浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

波蘭首相の作った「幻想ポロネーズ」をアール・ワイルドの演奏で

2009年01月25日 | 忘れられた作品作曲家
波蘭首相パデレフスキの洋琴演奏については、技術の衰えた晩年のフィルム映像から受ける印象が強く、あまり高い評価を聞かない。ショパン競技会4位入賞を果たした福田紘子にもケチをつけられる始末である。パデレフスキの技術については残されたSPレコヲドをいくら遡っても伝え聞く全盛期の煌びやかさは見つからなかった。もしも、1890年代の演奏が残されてゐれば、もっと別の評価がなされたのではないかと残念に思ふ。 . . . 本文を読む

ミュンシュの伊太利亜ライブ 田園交響樂

2009年01月24日 | 指揮者
伊太利亜の放送曲の管絃團の録音は最近になって数多く発売されるやうになった。トリノや羅馬のRAI響といふ名前はフルトヴェングラーの伊太利亜ライブ録音の登場とともに今から30年ほど前に耳にする機会が増えた。当時、この管絃團に対しては、いい加減な印象を持ったものだ。 . . . 本文を読む

フレデリック・ストックの名曲「交響的ワルツ」 自作自演による超名演

2009年01月18日 | もう一つの顔
最近の指揮者で作曲をする人はどのくらい居るのだらう。交響曲を4曲残したマルティノン、歌劇作曲家のマゼールやヤンキーの國の大作曲家バーンスタインなどが有名だ。昔の指揮者は、フルトヴェングラー、ワインガルトナー、マーラー、R・シュトラウス、プフィッツナーなど、どちらが本業なのか、本人の考えと大衆の評価が一致しない人も居るくらいだ。フレデリック・ストックも素晴らしい作品を多く残した指揮者の一人である。 . . . 本文を読む

ブラジル風バッハ第2番 自作自演盤を聴く

2009年01月16日 | 自作自演
ブラジルの音楽文化は南半球の中では突出して西洋化されてゐて驚かされる。その中でもヴィラ=ロボスの音楽は作品数の上で圧倒的である。昔、ルービンシュタインの弾いた「黄色いリボン」とかいふ小品を聴いた記憶があるくらいで、僕にとってはあまり接点の無い作曲家だった。 . . . 本文を読む

YOUR A GULLER 「あなたのアグレア」ではありません

2009年01月15日 | 洋琴弾き
僕のLP蒐集のピーク時期を少し越えた1979年、ユーラ・グレアのLP盤が突然発売されて話題にのぼったことがあった。当時は「ヨウラ・ギュラー」と紹介されたが、僕はユーラ・グレアの方が雰囲気が合ってゐて好きだ。先日、旅先でグレアの弾くショパンのマズルカに感動してしまった。今宵は、久々にLP盤を取り出して聴いてみることにした。 . . . 本文を読む

ヤン・クーベリックの伝記作家チェレダの提琴演奏でクーベリック作品を2つ

2009年01月12日 | もう一つの顔
指揮者クーベリックの父が大提琴家だったことはよく知られてゐる。そのヤン・クーベリックはクライスラーらと同様、現代のやうな職業提琴家としてではなく、音楽家として活動した最後の世代であり、レコヲドだけではなく多くの提琴作品が残されてゐるやうだ。旅先に持参したCDの中にあったクーベリック協会盤を取り出して雰囲気のある提琴演奏をBGMにレトロな街並みを愉しんだ。 . . . 本文を読む

チェルカスキ自作の「プレリュード・パセティーク」と「熊蜂は飛ぶ」ライブ

2009年01月12日 | 洋琴弾き
巨匠時代の化石、シューラ・チェルカスキのライブ音源は数多く残されてゐて、今後、ミケランジェリのやうにライブ盤が次々と発売されていくやうになるだらう。しかもミケランジェリと異なるのは、チェルカスキのレパートリーの広さである。何が出てくるか、愉しみにしておこうと思ふ。 . . . 本文を読む

甲虫 BBC放送録音集

2009年01月11日 | 芸能
正月は温泉で腰の治療に専念することを口実に、仕事を完全に忘れて遊び呆けてゐたが、そのツケが廻って来ぬうちになんとかしなければいけない。そのため、まず手元にある書類を目につかない場所に移しておいた。そして、以前から宿題になってゐた下宿先の娘からのリクエストである、ビートルズのLPのMP3変換をしながら、懐かしいサウンドを聴いて仕事のことを更に忘れようとしてゐる。 . . . 本文を読む

アーロン・コープランドがアイヴスを紹介する珍音楽祭

2009年01月10日 | 忘れられた作品作曲家
作曲家、アーロン・コープランドが洪牙利のブダペスト音楽祭に亜米利加音楽を引っさげて登場したのは今から35年前の9月のことだった。当時の洪牙利(東欧圏)でアイヴスの珍妙なる芸風が、どの程度知られてゐたのかは不明だが、指揮者コープランドと洪牙利國立管絃團との珍しいコラボレーションを久々に聴いて愉しんでゐる。 . . . 本文を読む