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日本滞在6日間の中日(なかび)にあたる5月4日、滋賀県大津市仰木地区に行ってきた。ここは20年来毎年、年に5~6回は来ている所だ。比叡山の東側山麓のゆるやかな傾斜地が琵琶湖まで広がっている。
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中国の棚田や集落(農村)と日本の棚田や里山(農村)との違いを実感してみたいと思った。何かがすごく違うのだが、それは何だろう。言葉に表すとすると どうなるのだろうか-------。
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まず棚田や里山(集落)の周りに広がる山々の森の様相が違うと改めて思った。周りを海に囲まれ雨が多く、温帯気候で四季がはっきりしていてる日本の森は、とても豊かな森なのだ。森が深い、深い森なのだ。温帯気候だけに樹木の種類も多く変化に富んでいる。だから森林が蓄える保水量が多い。棚田や水田、里山や集落が森に包まれている安心感をもたせる風景がある。また、集落の家々の色は、屋根は灰色、建物も黒っぽい木々の色となっていて、周りの自然に溶け込んでいるように思える。
一方、中国の農村の周りに広がる山々の森の様相はどうだろうか。日本に比べて降水量が少なく、亜熱帯の気候のため樹木の種類が温帯に比べて少ない中国南部の森は、山々の森に深さがないと思う。単調な森なのだ。地肌が見えているところも多い中国の山々。集落の建物は、赤っぽい茶色のレンガ造りかコンクリート造りの家々が多い。建物の造りはやや雑で大雑把な感じを受ける。ちょっと周りの自然と溶け合っていない印象を受ける。(※最近、立方形のコンクリートで造られた建物が増え始めたようだ。)
次に、水田一枚一枚の様子が違うと感じる。日本の水田の方が、丁寧な作りなのだ。特に畦(あぜ)の作りが違う。中国の水田は、雑な感じである。このあたりの違いは、国民性の違いかと思う。中国は「大雑把」な作りで、「とにかく稲ができればいいのだ。」というような大陸的なおおらかさがある感じと言っていいのかもしれない。
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日本の村々には必ず神社がある。また、田圃の近くには小さな祠(ほこら)があったりもする日本の田園地区。森や自然の中には神々が宿るという日本の歴史的・伝統的な信仰心は、今も日本人の中に息づいているのだろうと思う。「木を切っては植え、木を切っては植え」続けてきた日本列島の森。だから、まだ豊かな森が残されている。「山に行けば森がある。」
一方の中国では、この考えや信仰心はあまり無いようで、森の木が切られたら再び植えるということが少なく、地肌ばかりの山々も多いようだ。(※中国福建省は、中国の省の中では森林面積の割合が最も多い省である。)
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たまたま行った5月4日、「仰木祭」(別名「泥田祭」)が開催されていた。前日の3日から始まっているらしい。都会に出ている地区の出身者たちもこの日には家族と共に故郷に帰ってくるらしい。集落周辺の水田を見ていた時、村の方から太鼓の音が聞こえたので行ってみたらこの祭に出会えた。この「仰木祭」は、初めて見る祭だった。
水田に水を張り終えた5月上旬、「今年の稲の豊作を神に祈り奉納する。」という祭だという。なにか、地区の大人や老人、子供や若者が一体となってこの祭を作り上げ、楽しんでい印象を受けた。
日本の誇るべきもの、「森と水の豊かな国、日本。」の一光景が、人々の暮らしと共に ここにはあった。