浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

ミュンシュのラモーなんていふのも素晴らしいですね!

2007年08月31日 | 指揮者
ラモーの歌劇「ダルダーニュス」からの数曲を管絃樂組曲にアレンジした作品をミュンシュの指揮で聴いてゐる。ダルダーニュスはジュピターとエレクトラの間にできた子供といふことで、題材は希臘神話になる。編曲はルーセルの手によるもので、この作品自体が珍しい。ミュンシュがシカゴ響を振った演奏會の録音を収めた海賊盤だ。 . . . 本文を読む

最近気になるミュンシュのライブ 今日はニガモンの唄

2007年08月30日 | 指揮者
ミュンシュといふ指揮者はライブになると落ち着きを失う性格のやうで、じっくりと音価相当の長さを保たないまま、前のめりになってたたみ掛けてくることがとても多いやうに感じる。最近、ミュンシュのライブ録音を聴くことが多く、このことが気になってゐたのだ。 . . . 本文を読む

ギーゼキングのカーニバル

2007年08月25日 | 洋琴弾き
今宵は独り週末の夜を愉しんでゐる。手元には「野うさぎの走り」のおおかた空っぽになった瓶がある。僕の場合、最近アルコールが入ると昔のことばかりが思い出されて考えが前に進まない。半世紀も生きると、人間は過去の栄光に縋る予兆が見えてくると言ふ。嗚呼、おぞましき事哉! . . . 本文を読む

イグナーツ・フリードマンによるショパン「エチュード」4曲

2007年08月24日 | 洋琴弾き
久々にフリードマンのCDを取り出して聴いてゐる。フリードマンのショパンには気味の良い痛快さと、現代では聴くことのできない生きた浪漫派の歌いまわしがあり魅力的だ。「革命」と作品10-7及び変ト長調の「てふてふ」と「黒鍵」の2曲ずつをそれぞれ1セッションで録音してゐる。 . . . 本文を読む

ストコフスキーを真面目に聴いてみる フランクの編曲作品2つ

2007年08月21日 | 指揮者
芸能界で活躍した指揮者ストコフスキーがフランクのアレンジものを2つ取り上げている。一つはオルガンの為の6つの小品からアンダンテ、そして有名な「天子の糧」の2曲である。オルガン作品のアレンジはRCAビクターのプロデューサー、チャールズ・オコーネルの手によるものだ。 . . . 本文を読む

ヨハンナ・マルツィのバッハ協奏曲第2番 極めて良質の音楽

2007年08月19日 | 提琴弾き
神戸に帰ってゐる間に買い物に費やした時間は膨大だ。おそらく田舎での1年分よりも数倍多いと思ふ。神戸に住んでゐるときには、休みの日くらいは人ごみを避けてどこか緑の中でオゾンをたっぷりと吸いたいと思ってゐた僕が、足が浮腫んでも三宮を歩き回る。この変貌ぶりを誰よりも驚いてゐるのは嫁さんだ。 . . . 本文を読む

シェルヘン マーラーの第5交響曲の不思議

2007年08月18日 | 指揮者
ヘルマン・シェルヘンとは縁が無かった僕だが、前回の第九に続いて今回は第五を購入してみた。第五はゲルギエフの演奏を西宮で聴いて以来、素晴らしい生の響きが脳裏から消えない。シェルヘン指揮維納国立歌劇場管絃團の演奏はみすぼらしいトランペットで始まる。耳が慣れるまでには10分は必要だ。 . . . 本文を読む

デュカスの「ラモーの主題による変奏曲・間奏曲とフィナーレ」をルフェビュールの演奏で

2007年08月18日 | 忘れられた作品作曲家
ポール・デュカスの「ラモーの主題による変奏曲・間奏曲とフィナーレ」といふ洋琴独奏曲のレコヲドがある。デュカスは、自身による自作品の大量破棄により現存する作品は十数曲のみといふ変わり者だ。理由はデュカスの完璧主義にあるといふのが定説だが、完璧を期すあまり未だに1曲も発表してゐない僕に比べれば、まだまだ慎重さが足りない。この曲は1902年頃の作品だが、貴重な十数曲の中の4曲が洋琴作品である。 . . . 本文を読む