浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

エリック・コーツの「家具の音楽」

2007年01月31日 | 芸能
紳士の国、英國にエリック・コーツといふ軽音楽作家が居た。フルトヴェングラーと同じ1886年の生まれ。チャップリンのトーキー以前の無声活劇のBGMや、ルロイ・アンダーソンの音楽が、その時代をなによりも端的に伝えるのと同じやうに、英國の佳き時代を懐かしむ意味で、エリック・コーツの音楽を聴いてみようと思った。 . . . 本文を読む

東洋のバルトーク 大栗裕の「浪速の俗謡による幻想曲」

2007年01月30日 | 日本國の作品
フルトヴェングラーがこの世を去って2年、1956年から3年続けて朝比奈のおっちゃんは世界の伯林フィルの指揮台に立った。朝比奈のおっちゃんと協演するにあたって、伯林フィルは日本らしい作品の演奏を依頼した。おっちゃんは天王寺のホルン吹き、大栗裕に作曲を依頼し、これが大当たり。「大阪俗謡による幻想曲」の生い立ちだ。 . . . 本文を読む

ジョコンダ・デ・ヴィトー&エドウィン・フィッシャーの「雨の歌」

2007年01月29日 | 提琴弾き
このレコヲドに出会ったのは、高校生時代に叔父の家に遊びに行ったときだった。その頃は、交響的作品ばかり聴いてゐる時期だったが、ブラームスの室内楽には興味を示し始めてゐたので、数あるLPレコヲドの中から迷わずこの二人のデュエットを取り出した。何故なら、二人ともフルトヴェングラーの共演者に選ばれた芸術家だったからである。 . . . 本文を読む

セシル・シャミナード「古き時代」をチェルカスキの名演奏で聴く

2007年01月28日 | 忘れられた作品作曲家
シューラ・チェルカスキはホフマンの弟子の中で、最も才能豊かな洋琴弾きだ。そのチェルカスキが12歳の時に録音した素晴らしいレコヲドは既にご紹介済みだが、今宵はシャミナードの珍しい作品を弾いてゐるSP盤への録音を聴いてゐる。 . . . 本文を読む

ウィリアム・カペル ラフマニノフの前奏曲の快演

2007年01月28日 | 洋琴弾き
僕は、露西亜ものの陰鬱で粘っこい浪漫音楽はあまり好みではない。ウィリアム・カペルが露西亜系の音楽を得意としてゐたのかどうか知らないが、カペルの冷たく感じるくらいの透き通った感覚は現代的で、粘着性のない露西亜音楽は心地よい。しかも、突き刺さるような鋭角的な音楽づくりは情熱的といふよりも刺激的だ。 . . . 本文を読む

クレメンス・クラウス 第2次大戦中のマタイ受難曲

2007年01月27日 | 指揮者
1944年4月3日、第2次大戦の最中、維納では復活祭にクレメンス・クラウスの指揮でマタイ受難曲が演奏された。マルガレーテ・クローゼ、ユリウス・パツァーク、ルートウィッヒ・ウェーバーなど、フルトヴェングラーとの協演でなじみの面々が並び、国立歌劇場合唱團と維納フィルハーモニーの豪華な顔ぶれだ。 . . . 本文を読む

フリッツ・ブッシュ/マルメ響の「真夏の徹夜祭」

2007年01月25日 | 指揮者
フーゴ・アルフェーンといふスウェーデンの作曲家をご存知だらうか。彼のスウェーデン狂詩曲第1番「真夏の徹夜祭」は、大変有名な旋律を持つ、それほど有名でない作品なのだ。高校生の頃、たいがいの作曲家の交響的作品は知ってゐる、と豪語してゐた僕だったが、この曲を聴いた瞬間、大きなショックを受けた。こんな有名な曲の題名すら知らなかったことに気づいたからである。 . . . 本文を読む

クナッパーツブッシュのモーツァルト「ジュピター」の謎

2007年01月24日 | 指揮者
お江戸参りで久しぶりに美しい不死山を見た。暖冬の影響で雪は無いのかと思っていたが、きれいに雪化粧してゐた。その後、仕事を終えて食したそばの出汁が真っ黒で気分が悪くなり、薄めようと茶を飲みすぎ、腹までこわした。自宅に帰り着いたのは日付が変わってからだった。疲れ果てて、何でもいいからと手に取ったCDはクナッパーツブッシュと維納フィルによるモーツァルトだった。 . . . 本文を読む

セシル・シャミナード作曲 洋琴と管絃樂の為の小協奏曲

2007年01月21日 | 忘れられた作品作曲家
シャミナードは1857年生まれの洋琴家で、作曲家としても活躍した。作曲は、オーグスティン・サヴァードに師事し、エドワード・マクダウェルやベンジャミン・ゴーダールとは同門といふことになる。3人に共通するのは、いずれも忘れられた作曲家であるといふことだ。 . . . 本文を読む