浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

セシーリア・ハンセンの提琴で「ヘイレ・カティ」を

2008年03月01日 | 提琴弾き
1週間の仕事を終え、やうやく休日を迎えることができた。音楽室にアウアー・レガシーのCDアルバムを持って行く。

「ヘイレ・カティ」は随分前にモギレフスキの詰まらない演奏を紹介したことがあった。また、昨日にはメンゲスの演奏を紹介する予定だ。それらと比較して、今日のハンセンの演奏は飛び切り素晴らしい。セシーリア・ハンセンはデンマーク人の父とプロシア人の母との間に1897年、コサック地方に生まれたアウアー門下の女流提琴家である。アウアーには1905年から師事してゐて、その2年後にはベートーヴェンの協奏曲でデビューしてゐる。

「ヘイレ・カティ」のチャルダーシュはお手の物で、正確な音程で速いパッセージを弾きこなすあたりは痛快だ。速度感といい、線の太い音色といい、文句なしに愉しめる。民族色の強く出る小品だが、上品さを失わない実に美しい演奏だ。ただ、レコヲドも半ばを少し過ぎた辺りに2度、洋琴の共鳴版に物が当たったやうな異音が混入してゐて、気になって仕方がない。録音は1925年の機械吹込み録音だが、ハンセンの提琴の音は極めて鮮明に入ってゐるので、なんら問題は無い。

盤は、英國Appian P&RよるSP復刻CD CDAPR7015。


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