我が國を代表する洋琴弾き、中村○子が文化大革命のあだ花と称する鋼琴協奏曲「黄河」は、支那の4千年の歴史上最高の傑作と云はれてゐる。どのくらい傑作かといふと、腹の皮が捩れて1回転するくらいけっさくである。 . . . 本文を読む
先日の交響曲第0番に続いて第00番を聴いて祝日の朝を寛いでゐる。此の番号も野球選手の背番号のやうで裏話が有りそうだが特に面白い話は無い。独逸語で0を「ヌル」と云ふ。だから僕は此の作品を「ヌルヌル」と呼んでゐる。 . . . 本文を読む
リリー・クラウスが珍しくショパンを弾いてゐる。普段はモーツァルトやベートーヴェンを弾いてゐる洋琴家が、実はショパンも素晴らしい演奏をするといふことはよく在る事である。バックハウスなどは晩年になってベートーヴェン弾きになったが、指がよく回る若い時期にはリストやショパン弾きとして獅子王と呼ばれてゐた。内田光子はショパン競技会の準優勝者で日本最初のショパン弾きと云はれてゐる。 . . . 本文を読む
プロコフィエフの提琴協奏曲第壱番を作者の指揮、オイストラフの提琴で聴いてゐる。半音階を多用した妖しい雰囲気を持つ第壱楽章に始まり、古典交響曲の語法で少し時代を先に進めたやうな第弐楽章が印象的だ。物語性のありそうな第三楽章は親しみやすく、全体でも20分弱の短い作品だが、個性的な輝きを放ってゐる。
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イレーネ・シャラーは2度目の登場だ。夏目氏に推薦頂いたパール盤CDを入手して、彼女の軽やかな運指の素晴らしさと気品ある演奏に聴き入ってゐる。最後のトラックに初めて耳にするリトルフの交響的協奏曲第四番の第2楽章が収められてゐて、これが実に愉しい作品だったので取り上げることにした。カテゴリは「忘れられた作品」でも良かったかも知れない。 . . . 本文を読む
先ほどまでヴァルマレートの不思議なクープランを聴いてゐたが、不意に其の師であるイシドール・フィリップのCDが目に留まった。初めて聴くCD盤だが、最終トラックに自作の小品が入ってゐる。昔の人は皆、此のやうな洒落た自作品を持ってゐたものだ。1934年9月21日のラヂヲ放送の録音である。 . . . 本文を読む
「神秘の防壁」といふクープランの愛らしい小品は、僕が学生時代に一時期耳から離れなくなった想い出の詰まった作品だ。とても不思議な響きをもった此の小品の名演奏を見つけた。マデリーネ・ヴァルマレートといふ仏蘭西の洋琴弾きによるずいぶん昔の録音だ。 . . . 本文を読む