、再発すると脅されてダイビングを禁止させられていた。
ところが、別の医者の意見では、高圧空気を吸うことが、脳を活性化させるのに都合がいいとのことだったのだ。
常連の客たちがカズさんの復帰ダイビングをセットして、ダイビング中も彼をこっそり見守った。
病気に倒れた後、5年ぶりに田子の海に入ったカズさんは、そのダイビングを終えて大泣きした。
・・・・・・また、海に帰ってこれた。
その横で、ショップを手伝っている泣き虫のミホ(ヘッド・インストラクター)が、ワアワアともらい泣きしたらしい。
「2人で田子の浜辺で、人目もはばからず。ワアワアと。船頭が不思議そうに見ていた・・・・・・」
髭もじゃの顔で笑いながら彼は語った。
デキの悪い生徒のオープンウォーターのライセンスの認定で、自分が認定者であるにもかかわらず、生徒と一緒になって合格の喜びの涙を流しているヘッド・インストラクターの姿を思い出して、そして、2人が浜で手を取り合って泣いている様子を想像して、ぼくは海の中で鼻の奥がツンとなった。
なぜ、ダイバーは海に潜るのか。魚が好きだからというダイバーもいるし、水中景色が好きだからというダイバーもいる。だけどぼくにとっては、いつだって、海が大きな感動を与えてくれるから。
カズさん。人とうまく会話ができない男でごめん。でも、下田ダイバーズに行くようになって、特に、うるさいほど話しかけてくれる女性イントラと会話するようになって、ぼくのキャラはだんだん変わってきているのを感じています。
しばらくは、下田に通います。
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